シンガポールのリー・クアンユー顧問相は22日午後、国際交流会議「アジアの未来」(日本経済新聞社主催)で小倉和夫国際交流基金理事長と対談し、中国国内での格差拡大について「格差は100%取り除くことはできないが、自由な移動で軽減できる」と主張した。
「米国では国内の移動は自由で、アイダホ州で干ばつが起これば、カリフォルニア州に移ることが簡単にできるが、中国では通行証が必要」と説明。「人口の都市集中と混雑を防ぐための規制だが、解除できるのではないか」との見方を示した。
「1億人以上の内陸部の労働者が沿岸部の都市の建設に携わり、このうち2000万人が故郷に戻った」と指摘。「沿岸部で得た知識や技能を持ち帰った人々に小口融資をすれば、事業を始めることができる」と主張した。