「アジアの未来」
HOME

フロントページ
速報
22日の概要
23日の概要
会議日程
講師略歴
アジアの未来
2007
2006
2005
2004
2003
2002
2001
2000
1999
1998
1997
日経アジア賞
English
速報ニュース
 首相「アジア防災・防疫ネットワーク」提唱 アジアの未来晩さん会  

晩さん会で挨拶をする福田首相
 福田康夫首相は22日、第14回国際交流会議「アジアの未来」(日本経済新聞社主催)の晩さん会で演説した。大規模災害やヒトからヒトに感染する新型インフルエンザウイルスの発生などに備え、域内の緊急援助機関やウイルス研究機関が参加する「アジア防災・防疫ネットワーク」を提唱。政府は新型インフルエンザ対策として東南アジア諸国連合(ASEAN)が日本の資金で備蓄するタミフルなどの抗ウイルス剤を100万人分に倍増させる方針だ。

 首相は「太平洋が内海となる日へ――ともに歩む未来のアジアに5つの約束」と題し、アジア・太平洋外交の新たな基本理念を表明。太平洋を「内海」と位置づけたうえで「これから30年でさらに小さくなるだろう。本当の内海にしていく度量を獲得するべきだ」と強調し、太平洋に接する国々が垣根を取り払って協力を推進するよう訴えた。

 具体策の目玉として打ち出した「アジア防災・防疫ネットワーク」の構築では、大規模な自然災害や感染症の拡大に域内各国が迅速に対応する体制作りを目指す。感染症対策では日本の資金援助で50万人分の抗ウイルス剤「タミフル」を購入し、ASEANの10加盟国に分散して備蓄する。ASEANの備蓄量はすでにシンガポールにある分と合わせて100万人分となる。各国への配分量は人口に応じて決める。

 2億人超の人口を抱えるインドネシアには約20万人分の治療薬が割り当てられる見込みだ。政府は域内のヒトの移動の拡大に伴い国境を越えた大流行のリスクが高まっている現状を踏まえ、アジア各国の保健機関による監視網の整備なども検討する見通しだ。

 防災分野ではアジア各国が多国間の枠組みであらかじめ協定などを結び、被災国の要請を待たずに緊急援助隊を派遣できる仕組みを構築したい考えだ。ASEAN日中韓の10カ国で始め、ロシアやインド、豪州などにも参加を呼びかける方針だ。

 首相は知的・世代的交流の柱として「域内の大学間交流を飛躍的に拡大する」と表明。欧州連合(EU)統合の貢献したとされる大学間交流の「エラスムス計画」をモデルに、アジア・太平洋地域でも大学の単位相互認定などの制度を整える。

 「5つの約束」では(1)ASEAN共同体実現への支持(2)日米同盟の強化(3)平和協力国家として尽力(4)知的・世代的交流のインフラを育成・強化(5)気候変動問題への取り組み――を挙げ、域内協力を推し進めるために日本が取り組む重点分野を示した。

一覧へ戻る >>

(C)2008 Nikkei Inc./Nikkei Digital Media, Inc. All rights reserved.