「アジアの未来」
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日経アジア賞
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アジーム・プレムジ氏
ウィプロ 会長(インド)

IT業界を先導、品質重視の経営

 インドの代表的なIT(情報技術)企業、ウィプロの会長として急成長する業界の先頭に立つ。コスト競争に走りがちな業界にあって品質を重視する経営を実践、インドのIT業界が世界で認められる礎を築いた。

 米スタンフォード大で電気工学を専攻後、1966年に父の急逝を受け、21歳の若さでウィプロのトップに。料理油を扱う売上高200万ドルの企業にすぎなかった同社を、同17億6000万ドルの大企業に育てた。60歳。 



■生年月日
1945年7月24日
■略歴
アメリカ合衆国のスタンフォード大学にて電子工学の学士を取得。1966年に父親の急逝により21歳でウィプロの代表としての責を負うこととなる。当時抱いた唯一のビジョンは「価値」という土台の上に組織を構築する、というものであった。

プレムジの指揮のもと年商200万USドルの料理用の水素化合油を扱う零細企業が、世界中に顧客をもつ年商20億USドル企業へと成長した。今日ウィプロは世界でも100位(ビジネスウィークより)に入るIT企業である。過去2年間では、インドのBPOサービス業界で最大手となっている。ウィプロは信念である「価値」を核に成長を続けている。

過去何年にも渡り、プレムジは数々の栄誉や賞賛を受けてきたが、自身はこれらの栄誉はウィプロに貢献してきた個々人の活躍が認められたということであると考えている。プレムジは、「ビジネスインディア」誌では2000年のトップビジネスマンに、「エコノミックタイムズ」誌では2004年のビジネスリーダーに選ばれている。アメリカ「フォーチューン」誌(2003年8月)では、アメリカ国外における最も実力のあるビジネスマンの25名、「フォーブス」誌(2003年3月)では世界で最も「変えていく力」を持つ人10名に挙げられている。「ビジネスウィーク」誌(2003年10月)では表紙に「インドのIT王」というニックネームとともに掲載された。2005年にはFaraday Medalのインド人初の受賞者となった。

「インドテクノロジー研究所Roorkee校」及び「 Manipal Academy of Higher Education 」の両校からは名誉博士号を授与された。また、インドの首相が主催する「情報技術のための諮問委員会」の構成員も務める。

プレムジは、普通の人々に大きなことを成す力があると硬く信じている。鍵となるのは、どのように活力のあるチームを構成するかである。自らプロジェクトチームやリーダーの構成にかかわり、ウィプロのリーダー養成プログラムにも指導者として多大な時間を割いている。

プレムジは世界に通用する高品質のサービスにてお客様に「価値」をお届けするという狂信じみた信念を持つ。しかしながら、この信念がウィプロの品質開拓の主軸となってきたのである。ウィプロはインドで初めて「Six Sigma 」を導入、ソフトウェア・サービス企業としては世界初の「SEI CMM Level 5」取得、近年、人材成熟度の指標である「PCMM Level 5」に世界ではじめて認定された。プレムジは「品質」と「統合」をともに欠かせない両翼と考えている。

2001年には、アジム・プレムジ基金(http://www.azimpremjifoundation.org)を設立した。初等教育の普及を支援することによりインドの何百万人もの子どもたちの人生を変えていくというビジョンに立つ非営利団体である。全ての子どもが学校へ通い勉強ができるということを目的とし、プレムジの個人資金100%にて運営されている。現在農村地区の5000校において190万人もの子供達へ当基金による教育プログラムが行われている。

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