「日経アジア賞」
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■審査を終えて

■日経アジア賞とは

■審査委員会

 
 審査を終えて
 
審査委員長 豊田章一郎 
 
女性2人・最年少受賞 画期的

 国内外の160人を超える専門家にお願いして経済発展部門で20件、科学技術部門で27件、文化部門で34件の候補者推薦を得たなかから、アジアの発展に大きく寄与した3人の方々に授賞を決めた。今回は女性が2人、また歴代最年少の方が受賞されるという画期的な年となった。

 経済発展部門で受賞したシンガポールのオリビア・ラム氏は1989年にハイフラックス社を設立。シンガポールにとって長年の課題だった水資源の有効活用に向け、同社は海水の淡水化のほか、下水を高度処理して飲料水や工業用水として使えるようにした。  こうしたノウハウを世界中に広げ、中国や中東などで相次いで水処理プラントを受注している。新しいビジネスモデルを確立し、生活水準の向上に貢献した点が受賞の決め手となった。

 科学技術部門で受賞したシンガポールのフィリップ・ヨー科学技術庁長官は、日米欧からトップ級の研究者を多数迎えた分子細胞生物学研究所やシンガポール・ゲノム研究所などを擁する「バイオポリス」を開設。シンガポールをバイオ・医療の主要な研究開発拠点の一つに育てあげた。

 ヨー氏が実績を残してきたのは、個人の資質によるところも大きい。他のアジア諸国のモデルとなるようなバイオ立国のあるべき姿を提示した点が受賞の理由となった。

 文化部門は舞踏家のソピリン・チアム・シャピロ氏に決定した。クメール・ルージュ時代に荒廃したカンボジアの伝統舞踊を復興しただけでなく、シェークスピアの戯曲を翻案したオリジナル作品を創作するなど、新しい試みを続けている。

 短期間に後進を育成し、現代に通用する作品を多く生み出している点を高く評価するとともに、38歳という年齢でこの先さらに活動が広がることを期待した。

 これらアジアの発展に貢献した各受賞者の卓越した業績に改めて敬意を表すとともに、心からお祝いを申し上げたい。

[5月24日/日本経済新聞]



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