「アジアの未来」
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26日の概要
麻生 太郎
外相

 「日本の経験、分かち合える」

 アジア人というのは基本的に楽観的な人々だと思う。30年前、貧困はアジアの代名詞だった。それが30年で13億人を抱えた国が、まがりなりにも飯が食えるようになった成果はすごい。いまやアジアは世界で最も活発な貿易ネットワークの別名になりつつある。ASEAN主要国の1人あたり国内総生産(GDP)は30年間で3―6倍に増えた。アイドルもハリウッドに求めるだけでなく、アジア人のアジア人のためのスターを旺盛に消費している。

 これからの30年のアジアを悲観する理由を思いつかない。アジアへの進出企業のネットワークがIT(情報技術)の進歩のおかげでものすごい勢いで広がった。

 韓国も日本も中国も少子高齢化の問題を抱える。日本はその中で、活力ある高齢化社会を築ける。平和構築に貢献するノウハウも知識もある。急激に経済が伸びた国々では、環境、貧富格差、水資源など色々な問題があり、日本の経験は分かち合える。

 日本が成功を収めた背景には勤勉、向学心、公徳心がある。野外に自動販売機があり、夜に女性がひとりで繁華街を歩ける。アジアの国々の工場では、現地の人と同じ格好をして、同じように働く日本人をいくらでもみることができる。勤労は善という哲学を日本はアジアに広めたと思う。

 域内の「知のネットワーク」が発達すれば、間違いなく活力が出る。

[5月27日/日本経済新聞]

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