「アジアの未来」
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日経アジア賞
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25日の概要
ユスフ・カラ
インドネシア 副大統領

 「テロ対策での協力不可欠」

 アジアには経済発展段階が大きく異なる20億の人口、多様な政治体制の国々がひしめいている。我々はアジアに大きな潜在力があることを示し、力が発揮できるよう協力すべきだ。アジア共同体を構築することで、各国の力強さは共鳴する。この機会を逃してはならない。

 そのためには、一定の成長を維持しながら経済成長を促し、格差を解消する方法を見極める必要がある。先進国と途上国が緊密に協力することによって、より早い経済開発が可能となるだろう。

 急速でダイナミックな中国の変化は見逃せない。中国の経済発展は過去の日本や韓国に似ているが、他国に対して良くも悪しくも影響を及ぼす。インドネシアにとっても巨大市場が開けるが、中国の安価な工業製品が流通することで販売市場を奪われてしまう。  広域での経済成長には安全保障面の協力も必要となる。テロは我々の共通の敵だ。インドネシアを含むほとんどの国がテロの被害を受けている。わずか500ドルの爆発物が、数十億ドルの経済を破壊し、成長を阻害する。

 国際航路であるマラッカ海峡の安全確保でも国際協力が不可欠。航行の安全を維持するには関係国による一定の資金援助が必要だ。タダで海峡を通るのは許されない。

 エネルギー問題は世界で深刻になっている。産油国のインドネシアももはや主要な輸出国ではない。石油よりも安価に国内に供給できる天然ガスは輸出を抑えるが、日本企業などとの長期供給契約は守る。

 アジア共同体を構築するには人々の利益に基づいた集中的な協力が必要となる。個々の国はそれぞれ異なった能力や弱みを持つ。しかし、これらは相互に補完でき、共同体の基礎となる。

[5月26日/日本経済新聞]

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