「アジアの未来」
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25日の概要
アブドラ・バダウィ
マレーシア 首相

 「結束・信念・実行、各国の挑戦必要」

 昨年の東アジア首脳会議(サミット)は成功裏に終わったが、東アジア共同体構築には「結束」「信念」「実行」への挑戦といった課題が残る。

 国々の結束がなければ、統合は失敗する。昨年のこの会議(アジアの未来)では日中関係に暗雲が垂れこめた。(会議に参加した)中国の呉儀副首相と小泉純一郎首相の会談が開かれなかったことに失望したのは私だけではなかっただろう。

 率直に言って状況は悪化している。日中のみならず、日韓関係も緊張の度を高めている。こうした不健康な状態に終止符を打たねばならない。地域協力が、2国間対立の“人質”に取られてはならないのだ。

 2つ目の課題「信念」に関して。東アジアの協力が強まれば、ASEANの連携が弱まるといった見解があるが、的はずれだ。どのプロセスにも独自の論理と目的があり、それぞれの「信念」に基づくべきだ。

 ASEANには地域機構として(経済・民主化レベルの格差など)弱点もある。だがASEANプラス3や東アジアサミットで最適な“いかり”となり、参加国をまとめ上げている。ASEANは東アジア共同体の運転手であるだけでなく、エンジンでもある。

 第3の課題「実行」について。貧困の撲滅や東アジアFTA締結などの課題実行に遅れが生じている。世界貿易機関(WTO)ドーハ・ラウンドの多国間交渉が行き詰まる中、FTAは我々の最優先事項だ。さらに、複数の2国間、地域間FTAを結びつけることで、約20億人の市場が生まれる。

[5月26日/日本経済新聞]

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