「アジアの未来」
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タノン・ビダヤ氏
タイ商業相
講演するタイのタノン・ビダヤ商業相=26日、都内のホテル

 アジア経済 大きく左右

 将来世界は大きな2つのグループに分けられるだろう。1つは日米欧。もう1つは3つの巨大新興国である中国、インド、ロシアだ。アジアや他の地域の経済的命運はこの2つのグループの動きに大きく左右されることになる。東南アジア諸国連合(ASEAN)もいやおうなく新しい状況に応じた経済・通商政策の調整を迫られる。

 アジアの市場は、法律や規制の違いなどにより、小さな市場に分断されている。経済発展の段階は一様ではない。域内の金融市場は貿易市場に比べ統合が進んでいない。主要通貨の為替変動に対し、アジア諸国の通貨は依然としてぜい弱だ。

 マクロ経済問題も調整が必要だ。過熱が懸念される中国経済や人民元問題、日本の巨額の政府負債問題などだ。アジアでは経済統合の構想が出始めたものの、それを実現するための当事者間の合意や政治的意思はまだ十分ではない。

 課題は3つある。第一は経済統合を進めることだ。東アジア自由貿易圏(EAFTA)づくりへ、先にできる商品や産業から取り組むべきだ。

 第二にアジア域内の債券市場の構築などを通じた金融面の統合も重要だ。ASEANプラス日中韓の財務相は二国間の介入資金相互融通協定の額を現在の400億ドルから倍増することを決めた。

 第三に統合に向けた政治的意思と適切なメカニズム作りが必要だ。タイ政府は2002年からアジア協力対話(ACD)という非公式なチャンネルを設けた。近い将来、ACDの首脳会談をタイが主催する計画だ。

[5月27日/日本経済新聞]

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