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 為替・短期資金移動の包括規制ルールを――吉沢東京三菱銀行副会長 

吉沢東京三菱銀行副会長
 東京三菱銀行副会長の吉沢建治氏は7日の講演で、「アジア諸国の金融市場を過度に投機的な動きから防衛するため、為替取引と短期資金移動を包括的に規制するルールが必要だ」と述べた。

 吉沢氏は日本とアジア諸国の不良債権問題について「全く異なった経済の発展段階で生じたもの」と指摘。日本の場合は、家計部門の金融資産が蓄積した後の80年代に金融自由化で不動産・株式のバブルが生じ、これが崩壊したことが現在の不良債権問題につながったとの見方を示した。一方、アジア諸国については、海外からの直接投資増大による高度成長と相まって為替取引や短期資本の流入が自由化された結果、短期資本への依存が強まり、97-98年のアジア危機をきっかけに不良債権の問題が生じたと述べた。

 吉沢氏は、日本とアジア諸国では対処の方法も異なると指摘。アジア諸国については「自由化されていたものを突然禁止すれば大変な混乱をもたらす危険がある」としたうえで、「間接金融システムの再構築と通貨危機を再発させないための為替・資金管理政策の確立」を求めた。

 日本の大手銀行に関しては「99年の公的資金注入で貸し出し余力が回復した結果、融資競争が再燃し、十分な利ザヤが確保できていないことが問題だ」と指摘。「オーバーバンキング(銀行過剰の状態)」の解消が課題であるとの見方を示した。

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