92年に日本電信電話（ＮＴＴ）から分離独立した旧ＮＴＴ移動通信網（ＮＴＴドコモ）の初代社長。ＮＴＴでは秘書、労務、営業、データ通信、経営企画などの部門を幅広く経験、88年に取締役、90年に常務に就任した。一方で、電電公社時代から「異色の公社マン」とも評され、トップダウンで様々なアイデアを実行してきた。

　ＮＴＴドコモでは、収入源だった携帯電話の保証金の撤廃、端末の売り切り制の導入、利用料金引き下げなどの新手の策を矢継ぎ早に断行し、一気に加入台数を拡大、その後の移動通信ブームの火つけ役となった。

　さらに、加入台数がいずれ頭打ちになるとの冷静な判断も失わず、「ボリュームからバリューへ」を合言葉に携帯電話による世界初のインターネット接続サービス「ｉモード」を誕生させた。国境を越えて使える次世代携帯端末の導入が決まり、大星会長はアジア市場に熱い視線を向ける。東大法卒、68歳。