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IT活用度合いで成長に格差・シンガポール上級相
討論会で発言するシンガポールのリー・クアンユー上級相
 シンガポールのリー・クアンユー上級相は8日午後、都内のホテルで開いた第6回国際交流会議「アジアの未来」(日本経済新聞社主催)に出席し、東アジアの今後について「インターネットや情報技術(IT)を活用できる国とできない国では違ったパターン(の成長)を踏む」と語り、情報通信を活性化させるための環境整備によって発展の度合いが異なるとの認識を示した。上級相は具体的な国名や地域を挙げ、日本や韓国、香港、台湾、中国は「インターネットをコントロールし国民のために生かせば実績を上げられる」と述べた。実績を上げられない懸念のある国としては混乱の続くインドネシアやフィリピン、タイなどを挙げ、マレーシアとシンガポールは「良い実績を上げていく」と期待感を表明した。

 また世界貿易機関(WTO)に中国が加盟すれば、エネルギーや労働資源を安く提供できるとの観点から、直接投資を招く国家として「かなり厳しい競争相手になる」との見通しを示した。WTO加盟により、中国内でも加盟各国と共通のルールが整う可能性がある。ただ中国の現状は停電に代表されるエネルギーの不安定性、根深い腐敗の残る体制、技術力の向上といった問題がある点も指摘し、こうした問題を克服できれば、中国は強い競争相手として台頭し得るとの考えを述べた。


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