第6回　アジアの未来

速報ニュース

ＡＭＦはＩＭＦの補完に過ぎない・シンガポール上級相

　シンガポールのリー・クアンユー上級相は８日午後、都内のホテルで開いた第６回国際交流会議「アジアの未来」（日本経済新聞社主催）に出席し、日本や中国、シンガポールなどアジア諸国で金融問題に対処する「アジア通貨基金（ＡＭＦ）」創設の動きについて「ＡＭＦは国際通貨基金（ＩＭＦ）の２次的役割に過ぎない」との認識を示した。アジア通貨危機に際して、日本やシンガポールの資金拠出規模と比べて米国は及び腰だった点を批判し、「（米国の姿勢は）間違っていた。（ただし）これは世界の現状である」と説明。「ＩＭＦは米国主導で作られたものであり、こういった制度をなくすのは不可能だ」と語った。
　「ＡＭＦを設立することに私は反対しているわけではない」と述べながら、リー上級相は「現実を見なければならない」とも主張。もしこの組織が通貨危機に対して創設されていたとしても状況を変えることには難しく、「マイナス効果が大きかった」との見解を述べた。