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「アジア再生のために貿易と投資の自由化を強化」と述べるシアゾン比外相 |
第6回国際交流会議「アジアの未来」(日本経済新聞社主催)は9日、2日目の討議を迎え、この中でドミンゴ・シアゾン・フィリピン外相は「アジア再生のためには、貿易と投資の自由化をより強化する必要がある」と述べた。そのうえで、日本、中国、韓国と東南アジア諸国連合(ASEAN)が通貨危機再発を防止するために合意した「通貨スワップ協定」や、日本などが提唱しているアジア通過基金(AMF)構想、円の国際化などをフィリピンが支持する姿勢を強調した。
シアゾン外相は、こうした経済再生の基盤として会計制度の国際化や破産法の整備、情報開示やコーポレートガバナンス(企業統治)の強化などの重要性にも言及した。アジアの情報技術(IT)産業が世界に立ち遅れることに懸念を示し、教育・訓練制度の拡充を通じて知識産業の育成に一段と力を入れていく必要があるとの見方を示した。
これに先立ち講演したタイのスパチャイ・パニチャパック副首相兼商業相は、「(通貨危機後の)回復は道半ば」と指摘したうえで、通貨暴落を引き起こした投機的動きの再発を防ぐために金融制度改革を遂行することや、輸出拡大に努力することが重要との認識を示した。
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