「アジアの未来」
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9日の概要

鄭 文 述(チョン・ムンスル)氏
未来産業社長(韓国)
 韓日VB協力進む

 韓国では1997年の通貨・金融危機以降、ベンチャー企業が注目を浴び始めた。韓国経済の中心が大企業からベンチャー企業にシフトしているという見方も出ているほどだ。

 韓国のベンチャー企業はすでに6500社を超え、毎月500社以上が起業している。韓国では通貨危機以降にベンチャー企業が急速に発展したが、すでに80年代初頭から情報通信などを中心にベンチャー企業の芽は育っていた。

 韓国人にはベンチャー型民族といわれる特性がある。(1)「名分と価値」を求める(2)真新しいことに短期間で多くの人々が集まるという活性化のエネルギー(3)「パルリ、パルリ(早く早く)」という瞬発力(4)前向きな考え方(5)勤勉性や所有欲、チャレンジ精神の強さ――などがそれだ。

 最近、韓国と日本のインターネット・ベンチャー企業が共同で事業を進める動きが相次いでいる。韓国のソフトウエアと日本のハードウエア製造技術を結合すれば、より大きな可能性を現実のものとできるだろう。携帯電話を使ったモバイル・インターネットも韓日間協力の可能性が高い。

 意味ある技術を開発し起業家精神を発揮することは、ベンチャー企業のやりがいだ。「会社を立ち上げる喜び」は今後とも大切である。

 韓国ではベンチャー企業が自然に創業できる条件が整っている。ベンチャー企業の資金集めも容易で政府も支援している。情報技術(IT)産業やベンチャー企業にとって政府の規制は大きな障害になってはいない。政府は法制化の準備を進めているが、IT産業の発展のスピードに追いついていない。


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