「アジアの未来」
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第5回アジア賞
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9日の概要

丹羽 宇一郎氏
伊藤忠商事社長
 情報化への取り組み慎重に

 韓国や台湾などを中心にIT(情報技術)化の動きが顕著になってきた。これをアジア全体の発展につなげるには、各国が協力してインターネットの共同市場を創設するなど国境を超えた取り組みが求められる。

 ただ日本など先進国で今起こっているような“ネットバブル”をアジアに持ち込んではならない。経済基盤が固まらないうちにIT化が急激に進むと様々な問題を引き起こすからだ。

 多くのアジアの国が港や道路などインフラに課題を抱えている。ITばかりに目を奪われていてはいずれ物流や物作りなどの問題に直面することになる。製造業や物流などの伝統ビジネスの育成や社会インフラ整備がまずは急務である。

 また国や人の間でのデジタルデバイドがアジアの新たな南北問題に発展する恐れがある。

 ITがアジアの発展につながるのは間違いない。人的資源が豊富なアジアの未来は長期的には明るい。しかし当面はバランスのとれた慎重な育成が課題だ。


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