「アジアの未来」
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9日の概要

デビッド・オリバー・エイベル氏
国家平和発展評議会(SPDC)議長担当相(ミャンマー)
 世界レベルの政策を・社会的弱者に配慮必要

 東アジア再生の過程は2段階となろう。まず1997年7月の経済危機以前の経済レベルに戻ること、次に危機前の実績を超えることだ。

 経済危機は世界経済の相互依存を浮き彫りにした。一国だけで危機に対応することはできず、地域・世界レベルでの適切な政策なしに国の回復への道筋を描くことはできない。(1)貿易自由化やサービス、投資を加速し地域統合を加速する(2)透明性やより良い統治に向け地域的な主導権を発揮する(3)マクロ経済、財政など政策調整の質を高める――などの政策が考えられよう。

 危機のもう一つの教訓は経済発展の社会的側面だ。危機では貧困層、高齢者、女性、子供が最も影響を受けた。

 今後は社会的弱者に配慮した、新しい経済発展の戦略を探らなくてはならない。

 グローバリゼーションの時代を迎え、アジア各国はかつてない団結・協力を必要としているが、十分にできているとは言えない。地域内にはデジタルデバイドが存在するからだ。地域としてグローバリゼーションに対応し、世界的な競争力を獲得すると同時に、この格差を埋めていかなければならない。


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