日本経済新聞社、日本経済研究センター、スイスのビジネススクールIMDは2011年10月24、25の両日、都内の帝国ホテル東京で、世界の有力企業のトップらが講演する第13回日経フォーラム「世界経営者会議」を開催し、その中でGSRを主題としたセッション「GSR、日本から世界へ」を開いた。まず損害保険ジャパンの佐藤正敏会長が基調講演し、続いて佐藤氏、IMDのドミニク・テュルパン学長、米ハーバード大学経営大学院の竹内弘高教授の3氏がパネル討論した。
我が社は「持続的に成長し社会から信頼される」ために、@気候変動における「適応と緩和」A安全・安心へのリスクマネジメントBCSR金融による社会的課題の解決C地域における協働の促進―という4つの課題に重点的に取り組んでいる。今日は@とCについて詳しく話す。
近年、世界的に大規模な気象災害が増えている。昨年は西欧で冬嵐、ロシアで熱波、米国やオーストラリアでハリケーン、パキスタンや中国で洪水が起きた。こうした気候変動へのアプローチには、それに対する「適応」とそれを予防する「緩和」があるが、保険会社は両面からバランスよく貢献できる。「適応」策としては自然災害リスクに対する保険の充実や、リスクマネジメントおよびコンサルティングサービスの提供が挙げられる。「緩和」策は再生可能エネルギーの普及を支援する保険商品の開発・販売、環境に配慮する企業を選んで投資するエコファンドの推進などで、間接的に温室効果ガスを減らせる。
現在、タイで大規模な洪水が起きているが、もともと同国では干ばつなど気象災害が多発している。そこで我が社は気候変動の「適応」策として、マイクロ保険商品「農家向け天候インデックス保険」を開発した。降水量が一定値を下回った場合、タイ農業協同組合銀行(BAAC)のローン融資額のうち保険対象融資額の15%または40%相当の保険金を支払い、貧困層が干ばつにより一段の貧困に陥ることを防ぐ。商品開発に当たっては2007年から3年にわたりタイ気象庁、国際協力銀行、BAACと連携して研究と調査を重ね、@商品を分かりやすくするA販売コストをかけないB迅速に保険金を支払う―といった新たなビジネスモデルを構築した。貧困改善に向けたマイクロ保険はインドでも提供している。
「地域における協働の促進」については1993年、全社員をメンバーとするボランティア組織「損保ジャパンちきゅうくらぶ」を設けた。全国のNPOなどと連携し多彩な活動を実施している。また「SAVE JAPANプロジェクト」は顧客にWebで自動車保険に加入してもらい紙の使用量を減らすとともに、我が社が各地の環境NPOに寄付しえt希少生物種を守っている。
気候変動、貧困といった地球規模の課題を解決するには様々なステークホルダーのパートナーシップが必要だ。そのための人材が重要なことから、我が社は社員を育てるとともに市民や学生の育成にも取り組んできた。99年に損保ジャパン環境財団を設立し、NPOとともにさまざまな環境教育活動を実施している。93年から「市民のための環境公開講座」も開催しており、延べ受講者は1,6000人に上る。2000年には大学生・大学院生を環境分野のNPOやNGOに派遣するインターンシップ制度「CSOラーニング制度」を開始した。
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