NIKKEI

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NIKKEI GSR PROJECT

GSRとはGlobal Social Responsibility の略です。CSRという概念は日本でも定着してきましたが、欧州ではさらにSD(Sustainable Development)という考え方に進化しようとしています。こうした背景の中、GSRは、法令順守やリスク管理などの企業責任論を超え、積極的によりよい社会の実現を目指して行動する「攻めのCSR」に焦点を当てた考え方です。企業が各国政府、市民社会とグローバルに連携しながら、温暖化防止のためのCO2削減や自然エネルギー開発、貧困削減、水問題など地球規模の課題の解決を経営のプロセスの中に取り込んでいくという日本発の新しい概念です。

地球規模の課題、グローバル・コミュニティのガバナンスの問題を解決するために企業が果たしうる役割は大きく、日本においてもビジネスの視点からこうした問題に取り組む企業が徐々に増えつつあります。また、国連や関係機関、NGO・NPOなどの団体においても、ビジネス界の協力が不可欠であるという認識に立ち、グローバル企業と連携した活動が世界中で急速に動き出しています。 一方でCSRについての考え方は地域によって微妙な差があり、米国では利益処分のひとつとしての社会貢献を重視し、欧州では利益を生む出す経営プロセスを問題とするなど考え方に特徴があります。

これに対して日本では、まだコンプライアンス(法令遵守)企業倫理、リスクマネジメントといった「守り」に偏ったCSRの意識が強いように思われます。しかし、わが国には、伝統的に社会に貢献するという企業文化、風土が根付いていることも事実です。近江商人の三方よしや、三菱綱領、豊田佐吉の遺訓などが好例としてあげられます。今、日本の企業に求められているのは、何か不正を行わないという消極的な姿勢ではなく、法令順守やリスクマネジメントなどの企業責任論を超え、地球環境、貧困削減、人権、労働など世界が直面する課題に向け積極的に活動することではないでしょうか。

本研究会では、企業の視点によるCSR、社会貢献活動だけではなく本業のビジネス活動により地球規模の課題解決に取り組む事例をケーススタディとして取り上げ、“グローバル企業の行動基準”について議論、プロアクティブな研究を進めます。

GSR研究会は、

  1. 地球規模課題への取り組みに対しては、国際機関、国家だけでなくNGO、NPO、消費者、生活者を含めた多様なアクターがそれぞれの活動を通して世界秩序を形成しようとしているが、企業もこのグローバル・ガバナンスの一翼を担う重要な存在である。
  2. 企業、政府、市民社会はセクターの壁を越え、持続可能な社会の実現に向けパートナーシップをくむ必要があり、まず企業間のネットワーク形成が不可欠である。
  3. 貧困にあえぐ国も将来、新しい市場としての可能性を秘めており、日本がリードする環境ビジネスやBOPビジネスに代表されるように、社会的な貢献とビジネス展開は両立が可能である。
  4. 以上のような基本的な認識に立ち、日本の企業が本業を通してグローバルな課題の解決に貢献することで競争力を強化し、現在のような厳しい経済環境の下で生き残り、社会を変革できるようGSRの成功事例を研究。また、そのための具体的な行動指針を作成するとともにGSRを日本発の新しい価値として世界に発信していくことを目的とします。
研究会メンバー
会長: 新井淳一
日本経済研究センター 会長
主査: 竹中平蔵
日本経済研究センター 研究顧問、慶應義塾大学 教授
副主査: 竹内弘高氏
ハーバード大学経営大学院 教授、一橋大学 名誉教授
副主査: 橋秀明氏
慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科 特別研究教授
副主査: 小池洋次氏
関西学院大学 総合政策学部 教授
副主査: 梅津光弘氏
慶應義塾大学 商学部 准教授
副主査: 原田勝広
日本経済新聞社 編集委員、明治学院大学 教授
副主査: 宮本武氏
グローバル・コンパクト・ジャパン・ネットワーク 事務局長
アドバイザー: 巌氏
麗澤大学 経済学部長、同大学院 国際経済研究科 教授
事務局長: 山崎正樹
日本経済研究センター 主任研究員
研究会メンバーとなった企業からの出席者

2012年3月現在