産学官連携による高度IT人材の育成
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文部科学省高等教育局 柿田 恭良 氏 |
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日本経団連 岩野 和生 氏 |
■拠点大学院で高度IT人材を育成
柿田
ソフトウエアは国民生活を支える重要なインフラだ。しかし、わが国におけるソフトウエア製品の輸出入は圧倒的な輸入超過であり、国際競争力の観点から危機的な状態にある。高度IT人材育成の重要性を政府、産業界が指摘しており「IT新改革戦略」では2010年度までに産業界での高度IT人材の需給ミスマッチを解消するとしている。文部科学省は今年度から「先導的ITスペシャリスト育成推進プログラム」をスタートさせた。これは既存の情報系大学院を核に高度な人材育成の拠点を形成するため、財政面から支援する新しい施策である。
その内容は、中核となる大学院が他の大学、大学院、さらに産業界と連携し、大学や産業界の優れた指導者を結集させる。また、産業界の実践的なインフラを教育の場に活用する。これにより世界最高水準のソフトウエア技術者養成を目指す。
このため文部科学省の中に「先導的情報通信人材育成推進委員会」を設けた。12人の外部専門家、有識者の参画を得て、拠点となる大学院の選定、事業の評価を行う。
拠点の対象は国公私立大学大学院の修士課程である。他の大学、産業界との連携を必須の条件とし、提案公募型で拠点を選ぶ。拠点数は6件程度。1拠点あたり年間1億円程度の補助金を国が交付、4年間継続支援する。
25大学から26件の申請があった。9月中旬までに推進委員会が選定する。2年後に中間評価、事業終了後に最終評価をする。拠点校はモデルとなる教育プログラムを作り、それが他の大学に普及して、全体のIT教育レベルを向上させることを目指している。産業界とも密接に連携して、産学協同の教育プログラムの成功例としたい。
■筑波大、九州大が重点拠点
岩野
IT人材の不足が深刻化する中、もう一つの大きな問題はIT分野の求心力が急速に低下していることだ。学生にはこの分野が非常に魅力のないものになりつつある。そういう危機意識を私は持っている。
情報のネットワーク化が進み、2010年には世界中の情報量は11時間ごとに倍になると見込まれる。世界のトップ50企業の平均滞留期間は減り、企業は急速に変わらなくてはならなくなる。また、経済のサービス化が起き、サービス産業人口が増えている。そういう環境の変化にダイナミックに対応する人材が必要だ。だが、こういうトレンドに日本の大学院、大学教育がついていっていない。世界のCEOが必要とする人材はイノベーションの能力だ。これは単にプログラムが書けることではない。それは一つのアイデアや価値、インパクトを生み出すことである。
経団連はトップレベルの高度ICT人材が現在、1500人不足していると見ている。これを受け、産学連携の提言をまとめ昨年12月、拠点大学院設立に向けた提案を発表した。重点協力拠点候補として筑波大学、九州大学、協力拠点候補として7大学を選んだ。これらは将来1500人の人材を生み出す核となり、産業界との新しい連携スキームを生み出せる拠点として選んだ。文部科学省と一緒に行うのでいろいろ支援案を練っている。例えば、ロードマップとしては日本の国際競争力を支える高度IT人材を、産学が連携して継続的に育成する仕組みを確立していく。文部科学省が選ぶ大学も含め、モデル拠点の確実な立ち上げ、その波及効果を生み出すスキームを考えていきたい。



