私も利用者の利便性を考えるべきだという点において皆さんと同意見です。その上で、中野さんのコメントに若干の追加と解説をさせていただきます。
【008】前川
法律には詳しくないのですが、どうも、日本の著作権法は、著作検者の権利を守る形で構成されていて、利用者の私的利用の権利は認められていないようです(米国の著作権法では、フェアユースが利用者の権利とみなされていると聞いたことがあります)。
著作権法はまさに著作者・著作権者の権利を守るための法律ですから、その法律の中に「利用者の"権利"」というものは入り込む余地はありません。著作(権)者の権利を一部制限するための規定をもうけることによって利用者が無許諾で使わせてもらえるだけです。ですから、中野さんの言われる
【010】中野
日本の著作権法にも、私的使用のための複製は許すと書いてあります。
というのは、私的使用目的の複製の場合は例外的に著作(権)者の権利が及ばないという意味になります。
【008】前川
(米国の著作権法では、フェアユースが利用者の権利とみなされいると聞いたことがあります)
同様にフェアユースですが、これも権利ではなく、権利侵害時の「抗弁」としての位置づけになります。
(補足)
ただし、フェアユースの成立はケースバイケースで総合的に判断するので一概には言えませんが、私的使用ということだけにスポットを当てれば、むしろ公的使用に比べて成立しにくくなります。
【008】前川
日本も、もう少し利用制限を緩くして、ついでに、価格も100円均一にするべきではないでしょうか。
言われること大いに賛成です。
これを著作権法的な言葉で述べれば、こうなると思います。
同時に「これからの著作権法はこうあるべきだという須川の主張」もあります。
- 著作(権)者に対する権利制限を緩くして(著作権の及ぶ範囲を広くする)、私的複製においても許諾・課金が必要なようする。
- その上で、市場原理にあった適正価格で著作物をやり取りする。その一例として音楽の100均ショップが誕生する。
- 徴収した対価が、著作者にきちんと還元される仕組みを作る。
現状の皆の不満は、お金が取られるということに対してではなく、その金額や著作者への還元方法に対してあるのではないでしょうか?中野さんの言われる
【010】中野
現在では、この「私的」の範囲も皆で論議するべきでしょう。
には、こういったことも含むと解釈しましたが、いかがでしょう?
最後に、順序が逆になりますが、
【010】中野
日米で、どちらかの法律が特に著作権者側に甘いとは、いえないのではないでしょうか。
同感です。
ただし、どっちが甘いとかではなく、どっちがこれからの時代にふさわしいのか?ということは考える必要があると思います。須川の私見は、アメリカ型の「大枠だけを決めておいて、詳細はその都度決める」というやり方の方が進歩の速いデジタル社会には適合しやすいと思っています。
【010】中野
米国では、フェアユースと判断されれば、各種の複製や変換を実施しても免責されますが、フェアユースにみなされる範囲は時代や状況により、変わりますから、最終的には訴訟でもめてみないとわかりません。
Winny事件の際の「ネット時評」の結論の所にもチラと書かせて頂きましたが、この手の訴訟こそどんどんやるべきなのであって、その判断を正しく迅速に行うことこそが、新しくできる知財専門高裁の役割なのではなかろうか?と私は思っています。
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