世界情報通信サミット2004ネット会議
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会議室 B デジタルID全般

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2月16日(月)−2月25日(水)の発言内容

 From : 松本 功 2004/2/16 17:54  
 Subj : 【046】ICチップを管理できない零細企業は不利?
マーケティングにICの記録を使うような時代がくるとしたら、そのマネジメントのコストはどのくらいかかるのでしょうか。

出版社は、5,000社あると言われていますが、ほとんどの会社は一人か二人で経営しています。

ビジネス的には不完全ですが、そのウンカのような零細な出版社が、「言論」の多様性を支えています(可能性として)。

もし、ICを管理するために年間数千万円かかえるとすると起業するコスト、会社を経営し続けていくコストが圧倒的に高くなってしまいます。

これは出版の世界ばかりではなく、アメリカでも零細企業がたくさんあります(『21世紀経済と中小企業・女性事業家』水津雄三 による)。

自分のうちの庭で取れた野菜を売るというのであれば、トレースする必要はないでしょうが…。

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 From : 楠 正憲 2004/2/16 18:09  
 Subj : 【047】ICチップを管理できない零細企業は不利?ASPサービス登場の可能性も
【046】松本
もし、ICを管理するために年間数千万円かかえるとすると起業するコスト、会社を経営し続けていくコストが圧倒的に高くなってしまいます。
書籍にISBNコードやバーコードがついた時は、中小の出版社や書店にとって、大きな負担増は発生したのでしょうか。書籍の実際の流通は取次が持つとすると、ICチップ対応は、版元よりも書店の設備投資負担(対応するPOSシステムや棚など)が大きいのではないでしょうか。

また、仮に中小の出版社がトレーサビリティを活用したい場合も、規模に応じて適正な費用で利用できるASPサービスなどが登場する可能性もあります。

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 From : 力武 健次 2004/2/17 16:20  
 Subj : 【048】デジタルIDを付加する対象とは?〜通貨にIDタグ?
通貨にタグをつけるという話がありました。

そもそも通貨に汎用のIDタグをつけるなんて、偽造の可能性を考えれば怖くてできないと思うんですが、どうなんでしょう。
それこそ専用ハードにしてもペイするのではないでしょうか。

それに、個別IDなんぞ入れるぐらいなら、日本円だったら日本銀行の保証する公開鍵でチェックできるようなデジタル署名でも入れておいてもらったほうがずっと良いでしょうね。

どの国でも造幣局に相当する組織はあるのだし、そういうところで対タンパー性は高いけど、機能は単純なタグでも開発して、リーダーはその造幣局承認のハードを売るというのが良いような気がしますね。

技術屋としては高木さんの疑念に1000%ぐらい同意してしまうところがあります。

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 From : 藤原 洋 2004/2/24 18:18  
 Subj : 【049】デジタルIDを付加する対象とは?〜デジタルIDの本質
デジタルIDの本質は、モノが「私はナニでドコにいる」ということ自動的にしゃべることに意義があるのだと思います。
そこに人間の個人情報とがリンクされると「私は、モノを媒介にして、何処にいる」ということを勝手に話すことに問題があるので、人間に許可されればモノがしゃべるという構造を付加すればいいのではないかと思います。

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 From : 坪田 知己 2004/2/24 20:26  
 Subj : 【050】世界情報通信サミット終了
さきほど、世界情報通信サミット2004が終了しました。

今回は準備が早く進んだこともあって、本番も順調でした。
1000人以上の聴衆があつまり、非常にいい感じの議論がありました。

今回は、最後の総括提言を、楽屋を見せるようなスタイルのクロージング・セッションにしましたが、私としては「なかなかいい仕掛けだった」と満足しています。
もちろん、國領さんが、キチンとパワーポイントに中身をまとめてくれたからです。

ネットの報道の方も充実しています。
http://www.nikkei.co.jp/summit/

また日経ブロードバンドニュースが連日「きょうの特集」で取り上げました。
http://www.nikkei.co.jp/bbnews/

早速、来年のことを考えていますが、内容や形式について、聞かれた方のご感想はいかがでしょうか?
率直なご感想をお寄せ下さい。改善の参考にしたいと思います。

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 From : 唐澤 豊 2004/2/25 15:17  
 Subj : 【051】世界情報通信サミット終了〜参加の感想と今後の議論
クロージング・セッションでコメントしましたが、時間を気にしながらだったし、充分に纏める余裕もなかったので、趣旨を理解して頂けなかったような気がしました。
ここで、再度2日間の感想を述べたいと思います。

結論から先に言うと、RFIDに代表されるデジタルIDの導入・普及のビジョンについてもっと議論し、明確にしないと、一般消費者にはわかりづらいだろう、ということです。

まず、応用のケースを、(1)企業内、(2)B2B、(3)B2C、(4)P2Pという4つに分けて議論すべきかと思います。

(1)はROIなりに基づきそれぞれの企業の判断で導入すれば良いし、(2)も業界内で決めるとか、Big Playerが決めてパートナーがそれに従うということで、議論の余地は余りないかと思います。ただ、B2Bの場合に、大企業の下請けいじめが起きそうな心配もあります。

(3)とか(4)になると、途端に標準化、安全性、信頼性、信用性、プライバシーといったことが課題として挙がってきます。

この場合、それらの議論をする前に、何のためのデジタルIDなのか?
目的とビジョンについて、議論し、明確にする必要があると感じました。
消費者にとっては「生活向上」であり、企業にとっては生産性向上・サービス向上・収益性向上、といったことが挙げられたと思います。また、消費者のための付加価値・利便性が利用・普及には不可欠という意見もありました。

しかしそれは、大量生産・マス広告・大量消費という従来の延長ということになります。
松下幸之助の水道理論に象徴される大量に作って安くすれば消費者は喜んで買う・使うという時代は過ぎて、多様化・個性化の時代には多品種・少量生産の時代になっています。そいう時代に旧来のコンセプトが通用するのかを考える必要があると思います。

パネラーも大企業を代表する人ばかりであり、自由競争の経済モデルで企業の責任に於いて、デジタルID化は実現されるべきだろうという意見が大勢であったかと思います。

早期に取り組み、対応しないとこれからの企業はデジタルID化の時代には生き残れないのだという意見がまとめとしてもありました。

全ては強者の意見であり、ただでさえIT化が遅れている弱小企業には、導入障壁が高く、もうあなた方は必要ない、という声に聞えるのではないかと感じました。世の中の経済活動は、ますます大規模化が進むのでしょうか?

RFIDを例に取れば、タグを付け、生産・在庫管理システムを構築するメーカー、流通での管理システム、販売での管理システムと、それぞれのフェーズでそれぞれが自己負担で投資するというビジネス・モデルしか想定されてないように感じましたが、以前ひつじ書房の松本さんが疑問を投げられたように、そうした投資ができない弱小企業は排除されるということになるのでしょうか?
アウトソーシングやASPがあるよ、という声もありますが、それは結局経費が今以上に上がるということになります。

食品のトレーサビリティー用途がひとつの応用分野として注目されていますが、昔は、じいちゃん・ばあちゃん・かあちゃんの3ちゃん農業だったのが、核家族化が進んだ今では、かあちゃんかとうちゃんだけの1ちゃん農業になっているところも少なくないと思います。そういう小さな生産農家が有機無農薬栽培などを細々とやり、インターネットで売るところまでは来たわけですが、IDタグを付けなければならないとすると負担が大きくなり、そのコストを誰が負担するのかということになります。
農協がそこに出て来る可能性は高いわけですが、そうすると、儲かる農業という考えが優先し、せっかく培って来た有機無農薬栽培も難しくなるかも知れません。

大量に使われるタグもメディアと考えれば、そこに広告を載せる代わりにコストやシステムの構築・運用経費は自前で払わなくても良いといった新たなビジネスモデルも考えないといけないように思います。

マイクロソフトの古川さんは、ITの進化した道をパソコン>クライアント・サーバー>Web>次ぎは何か?ということで話されましたが、私も同じようなことを考えておりました。
コンピューターの歴史を見ると、メインフレーム>オフコン>パソコン>クライアント・サーバー>インターネット>P2Pという分散化の道であったと思います。
それは、別の角度からすると、集中化から分散化へ、そして超分散化へと技術的には進みました。

文化的に見ると、コンピューティング・パワーが組織の権力者から利用者個人へ移動したという自由化・民主化であったと思います。

それに比べて、デジタルID化は旧態依然たる大企業や官が集中管理する仕組みであるということから一歩も抜け出していない感じがしました。

デジタルIDの導入・普及によって、利用者にはどんな新しい文化を創造することになるのでしょうか?
このことをもっと議論して、利用者に明確に説明しないと、何かプライバシーが侵害されそうだから嫌だね、という妄想だけが広がってしまうのではないかと危惧する次第です。

私は、RFIDの導入に否定的であるのではなく、もっと基本的なビジョンを明確にすべきだと言いたいわけですので、皆さん、その辺を誤解なきようお願い致します。

これについては、簡単に結論が出るとは期待しておりませんので、デジタル・コアで引き続き議論をして行くことができればいいのではないかと思います。

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 From : 夏井 高人 2004/2/25 18:16  
 Subj : 【052】世界情報通信サミット終了〜参加の感想と今後の議論
【051】唐澤
クロージング・セッションでコメントしましたが、時間を気にしながらだったし、充分に纏める余裕もなかったので、趣旨を理解して頂けなかったような気がしました。
ここで、再度2日間の感想を述べたいと思います。
(以下略)
基本的に同意見です。

世の中に存在し流通する物品の中には規格化された大量生産に向いているものもあり、そうでないと逆に困るものもあり、そうした物品の流通管理、在庫管理、盗難防止等のためにはRFIDタグは絶大な威力を発揮することになるだろうと思います。
しかし、世の中に存在し流通している物品の中にはそうでないものもあります。

また、世の中にはプライバシー問題を常に伏在させているプロセスも存在しますがそうでないプロセスも存在します。
後者についてプライバシーの議論をすることは無意味なことですが、前者について議論しないのは完全な手抜きであるか欺瞞であるかのいずれかだろうと思います。

そして、世の中には機械装置等によって管理したほうがよいものとそうでないものとがあります。
私は、都内から1時間通勤可能圏内とは言え、団地の外に出るとすぐに田圃や畑が広がる地域に住んでおり、野菜は、農家直販の共同経営店舗(農家の奥さんたちが交代で店番をしている。)で購入しています。どんな人がどんな場所でどのような方法で栽培しているのかを直接に目で見て確認できるので、RFIDタグやバーコード等による管理が全く必要ありません。そのようなやり方は都内では無理だというご意見もあるかもしれませんが、無理だとは思いません。
店舗が責任をもって生産者の仕事の仕方を保証し、店頭に商品を並べるというようなやり方だってあり得ると思うのです。つまり、店舗による保証が包括的に履歴と品質の保証にもなるわけです。

そのようなやり方がうまくいくところでは、履歴管理も必要ないだろうと思います。
青果市場を経由しないで擬似直販的な流通を確保できるのであれば、ますますもってそのようなやり方を導入できる可能性も高まるだろうと思います。
この例でも分かるとおり、状況によって必要性が変化します。また、問題の本質が実は流通のあり方それ自体にあり、その改善によってほぼすべての問題を解決できるというタイプの問題も相当多数存在するのではないかと思われます。

RFIDタグ内の記録にしろ、本人の保証にしろ、店舗の保証にしろ、要するに、与えられた情報を信ずるかどうかを最後に決めるのは顧客だと思います。雪印の例を引用するまでもなく、顧客の信用を失えばすべてが無に帰してしまいます。
逆に、信頼があれば記録が存在しなくてもうまくいくこともあります(うまくいく場合にはコストが低減するわけですが、残念ながら、現実には店舗における販売価格も低下してしまうために純利益額も下がってしまい、生産者の利益向上にはつながらないことも少なくないです)。

何でもかんでも一律にものごとを考えるのは危険であり、もっときめ細やかにものごとを考える必要があると思います。

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 From : 藤元 健太郎 2004/2/25 19:58  
 Subj : 【053】世界情報通信サミット終了〜参加の感想と今後の議論
【051】唐澤
デジタルIDの導入・普及によって、利用者にはどんな新しい文化を創造することになるのでしょうか?
このことをもっと議論して、利用者に明確に説明しないと、何かプライバシーが侵害されそうだから嫌だね、という妄想だけが広がってしまうのではないかと危惧する次第です。
私も唐澤さんの意見に大賛成です。
セッション2で質問&コメントさせていただきましたが、やはり十分に発言できなかったので少しコメント補足します。

日経新聞さんは革命好きなので「デジタルID革命」になっていますが、革命というからには生活者や企業の価値観や行動様式、社会システムが大きく変わるぐらいのことがあると考えていますし、私もそれを期待したい一人です。
サプライチェーンマネジメントの延長やコスト削減のひとつの方法論だけであれば、業界団体や大企業中心に粛々とそのための標準化とセキュリティメカニズムの確保を進めてもらえばよいと思います。

私としては例えば日本全体としてドイツに負けないITを活用した循環型社会システム先進国を目指し、その関連産業を育成し、尊敬と競争力を持って広く国際社会へ輸出していけるための道具のひとつとしてデジタルIDを活用するというようなビジョンが欲しいです。
そうすれば生活者も巻き込んで、多くのプロダクトにデジタルIDが何かしらの方法で埋め込まれていることでリサイクルやリユース、共同利用など大量生産・大量消費社会とは異なる、流通と利用の仕組みを構築し、それを低コストで進めていくことも可能でしょう。全体ビジョンがあれば税金を投入するべきところ、民間で事業化してもらうところなども見えてくるはずです。

また生産したあとでも企業はプロダクトに責任を持ち、コミュニケーションし続ける手段を持つことで、販売後のアフターサービス市場などの新しいビジネスチャンスも拡大するはずです。
そして多くのプロダクトが所有価値から使用価値へと変化すれば、自分が個人所有しているものに対するプライバシーとは異なる方向性にもいくと思いますし、(公共図書館で借りた本のプライバシーは購入した書籍とは違いますよね)そのために必要なセキュリティのメカニズムを考えて行ければと思います。

トレーサビリティなども現在のBSEで米国から全頭検査は非科学的だと指摘されていますが、それぐらいに日本は食の安全に徹底する国であり、それが文化であり、ITがそれを可能にしていることが国際社会に理解されれば、日本のトレーサビリティシステム全体について共感してくれる多くの国から導入以来が来ることでしょう。

もちろん何よりも生活者としての国民の意識が行動として伴っていることが大事ですので、ビジョンのコンセンサスはとる必要はありますが、日本の生活者の商品や企業に対する新しい期待や課題の方向性をデジタルIDがどのようにかなえたり解決してくれるかということを私は是非引き続き議論していきたいと思います。

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