世界情報通信サミット2003ネット会議
ネット会議トップページへ ITブレークスルー・アンケート ネット会議参加者リスト
-


内容(時系列目次)

-
コピー防止技術の意義と有用性

 From : 川野 俊充 2003/02/17 01:59  
 Subj : 【195】コピー防止技術の意義と有用性
すっかり時機を逸しているかも知れませんが…
【099】力武
コピープロテクトの問題については別トピックにすべきだと思いますが、 SCMSやDVDのregion codeは百害あって一理なし(一利ではなくて)と考えています。
(この話を続けたい方は別タイトルにしていただければ幸いです)
私もこれには大きく頷いてしまいます。
SCMSはアナログでコピーしてしまえば簡単にはずせてしまうという意味で有用性が疑問ですし、 リージョンコードは著作者の正当な利益を守るためというよりはドライブメーカのマーケットを守るために機能してしまっているという意味で、 その意義に疑問を持っています。 CDSなどのかかったCCCDも実際にやってみると手持ちのComboDriveで問題なくリッピングができたりして「あれれ?」と拍子抜けだったりします。

コピープロテクトには制度としての議論と技術的な議論を分けられないところがあると思いますが、 その技術的な意義と有用性を正しく理解しておくことは著作者としても、ユーザとしても、ビジネスを仕掛ける側としても、 また、制度としての議論をする上でも大切なことだと思います。 コピー防止・コントロール技術で意義と有用性が不明なものも多くあるでしょうし、 非常にうまく機能しているものもあると思います。それらを一度みなで整理してみませんか?

ユーザの立場からは「ちゃんと正規の料金を払っているのになんでこんなに不便なんだろう」という理不尽さを感じることが多い一方で、 巷に溢れる違法コピーがその不便を生み出している原因の一つであることも理解しているつもりです。ただし、 制度としては受け入れるべきだと納得することと、 なんだか意味不明だったり役に立たない技術を押しつけられて面倒な思いをするのとは別のことであるべきだと信じています。

ページのトップへ

 From : 楠 正憲 2003/02/17 09:57  
 Subj : 【199】受け入れられるコピー防止技術
コピー防止技術についてですが、音楽や映画といったコンテンツに限った話ではないと思います。
- そもそも著作物の二次利用・三次利用をどこまで認めるか
- 法や契約以外、例えば技術による複製制限の裁量は無制限に認められるか
- 著作物の再利用範囲を決めるのは著作権法のみか、著作者-利用者の任意の民事契約も認められるのか

音楽や映画といった著作物も、ソフトウェアと同じように利用許諾契約で縛ることは法理的に可能なはずです。 その実効性も、コピー防止技術によって担保できます。
そうなると今後、著作権者にとって、取引コスト的にはロビイングによる著作権法改正よりも、 著作物のライセンス化やコピー防止技術の活用の方が、収益を最大化するというゲームの中では、 より合理的となる可能性もあります。

いまの政府による、画一的な著作権保護スキームと違い、 民事契約とコピー防止技術を組み合わせた著作権保護スキームでは、それぞれのコンテンツについて、 異なる複製防止ポリシーを適用することが現実的となります。
川野さんがご指摘のように、仮に正当な利用者に不便を強いる複製防止スキームに乗ったコンテンツは、 市場によって淘汰されます。実際、CCCDはあまり売れていないようです。
逆に、多様なスキーム間の競争の中で淘汰されない著作権管理スキームは、消費者から受け入れられている、 と判断してもよいかも知れません。

Lessigのようにコピー防止技術の過剰適用に対して、法的な制限を設けるべきだ、という主張もありますが、 そもそもコンテンツ個別に著作権保護スキームを適用できるのであれば、 市場に任せていても著作権者・利用者双方にとってバランスの取れた解に均衡する、と考えることはできないでしょうか。
クリエイティブ・コモンズがかくも豊穣なコンテンツの土壌となるのであれば、 自然とコピーレフトなコンテンツが再生産されるでしょうし、 複製防止と適切なロイヤルティによる資本主義からこそ優良なコンテンツが生まれるのであれば、 今後も複製保護されたコンテンツが多く出回るでしょう。但しその場合も、商業的な誘因から、 利用者から受け入れられる範囲での複製防止技術に均衡することを期待できます。

そういった観点から、既存のコピー防止技術の不便さと、コピー防止技術そのもののよしあしとは、 別に論ずる必要があります。また、画一的にコピー防止の範囲を政府が決めるという従来のスキームだけではなく、 民事契約とコピー防止技術を組み合わせることで、多様なライセンス形態の混在したエコシステムを形成する、 という考え方も議論の視野に入れる必要があるのではないでしょうか。

ページのトップへ

 From : 山田 肇 2003/02/17 10:26  
 Subj : 【201】著作権の制限に関する規定
【199】楠
音楽や映画といった著作物も、ソフトウェアと同じように利用許諾契約で縛ることは法理的に可能なはずです。 その実効性も、コピー防止技術によって担保できます。
そうなると今後、著作権者にとって、取引コスト的にはロビイングによる著作権法改正よりも、 著作物のライセンス化やコピー防止技術の活用の方が、収益を最大化するというゲームの中では、 より合理的となる可能性もあります。
著作権法には著作権を制限することについても規定があります。条文の見出しだけを並べると、 このメールの最後のとおりです。これらの制限を勝手に縮小にないように、コピー防止技術が開発できるでしょうか。 私は、私的使用ひとつをとっても、今の技術は過剰に利用者側の権利を制限していると思います。

著作権の制限
第三十条(私的使用のための複製)
第三十一条(図書館等における複製)
第三十二条(引用)
第三十三条(教科用図書等への掲載)
第三十四条(学校教育番組の放送等)
第三十五条(学校その他の教育機関における複製)
第三十六条(試験問題としての複製)
第三十七条(点字による複製等)
第三十七条の二(聴覚障害者のための自動公衆送信)
第三十八条(営利を目的としない上演等)
第三十九条(時事問題に関する論説の転載等)
第四十条(政治上の演説等の利用)
第四十一条(時事の事件の報道のための利用)
第四十二条(裁判手続等における複製)
第四十二条の二(情報公開法等による開示のための利用)
第四十三条(翻訳、翻案等による利用)
第四十四条(放送事業者等による一時的固定)
第四十五条(美術の著作物等の原作品の所有者による展示)
第四十六条(公開の美術の著作物等の利用)
第四十七条(美術の著作物等の展示に伴う複製)
第四十七条の二(プログラムの著作物の複製物の所有者による複製等)
第四十七条の三(複製権の制限により作成された複製物の譲渡)

ページのトップへ

 From : 楠 正憲 2003/02/17 10:45  
 Subj : 【202】著作権の制限について
山田さん ご教示ありがとうございます。
何点か教えてください。

1. ご指摘の「著作権の制限」は、著作権法で保護された著作物に対する著作権の制限になりますが、これとは別に、 コンテンツの利用に関する民事契約(例えば利用許諾契約)を結んでいる場合、 著作権とは別の制限を設けることは法的に可能ではありませんか?

2. 著作権法では、複製という言葉をアプリオリに使ってますが、これをどう解釈すべきでしょうか。VHSやCCCDのような、 もともと著作権保護機構が組み込まれていないものに対するコピー防止技術はトリッキーなことをして「複製」そのものを防止していますが、 最近の著作権保護技術の多く(例えばWindows Media DRM)は、ビット列の複製自体は無制限に認め、 コンテンツの再生に必要な鍵を端末毎に必要とする仕掛けを取っています。この場合、 ビット列を複製しただけではコンテンツを再生をできないのですが、著作権法で認められた複製権を、 制限していることになるのでしょうか。

ページのトップへ

 From : 山田 肇 2003/02/17 13:25  
 Subj : 【208】著作権の制限について
【202】楠
1. ご指摘の「著作権の制限」は、著作権法で保護された著作物に対する著作権の制限になりますが、これとは別に、 コンテンツの利用に関する民事契約(例えば利用許諾契約)を結んでいる場合、 著作権とは別の制限を設けることは法的に可能ではありませんか?
私は法律の専門家ではありません。楠さんが技術を強調されたので、 フェアユースを忘れてほしくないということでコメントしただけです。したがって条文の細かなことはわかりません。 しかし人伝に聞いた限りでは、上のように契約で縛ることは可能であると思います。

ただし、普段ソフトウェアを購入する際に、利用規約を修正してくれと申し出ることが実質的には不可能であると同様に、 契約を盾に取ると、供給側に圧倒的に有利なものができる危険があると思います。それをいかに防ぐかについて、 発言していく必要があると思います。
【202】楠
2. 著作権法では、複製という言葉をアプリオリに使ってますが、これをどう解釈すべきでしょうか。VHSやCCCDのような、 もともと著作権保護機構が組み込まれていないものに対するコピー防止技術はトリッキーなことをして「複製」そのものを防止していますが、 最近の著作権保護技術の多く(例えばWindows Media DRM)は,ビット列の複製自体は無制限に認め、 コンテンツの再生に必要な鍵を端末毎に必要とする仕掛けを取っています。この場合、 ビット列を複製しただけではコンテンツを再生をできないのですが、著作権法で認められた複製権を、 制限していることになるのでしょうか。
たしかに著作権法を調べると、頭から複製という言葉が出てきて、定義はかかれていません。 このメーリングリストに参加している法律の専門家から回答いただければ幸いです。

ページのトップへ

 From : 力武 健次 2003/02/17 13:29  
 Subj : 【209】コピー防止技術の意義と有用性
投稿が多くてなかなか返事できていない力武です。
基本的な私の主張だけを述べておきます。(この2年半ほど変わっていません)

●distributorの側からすれば、コピーは全部制限したいのだろうと思いますが、音楽や絵画は、 最終的に人間が見たり聞いたりできない限り、価値を持ちません。その時点で複製する技術が発達すれば、 あらゆるコピープロテクトは無意味になります。これは私ではなくて、Bruce Schneierがかなり以前に言っていることですが。

この前提で考えた場合、いったい本気でコピープロテクトをやりたいのか、という疑問は否定しきれません。

●distributorの側として、一番の強敵は、大量にライセンスを受けていないプロダクトを製造する(いわゆる海賊版)業者でしょう。 彼らといえども原版がなければコピーは作れないわけで、その原版を識別するには、私はコピープロテクトではなく、 それぞれの原版に電子透かし等の方法で、法的証拠として識別可能な情報を埋め込んでおけば十分ではないか、 と考えています。

●SCMSもDVDのregion codeも、またDVDの暗号自身もすべて破られてしまっている今 (もっとも破る機器を販売することは日本の著作権法では禁止されていますが、技術情報の流布は禁止されていません)、 今distributorが推し進めているコピープロテクトと称する商品に対する加工技術は、 本来の敵である大規模海賊版業者ではなく、本来味方につけなければならない顧客を敵に回している以外の効果はないように思います。

このへんの議論については以下の拙稿をお読みいただければ幸いです。
http://www.isoc.org/inet2000/cdproceedings/8g/8g_1.htm

ページのトップへ

 From : 楠 正憲 2003/02/17 14:07  
 Subj : 【213】コピー防止技術〜コストと均衡
【209】力武
音楽や絵画は、最終的に人間が見たり聞いたりできない限り、価値を持ちません。その時点で複製する技術が発達すれば、 あらゆるコピープロテクトは無意味になります。これは私ではなくて、Bruce Schneierがかなり以前に言っていることですが。 この前提で考えた場合、いったい本気でコピープロテクトをやりたいのか、という疑問は否定しきれません。
これは電子マネーと理屈は同じで、複製防止にかかる費用(ロイヤルティ、顧客離れ、事務コストなど)と、 複製による被害(売り上げ減、ブランドイメージの低下など)が均衡するところまで複製防止技術が採用されることは、 経済合理性に適います。
無論、そういう次元の議論ではなく、不正コピーに対する感情的な反発から、 顧客の支持を得られないような複製防止技術を採用する企業が出ないとも限りませんが...
【209】力武
●distributorの側として、一番の強敵は、大量にライセンスを受けていないプロダクトを製造する(いわゆる海賊版)業者でしょう。 彼らといえども原版がなければコピーは作れないわけで、その原版を識別するには、私はコピープロテクトではなく、 それぞれの原版に電子透かし等の方法で、法的証拠として識別可能な情報を埋め込んでおけば十分ではないか、 と考えています。
媒体そのものに、個別に別の透かしを入れることは、パッケージであれ、ネット配信であれ、 現在の技術ではコストがかかりすぎるのではないでしょうか。それよりは、同じコンテンツを配信し、 各端末でしか利用できない鍵を配布するソリューションの方が、現実的な費用で実現可能だし、 実際に実用化もされています。
【209】力武
●SCMSもDVDのregion codeも、またDVDの暗号自身もすべて破られてしまっている今 (もっとも破る機器を販売することは日本の著作権法では禁止されていますが、技術情報の流布は禁止されていません)、 distributorが推し進めているコピープロテクトと称する商品に対する加工技術は、本来の敵である大規模海賊版業者ではなく、 本来味方につけなければならない顧客を敵に回している以外の効果はないように思います。
現在の未熟な著作権管理機能でも、一般ユーザーによるカジュアル・コピーを防止することは充分に可能です。また、 著作権管理技術が顧客を敵に回せば,結局コンテンツの売上が減って困るのは著作権者です。今は過渡期なので、 そういう後ろ向きの事例も個々にはあるかも知れませんが,長期的には落ち着くところに落ち着くでしょう。

ページのトップへ

 From : 楠 正憲 2003/02/18 11:20  
 Subj : 【236】ユビキタス・サービスの約款
出張でGIS 1日目に参加できず、とても残念です。さて、
【208】山田
ただし、普段ソフトウェアを購入する際に、利用規約を修正してくれと申し出ることが実質的には不可能であると同様に、 契約を盾に取ると、供給側に圧倒的に有利なものができる危険があると思います。それをいかに防ぐかについて、 発言していく必要があると思います。
という山田先生のご発言ですが、非常に重要なご指摘だと思います。
但し、大企業と個人の間で結ばれる契約約款を実質的に修正できないことは、 ソフトウェアの利用許諾契約に限ったものではなく、例えば保険や電話、ISPなど、 あらゆるコモディティ化されたサービスに、共通する問題です。
とすれば,契約を盾に取って供給側に圧倒的に有利なカタチになることを防ぐ方法 として、著作権に限ってフェアユースを制度によってエンフォースする仕掛けを作るよりは、 消費者保護の枠組みの中で取り組んだ方がよいのではないでしょうか。

いまはパソコンで、ソフトをインストールするときに利用許諾契約を表示し、「合意する」ボタンを押していただく、 ということが慣例的に行われていますが、ユビキタスではデバイスにモニタがあるとは限らないし、 いろんなサービスに加入する度に、約約款をきちんと読むということは現実的でなくなる可能性があります。

ユビキタス・サービスの普及や利便性を阻害しない、サービス提供事業者と利用者の契約関係について、 よく考える必要があります。例えば,P3Pがプライバシー保護について実現しているように、契約の型をXMLで定義して、 利用者があらかじめ合意できると設定した型のサービスにのみ、シームレスに受ける、といったことが考えられます。 契約の文章をそれほど論理言語に落としこめるのか、それを利用者がきちんと使いこなせるのか、 という問題はありますが...

ページのトップへ

 From : 山田 肇 2003/02/18 12:48  
 Subj : 【238】普通の人が理解できるよう議論を
【236】楠
但し、大企業と個人の間で結ばれる契約約款を実質的に修正できないことは、 ソフトウェアの利用許諾契約に限ったものではなく、例えば保険や電話、ISPなど、 あらゆるコモディティ化されたサービスに、共通する問題です。
とすれば、契約を盾に取って供給側に圧倒的に有利なカタチになることを防ぐ方法として、 著作権に限ってフェアユースを制度によってエンフォースする仕掛けを作るよりは、 消費者保護の枠組みの中で取り組んだ方がよいのではないでしょうか。
どういう仕組みにすると利用者の権利が保護できるのかという点は、たくさん議論すべきことだと思います。 この会議室でも、無線タグに関連してプライバシーが議論されていましたが、そのような積み重ねが大切です。

普通の人々の技術に対する理解力は、想像する以上に低いところがあります。きちんと説明して理解してもらうには、 徹底的にわかりやすくする必要があり、それができないと、たとえばご提案のように論理言語で書かせるとなると、 対応できる人の数は限りが出てくると思います。

ページのトップへ

 From : 藤原 宏高 2003/02/18 12:55  
 Subj : 【239】ユーザと業界が合意するルール作り
【213】楠
現在の未熟な著作権管理機能でも、一般ユーザーによるカジュアル・コピーを防止することは充分に可能です。また、 著作権管理技術が顧客を敵に回せば、結局コンテンツの売上が減って困るのは著作権者です。今は過渡期なので、 そういう後ろ向きの事例も個々にはあるかも知れませんが、長期的には落ち着くところに落ち着くでしょう。
同感です。
ただし、現在のOS(WINDOWS)を前提として、技術的手段によってのみ、 デジタル化された著作物の複製防止を完璧にすることは困難と考えています。

音楽分野では、OSメーカーの協力が不可欠です。音楽業界はOSメーカーに対し、 複製防止の仕組みのOSレベルでの取り込みを求めるべきです。WINDOWS上で、 裸のMP3(複製防止の技術が含まれていないもの)は再生できないようにすれば、技術的には簡単なのです。 もちろん既存のユーザの利益を損ねますので、大きな議論がまきおこると思いますが。

したがって、最終的には、技術のみに依存するのではなく、 複製防止に関するユーザと音楽業界との合意の上でのルールの形成が必要と考えます。

ページのトップへ

 From : 力武 健次 2003/02/18 13:17  
 Subj : 【240】合意は不可能
【239】藤原
音楽分野では、OSメーカーの協力が不可欠です。音楽業界はOSメーカーに対し、 複製防止の仕組みのOSレベルでの取り込みを求めるべきです。WINDOWS上で、 裸のMP3(複製防止の技術が含まれていないもの)は再生できないようにすれば、技術的には簡単なのです。 もちろん既存のユーザの利益を損ねますので、大きな議論がまきおこると思いますが。
コンテンツ作成者が一般のOSを使えないような事態を招くことは、個人的には理由が何であれ容認できません。 裸のMP3には何の罪もないでしょう。コピープロテクトしたハードディスクを作れという議論もありますが、 そこまで特定の組織の利権が守られるべきだとは思いません。

何らかのプロテクトを施したフォーマットは全部ボイコットされるのが世の中の常だと思います。 音楽や映画でこれが成りたたないのは、供給元が極端に限られているといういささか特殊な事情があるからですね。
【239】藤原
したがって、最終的には、技術のみに依存するのではなく、複製防止に関するユーザと音楽業界との合意の上でのルールの形成が必要と考えます。

この合意の形成は多分不可能だと思います。落ち着くところで落ち着く、ということはあるかと思いますが、 積極的な合意というのはあり得ないのではないでしょうか。

ページのトップへ

 From : 藤原 宏高 2003/02/18 14:16  
 Subj : 【241】新たな秩序の提案
【240】力武
この合意の形成は多分不可能だと思います。落ち着くところで落ち着く、ということはあるかと思いますが、 積極的な合意というのはあり得ないのではないでしょうか。
私が少々乱暴な書き方をしたのは、音楽業界からはデジタル化された著作物に関する技術的アプローチのみが強調されているので、 もっと社会的コンセンサスを得た上での大局的見地からコピープロテクション問題を考えるべきであると考えたからです。

ただし、ユーザ本意のコピーフリーの議論には賛成できません。著作権制度は、一つの社会的コンセンサスの成果です。 かかる仕組みを見直すべきであるとの議論は必要ですが、 一部の人が提唱しているネット上では著作権を完全に放棄しろという議論も乱暴です。

最近ソニーが提唱を始めた新しい仕組みは、一定の社会的コンセンサスを得られる可能性があると考えています。

私が指摘した「複製防止に関するユーザと音楽業界との合意の上でのルールの形成」とは、 明確な合意までには至らなくとも、緩やかな形での新しい秩序の構築を意味しているのです。もっとはっきり言えば、 音楽業界の側でユーザのコンセンサスを得られるような形で、新たな秩序を提案してゆくべきであり、 新たな秩序の形成にはOSメーカーの協力も必要不可欠である、という意味です。

ページのトップへ

 From : 西村 博之 2003/02/18 14:27  
 Subj : 【242】社会的コンセンサスは難しい
【241】藤原
私が少々乱暴な書き方をしたのは、音楽業界からはデジタル化された著作物に関する技術的アプローチのみが強調されているので、 もっと社会的コンセンサスを得た上での大局的見地からコピープロテクション問題を考えるべきであると考えたからです。
社会的コンセンサスを取るのは難しいんじゃないでしょうか? レンタルCDショップの中でCD-Rを売っているわけですし、、、 「あそこがやってるのに、どうしてうちはダメなの?」という問いに答えが出せない限りは、 社会的コンセンサスにはならないかと、、、

正直に、「TU**YAはCC*が二十数億円を支払ったから黙認されてるんだよ」なんて説明してまわってもしょうがないですし。。。

ページのトップへ

 From : 力武 健次 2003/02/18 14:48  
 Subj : 【243】電子機器の機能制限は不当
私個人は現行の著作権制度を全部否定する気はありません。 自分が著作者の側になることもありますし。 ただし、著作権者の都合だけで、電子機器の根本的な機能の制限を設けるのは、社会的に見ても正当とはいえない、 ということです。 自由に複製のできないコンピュータ機器は、存在していないのと同じですからね。

ページのトップへ

 From : 力武 健次 2003/02/18 14:53  
 Subj : 【244】コピー防止技術の意義と有用性
【242】西村
「あそこがやってるのに、どうしてうちはダメなの?」という問いに答えが出せない限りは、 社会的コンセンサスにはならないかと、、、
結局のところ、distributorの間で一種のカルテルが出来上がっていて、それを各国政府が容認している、 という構造を明らかにして、かつそのカルテルへの参加を自由にして、という手順になるんでしょうか。
多分に不可能ではないかという話は別として。
【242】西村
正直に、「TU**YAはCC*が二十数億円を支払ったから黙認されてるんだよ」なんて説明してまわってもしょうがないですし。。。
これも、いわば既存の利権を持っているdistributorに対して、カネを支払って共存共栄を図るという、 まあ商売の世界ではあながちアンフェアともいえないやり方ですよね。

で、今のコピープロテクトを推進している人達の主張は、 結局既存のカルテルとその特権を維持するだけのためにやっているであろうというところが、おそらく購入者、 あるいはカルテルに入れない業者からみれば、不公平、閉鎖的、特権の占有に見えるんでしょう。

ページのトップへ

 From : 山田 肇 2003/02/18 15:01  
 Subj : 【245】著作権者と著作隣接権者を分けて考えるべき
【243】力武
私個人は現行の著作権制度を全部否定する気はありません。自分が著作者の側になることもありますし。 ただし、著作権者の都合だけで、電子機器の根本的な機能の制限を設けるのは、社会的に見ても正当とはいえない、 ということです。自由に複製のできないコンピュータ機器は、存在していないのと同じですからね。
ご意見に賛成です。私も現行の著作権制度を全部否定する気はありません。

昨日、著作権法にかかれているフェアユースのことをわざわざ言及したのも、そのためです。技術の進歩に隠して、 フェアユースの可能性を狭めようというのは、ずるい考え方です。ところが問題なのは、 個々の利用者にはそれを批判しようということが不可能なことです。ここにバランスの崩れたところがあります。

なお著作権者という表現も実はよく考える必要があります。売れない本しか出さない学者にとっては、 印税など取るに足りないものなので、著作を著したということを認めてもらうことの方が重要です。一方、 出版社にとっては、不法コピーは直接的な被害をもたらします。音楽家とレコード会社も同じです。保護、 保護と強調するのは、著作権者ではなく、著作隣接権者です。きちんと議論するには、 著作権者と著作隣接権者を分けて考える必要があると思います。

ページのトップへ

 From : 木村 誠 2003/02/18 16:45  
 Subj : 【246】DRM技術について
多分、複製防止技術というよりもDRM技術について今、論じられているものと思います。
コンテンツの複製制御情報(CCI)にもとづく有限複製・ 有限再生の制御と権利管理情報(RMI)に基づいて課金回収を可能とするDRM技術は、ITベンダー側が、 その実装を推奨するのはビジネスとして当然です。
ただ現実、MusicNetやPressplayをはじめとしてうまくいってない。

僕は、有限複製(SDMIルールなら4つ)よりも、 有限再生となるコンテンツは消費者にとって非常に利便性が悪いものとなると思っています。
しかし、コンテンツのヘッダ情報を動的変更することは技術的に可能です。DRM技術が悪いというものではない。

コンテンツ供給側は、ライブの品質(画質、音質)に近いSACD(Super Audio CD)等の販売にシフトし、 「これまでのCDの音質は、実はまがいもんでした、これからの商品が本当なのです(いままで、 ひどいもの売ってごめんなさい。だから、CDリッピングなんて粗悪でしょ! 意味ないすよ)」 というような説得をする姿勢があってもよいのではと思っています。

最後に、MPAAで盛んに運動を盛り上げようとしている地上波デジタル放送の番組コンテンツに向けたBroadcast Flag (放送フラグ)採用の是非について、今、この場でもっと論じるべきなのかもしれません。

関連URL:
http://www.mpaa.org/Press/Broadcast_Flag_QA.htm

ページのトップへ

 From : 藤原 宏高 2003/02/18 16:52  
 Subj : 【247】著作権制度の改正
【245】山田
なお著作権者という表現も実はよく考える必要があります。売れない本しか出さない学者にとっては、 印税など取るに足りないものなので、著作を著したということを認めてもらうことの方が重要です。一方、出版社にとっては、 不法コピーは直接的な被害をもたらします。音楽家とレコード会社も同じです。保護、保護と強調するのは、 著作権者ではなく、著作隣接権者です。きちんと議論するには、 著作権者と著作隣接権者を分けて考える必要があると思います。
基本的には全く同感です。著作権業界における利害の調整ほど、実は困難なのです。アメリカのレコード業界のように、 力の強い業界の意見が、反映される傾向があることも事実です。

そのため、著作権制度は各国毎に微妙な違いがあり、インターネット上では世界標準を考えるべきであるとは言えても、 実際には各国の実状を無視して一概に論ずることはできません。

かといって、各権利者の利害の調整を断念することもできず、 丹念に各業界の意見をすりあわせてゆくしか方法はないと思います。著作権制度は、 かかる利害の調整役を果たしているわけで、すべてを解決できる万能薬ではありません。したがって、 制度を利用する側から見れば、不都合な点が多々あることも事実なのです。

今後は、著作権制度の改正に際して、もっと、 ユーザの声を反映すべきであるといった議論は充分説得力があると思っています。
まとまりませんが、みんながよく考えて著作権制度を改善してゆくしか方法はない、というのが私の結論です。

ページのトップへ


ネット会議へのご意見

ネット会議をご覧になり、ご意見のある方は、事務局までメールにてお送りください。


世界情報通信サミット
1998 1999 2000 2001 2002
Copyright 2003 Nihon Keizai Shimbun, Inc., all rights reserved. NIKKEI NeT NIKKEI Digital CORE