世界情報通信サミット2003ネット会議
ネット会議トップページへ ITブレークスルー・アンケート ネット会議参加者リスト
-


内容(時系列目次)

-
インテリジェントな車社会

 From : 飯坂 譲二 2003/02/04 06:46  
 Subj : 【058】インテリジェントな車社会
低迷する日本経済の中で、トヨタ、ホンダなどは歴史に残る売上や利益を生み出しており、 またハイブリッド・カーなど環境志向の車を市場に送り出し、 米国勢を押しのけて世界の中でもっとも環境志向の車として評価されたことは周知のことです。 つい最近発表されたブッシュ大統領の一般教書の中でも、 アメリカは水素自動車・燃料電池を利用した車の開発に重点を置くことが盛り込まれています。

一方、中国などでの現地生産も加速され、他の製造業と同じように日本の自動車産業の空洞化も考えられないわけではありませんが、 世界の人々がほしがる、あるいは喜んで購入してくれる対価に見合った質のよいものを継続的に提供していかなければ、 日本の経済回復は決して望めないと思います。この意味でトヨタなりホンダといった自動車産業はある意味で日本の希望の星ですが、 従来の技術の範囲に止まった車の製造は、好む好まざるを問わず、いろいろな国に移行していくことを止めることができないことは時の流れです。

日本ならではの新しい技術を付加し、絶えず、前進していく車の供給こそが、 日本経済の回復と維持に一役買うに違いありません。

IT技術を取り入れ、メカトロニクスを駆使してエンジンの燃料効率を上げたりする個々の自動車のコア機能の効率化や、 タイヤやブレーキなどと連動した駆動系のICを使った車のIT化といった応用は、自動車自体の製造技術そのものに属するので、 ここでは触れないことにします。

ここでは、車社会のITとして車社会のインフラがITの導入によってどうかわるか、 どう変えたいかをユーザの立場で試案を述べてみたいと思います。一つは、車の安全に関すること、2には、 便利さの向上について、3番目には社会全体としての効率化です。

車の安全に関しては、まず個々の車のメンテナンスなど性能維持の他、安全運転などです。ICタグの出現により、 部品の管理が容易になりメンテナンスの履歴がよりよく管理され、保守時期の警告などももっと木目細かくなるはずです。 これは車の盗難予防や追跡にも応用可能でしょう。北米では、 盗んだ車をそのまま転売するよりは部品に分解して売る犯罪が多いようです。 酒気帯び運転は、すでに運転者の酒気を検出してエンジンがスタートできないようにするシステムが実用化されているので、 車社会のシステムに組み入れられれば、かなりの事故が防げるはずです。ちなみに、カナダのオンタリオ州では、 一度酒気帯び運転でつかまった人には、この手の装置を取り付けられ、再犯は免停期間延長や免許剥奪ということです。

北米にすんでいると、一番気になるのが、老人の運転です。これは老齢になると否応無しに運転能力が落ちるばかりでなく、 運転中に気を失うことが増えます。すでに、ホンダやキャディラックがハイウェイでのレーン追従機能をつけた車を市場に出していると 聞いています。これをさらに高性能化し、カーナビやGPSと連結し、目的地を音声で入力すれば、 目的地まで自動的に運転してくれるロボット運転が出現すればこのような危険は減ります。

ヘッドライト近くに設置したデジカメは多分人間の視覚より夜間にはよく見えるはずですし、特に熱赤外カメラを利用すれば、 人間、他の車の検出が楽になるはすですから、車に搭載したコントロール用PCで障害物検出の機能で 運転者への警告や緊急停止操作なども可能になる筈です。すでにこのような機材の開発もすすんでいると聞き及んでいます。
このように現在のIT及び関連技術で車のインテリジェンスを向上させ、 このような安全な運転のできる車の製造などが継続的な日本の自動車産業繁栄につながると考えられます。

ロボット運転はいきなり実現することは無理でしょうが、老人用の低速3輪スク−タ、郊外団地近辺専用のカートなど、 ローカルの範囲の試行で経験をつむことからはじめるのがよいと思います。

車社会のインフラとして、道路のいろいろな制限をもっとIT化によってダイナミックに適応できるシステムが考えられます。 例えば速度制限です。現在では速度制限は道路によって一定していますが、 天候状態や交通量に応じて制限速度を絶えず変えると、道路のキャパシティーを増やせるでしょう。 ことはこれだけ無線携帯が普及している現在、実現できないわけはありません。
また、DVDやメモリースティックの大容量化で、各自動車の運行記録を走行時間、区間や場所、 交通規制状態などをかなりの長期間保存しておくことができます。また、運転免許証をIC化し、 免許証を差し込まないとスタートできないようにしておけば運転者も記録できるので、 免許更新や自動車税納入時にこの走行記録を提示、違反がない場合にのみ更新できるようにしたりすることも考えられます。
駐車違反、一旦停止違反も道路標識にその信号を発信させておけば記録することは可能です。 このような車とその環境をさらに知的にすることにより、 事故の予防処理など安全な車社会の実現に寄与できるとおもいますし、結局これなら交通警察官の人員も減らせ、 地方自治体の固定費負担軽減になりましょう。

ページのトップへ

 From : 中島 秀之 2003/02/04 08:14  
 Subj : 【059】インテリジェントな車社会
【058】飯坂
ここでは、車社会のITとして車社会のインフラがITの導入によってどうかわるか、 どう変えたいかをユーザの立場で試案を述べてみたいと思います。一つは、車の安全に関すること、2には、 便利さの向上について、3番目には社会全体としての効率化です。
賛成です。

安全性の向上
運転補助

など主として個々の車の向上が述べられていますが、他にも社会全体としてできることがあると思います。

1.交通の流動性確保(渋滞緩和)
カーナビは現在位置と目的地を保持しています。これを都市レベルで情報交換すれば都市全体のルートプランニングが可能になります。 これにより、個々のプランより効率の良いルーティングが可能になり、信号操作や速度制限の動的変更、 車線数(上りと下りの区別)の動的変更などと組み合わせれば更に効率が良くなると思います。

2.公共交通機関の充実
車の運転を止めた人のための公共交通機関の充実にも貢献できると思います。たとえばデマンドバスです。 現状では路線バスがときどき路線を逸れる程度のデマンドバスが各地で運行されていますが、 我々のシミュレーションによれば都会ではフルデマンドバス(固定路線なし)の方が有効(ユーザの待ち時間が少ない)という結果が出ています。 呼び出しや位置確認のインフラが整備されれば都市部でのフルデマンドバス運行も視野に入ると思います。

ページのトップへ

 From : 佐々木 宏 2003/02/04 20:19  
 Subj : 【067】インテリジェントな車社会〜エンターテイメント性も
21世紀の自動車業界のキーワードは、「安全」「環境(エネルギー)」「情報」だそうです。
【059】中島
1.交通の流動性確保(渋滞緩和)
2.公共交通機関の充実
飯坂さん、中島さんに賛成です。

ひとつ付け加えさせてください。

3.エンターテイメント化

昔、ある携帯事業者に携帯電話で写真が取れるなら、プロジェクタを付けて壁に投射すれば、みんなで、どこでも、 楽しいモバイルシアターになって楽しいと提案したところ、バッテリーの問題で技術的に不可能と却下された記憶があります。

車ならバッテリーの問題は考えなくて良さそうです。

例えば、運悪く高速などで渋滞に遭遇したとき、ITカーから好きな映画をダウンロード(ビデオオンデマンドサービス)して楽しむこともできます。 プロジェクタを壁に向ければ、どこでもカーシアターになりますね。

近くの車同士がアドホックに接続されてネットワーク対戦ゲームなんてのも考えられます。

こんなときでも、ITカーが脇見運転を監視していてほしいですね。

ページのトップへ

 From : 藤原 洋 2003/02/09 19:05  
 Subj : 【109】インテリジェントな車社会〜顧客満足度に応じて課金するモデル
車については、ユビキタス技術の適用が最も可能性のある分野だと思われますが、私自身考えているのは、 ITによって顧客満足度を計測し、それに応じて課金するビジネスモデルです。製造業は、 売り切り型で随分無駄な資源を費やしている。日本の自動車産業も為替レートなどで現在は、好業績を続けていますが、 根本的に圧倒的な国際競争力があるとは思えないので、今のうちに様々なIT+メカトロニクスの技術開発を進める必要があるように思います。

ページのトップへ

 From : 中井 純 2003/02/10 00:55  
 Subj : 【111】車はチャンスの宝庫
藤原さんの意見に賛成です。

今、プロセッサーの観点からユビキタス社会を考えています。どこの国、地方に行っても必要な情報にアクセスできるのがユビキタスの本質だと思います。 それがもっとも必要なのは個人のトラベラーです。携帯機器の世界です。ついで、車社会がそれを必要としています。 行く先々で、通信の仕組みも変わります、また欲しい情報も変わります。そういったときに車の中にありとあらゆるハードを搭載するのは不可能です。 そこで、ソフトウェア無線に代表されるような、ネットワーク経由でコンテンツだけでなく、 そのコンテンツを受けるハードもダウンロードしてしまうというリコンフィギュラブルな半導体チップが最近脚光を浴びつつあります。

この利点は、ネットワークの先にいる相手に応じて自身のハードを変幻自在に変えて相手の情報を受け、 処理するだけでなく、車のように7年も寿命のある箱に載せるハードを時代に合わせてアップグレードする機能や出荷後のバグもネット経由で直してしまうという利点も持っています。

こういったハードの進歩とMVNOのような通信インフラを卸値で買ってきて、 それに付加価値を付けて売るようなモデルは欧米だけでなく日本でも可能になりつつあります。 自動車会社などがIRIなどと組んで、そういった分野に出てきてキャリアーでは発想すら出来ない、 新しいサービスを開始してくれたら、我々の開発しているリコンフィギュラブルLSIも日本を中心に大きく発展する事間違いなしです。

ハードは何とかなりますが、結局は売るべきソフトと課金の仕組みに落ち着きます。そこを何とかするアイデアが必要です。 私も以前日本通信と言うところで、MVNOをやっていましたが、課金のアイデアやコンテンツを持っているベンチャー (例えばIRIやインデックス?),通信インフラを持っているキャリア、 それを借りて通信サービスをやる(トヨタ?)のようなMVNO、 そして付加価値を最大限出せる端末を作れるベンダー(ソニー?)が組むとかなり面白い、 全く新しいビジネスチャンスが作れそうだと実感させられました。機運は整ってきています。車はチャンスの宝庫だと思います。

ページのトップへ

 From : 藤原 洋 2003/02/10 08:08  
 Subj : 【113】リコンフィギュラブルな半導体チップ
確かに中井さんのおっしゃるように「リコンフィギュラブルな半導体チップ」は、20世紀にアメリカ生まれのMPUが、 世界のPCの標準になったように、現時点では、世界最強の自動車産業と組むことで、 日本生まれの「リコンフィギュラブル・プロセッサ」が世界標準になる可能性は、ありますね。

ページのトップへ

 From : 小林 一 2003/02/17 17:01  
 Subj : 【223】インテリジェントな車社会
【109】藤原
日本の自動車産業も為替レートなどで現在は、好業績を続けていますが、 根本的に圧倒的な国際競争力があるとは思えないので、 今のうちに様々なIT+メカトロニクスの技術開発を進める必要があるように思います。
藤原さんの意見に賛成です。
その場合に電気自動車になるとずいぶんと変わると思います。たとえば、四つの車が独立のモーターで動けば、 トランスミッションが不要になるというように、メカの部分が相当程度エレクトロニクス化されるからです。このことは、 車の操作性が格段に向上せせ、ITの適用分野をひろげます。
コンピュータと同じように、メカを含め現在車といわれる見える部分はまさにドンガラに近く、 エレクトロニクスとソフト(IT)あっての車ということでしょう。とりわけインターアクティヴな制御という意味でITは重要で、 起きているときはマニュアルで運転を楽しみ、眠くなったとき、ゆっくり風景を楽しみたいときは自動運転という、 ある種でドライバーの理想が実現します。
もちろん、道路側もインテリジェント、こちらはユビキタス的なシステムで車とはインターアクティヴでということでしょう。
ETCがはやらないのは、それだけのために特別なITシステムを使うのに必要なコストとその利便性のミスマッチからではないかと思います。
自動運転まで含め包括的な(したがって全体として低コストな)車ITの鍵はアナログ情報からデジタル情報への変換を含め、 インターアクティヴな制御を可能とするのがDSP(デジタル・シグナル・プロセッサー)だと承知していますが、 新しい車と車社会のコンセプトに基づいたチップレベルから道路レベルまでのグランドデザインとその開発プログラムが必要ですね。
日本車の国際競争力の未来を考えると、インテリジェントな車社会づくりは、アポロ計画のように、 国家的プロジェクトとして推進すべきものかもしれませんね。

ページのトップへ


ネット会議へのご意見

ネット会議をご覧になり、ご意見のある方は、事務局までメールにてお送りください。


世界情報通信サミット
1998 1999 2000 2001 2002
Copyright 2003 Nihon Keizai Shimbun, Inc., all rights reserved. NIKKEI NeT NIKKEI Digital CORE