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セッション1・「ネット社会のセキュリティとプライバシー」

議題2
「表現の自由、権利保護とISPの責任」


▼名誉毀損事件の判例
▼発信者情報開示に関連する判例
▼プロバイダ責任法について
▼発信者情報開示について
▼プロバイダ法により法的リスクがクリアになった
▼誹謗中傷の対処 トラブルはネットの問題ではない
▼通信と放送、サービスの融合
▼サービスの融合から見た法制度
▼通信の秘密と表現の自由
▼プロバイダ責任法で変わること
▼公共性をどうとらえるか


問題提起1:ニフティ関連判決とプロバイダ責任法

松沢栄一氏(ニフティ法務・海外部課長)


個人情報保護法案は、継続審議になったが、プロバイダ責任法は、勉強する暇もなくあっけなく国会に通ってしまった。重大な過大が突きつけられることになった。 プロバイダ責任法に密接に関連した判例を紹介する。

名誉毀損事件の判例 

「現代思想フォーラム(FSHISO)名誉毀損事件」
事件の概要:会員A(被害者)は、ニフティの現代思想フォーラム(FSHISO)スタッフの一員で、フェミニズム会議室を主催していた。そこへ、会員B(加害者)が会議室の運営を批判、議論がエスカレートし、会員Aを人格攻撃した。結果、現代思想フォーラムを主催しているシスオペ、および、シスオペにフォーラムの管理運営を委託しているニフティが、名誉毀損で訴えられた。

1審(平成9年5月26日、東京地裁判決)では、シスオペとニフティは敗訴。理由は、名誉毀損の発言を具体的に知ったとき、必要な措置(発言の削除)を講じなかったため。

2審(平成13年9月5日、東京高裁判決)では、発言の削除は義務ではないという逆転勝訴の判決。理由は、削除の義務が生じる要件が満たされていないというもの。

この2審判決では、シスオペの次の対応が評価された。

・削除にあたるような発言も、直ちに削除せず、会議室利用者間の議論の積み重ねにゆだねようとした。(議論の質を高める、というニフティの運営方針による。)
・発言者へ注意喚起を遅滞なく行った。
・削除権限の行使が、著しく遅れたとは言えない。


「都立大学名誉毀損事件」
事件の概要:大学自治会のグループの主導権争いが発端。C(被害者)が傷害事件を起こして逮捕された、という文章がホームページ上で公開され、D(加害者)、および、管理者である都立大学が、名誉毀損で訴えられた。 東京地裁は、名誉毀損は成立しているが、大学に削除義務はないという判決を下した(平成11年9月24日)。理由は、ホームページが、被害発生防止義務が生じるような内容ではなかったから。(逆に、このことから、違法性が一見明白、緊急に対処が必要と判断される内容は、削除しなければ問題となりうる。)

事件の教訓
現代思想フォーラム(FSHISO)名誉毀損事件の当事者として、次のことがわかった。

・事前の監視は不要
・被害者の訴えを無視しないこと
・加害者とされている者へ速やかに連絡すること
・当事者間の解決を依頼すること
・紛争を対等に継続している間は静観できるかもしれない(ニフティのような運営方針の場合)
・違法性が一見明白、緊急性を有するような書き込みは加害者の反論がない限り削除してもよい(都立大学名誉毀損事件の教訓)

ただし、ニフティは会員制のサービスなので、オープンな情報発信スペースでは、次の点をどう考えるのかが課題となるだろう。

・発信者への連絡が取りにくいこと
・約款の効力が無効とされるおそれがあること

発信者情報開示に関連する判例 

「本と雑誌のフォーラム(FBOOK)事件」 次に、発信者情報開示に関連して、ニフティの、本と雑誌のフォーラム(FBOOK)を舞台に起こった事件を紹介する。

概要:会員X(被害者)が、匿名で情報発信している会員Yと論争になる。会員Yは、会員Xの本名をもじったようなハンドルネームを使うようになった。 会員Xは、プライバシー侵害、名誉毀損で損害賠償を請求するにあたって、ニフティに会員Yの情報公開を求めたが、拒否された。また、ハンドルネームの使用中止要求も拒否された。 そこで、ニフティだけが訴えられ、会員Yの契約者情報の開示、および、損害賠償を請求された。シスオペと、加害行為を行った会員Yが訴えられていないところがポイントとなっている。

請求根拠は、ニフティが発信者情報を秘匿していることは、原告の名誉権回復機会を妨害しており、人格権に基づく差止請求権、あるいは、不法行為に基づく妨害排除請求権により開示請求が可能というもの。 また、会員Yに対して処分を行ったり、紛争解決に向けた協力を怠ったので、損害賠償請求が可能というもの。

結果、原告の請求は棄却された(東京地裁、平成13年8月27日)。理由は、そもそも会員Yの会議室での発言には違法性がないので、それを前提にした請求の判断は不要、というもの。したがって、発信者情報開示の請求は成り立つか、という重要な問題は棚上げとなった。

現代思想フォーラム(FSHISO)名誉毀損事件、本と雑誌のフォーラム(FBOOK)事件ともに、共通の3者構造(会員、シスオペ、ニフティ)がある。 現代思想フォーラム(FSHISO)名誉毀損事件では、会員の間での名誉毀損は認められたが、シスオペとニフティには責任が問われなかった。 他方、本と雑誌のフォーラム(FBOOK)事件では、そもそも会員の間でのプライバシー侵害、名誉毀損が認められなかったため、シスオペ(もともと訴外)、ニフティには責任が問われなかった。

 
プロバイダ責任法について 

法律の対象となるプロバイダについては、正確には「プロバイダ等」と言ったほうがよい。 理由は、ここで言われる「プロバイダ」には、事業者以外にも、掲示板、Webホスティング、公然性のある通信の仲介者が含まれる。ただし、接続サービスのみ、メールサービスのみの場合は明確に除外されている。

この法律は、3つの当事者(被害者、プロバイダ、発信者)が合理的に行動できるような動機付けを行っていることに大きな特徴がある。従来は、「被害者救済ありき」だったが、この法律は、当事者間での問題解決を積極的に推進しているように読み取れる。また、プロバイダによる誠実な対応を評価している。

ただし、次のように、規定されていない事項もある。 まず、どのような行為が権利侵害に当たるのかについて、定義がない。これは、民法の場で個々に判断するということだろう。 また、権利侵害があった場合、プロバイダの削除義務が、どの時点で発生するのかについても述べられていない。

プロバイダ責任法の内容を、プロバイダの行動に即すると、次のようになる。

1 被害者からの削除要求があり、情報発信者の書き込みに「不当な権利侵害」が認められれば、情報を削除する。
→そうでなければ、発信者に対して7日間の反論機会を提供する。
2 反論がなければ、発信者の情報を削除する。
→反論があれば、改めて違法性があるかどうかを検討する。
3 違法性があると判断すれば、削除する。
→なしと判断すれば、削除しない。

以上のように、「不当な権利侵害」が認められれば、情報発信者から責任を追及される理由はなくなる。また、認められなければ、情報を削除しなくても被害者(と称する当事者)から責任を追及される理由はなくなる。

発信者情報開示について 

発信者情報開示は、今回の法律で新設された制度。要件を満たすと、発信者の情報開示が認められる。その要件とは、次のとおり――

・開示請求する者の権利侵害が明らかであること
・開示を受ける正当な理由(損害賠償請求権行使のために必要であるなど)があること

プロバイダは、開示請求を受け、発信者から意見聴取を行って開示要件が満たされているかどうかを判断し、必要に応じて開示を行うことになる。 要件を満たすことにより、「通信の秘密保持義務」(電気通信事業法)の違法性阻却事由が充足され、発信者から、契約上またはプライバシー保護上の責任を問われることはない。

質疑応答

福富氏 違法な情報が書き込まれた場合、プロバイダなどが発信者情報開示することがインセンティブになるという理由について聞きたい。

松沢氏 発信者情報開示のことか。そうであれば、違法な情報がアップロードされにくくなるという意味がある。 また、発信者からの訴訟を避けるために、発信者から意見聴取する。調べずに開示しないままでいると、請求権の行使を妨げたとして、被害者からプロバイダが訴えられることがある。 それを判断するための理由が明示されたことには、意味があると思っている。

小向太郎氏(情報通信総合研修所) 開示してもいいとは一言も書いていないのではないか。

松沢氏 もともと開示しないという含みがあったが、そこをあえてこの法律が突破した。

問題提起2:2ちゃんねるの現状とプロバイダ責任法

西村博之氏(東京アクセス代表)


「2ちゃんねる」とは、300万人くらい訪れる匿名による掲示板サービスのことで、1日1千万ページくらい書き込まれる。この2ちゃんねるに照らして、プロバイダ責任法について考えてみたい。

プロバイダ法により法的リスクがクリアになった 

2ちゃんねるは、匿名で書き込むことができるので、プライバシー侵害や、企業の誹謗中傷などが起こりやすい。 2ちゃんねるを運営するにあたって、次の3つのリスクが問題となっている。

1 コストのリスク
2 法的リスク
3 社会的リスク


3つのリスクのうち、運営資金も調達でき、社会的にも認知されてきた。唯一、法的リスクがネックになっていたが、プロバイダ責任法の成立によって、クリアできた。この法律は匿名掲示板推進法ではないかと思うほどだ。

つまり、法的に言えば、削除を要請するメールがない限り責任は発生しない。このことにより、未知の法的リスクはなくなったのでコストについても明確な見通しができる。 発信者情報開示については、そもそもログを保有していないので、出す必要はない。情報をとる義務もない。根拠は、参議院、第153回第4号会議録、総務大臣政務官山内俊夫氏の発言による。

今後、この種のサービスは、情報を保有することで変なコストとリスクを背負い込むくらいなら、最初から情報を保有しないという方向に進むのではないかと思う。

質疑応答とコメント

市川明彦氏(日立製作所) ビジネスにしようという気はないのか。

西村氏 そもそも、個人情報自体はお金を生み出さない。2ちゃんねるは、広告収入で成り立っている。始めた理由は、個人的な面白さ。

関口氏 匿名の掲示板はいくつもあるが、2ちゃんねるだけ、なぜ突出して世に知られるようになったのか知りたい。

西村氏 そもそも、ユーザーに、匿名で話をしたいというモチベーションがあった。それが、2チャンネルが登場することによって、雪ダルマ式に現在の状態になった感じだ。Yahoo!掲示板は、2ちゃんねるの10分の1くらいの規模でしかない。匿名掲示板は、2ちゃんねる以前には存在しなかった。 2ちゃんねるは、サーバー上でも個人情報を取っていない。

荒野高志氏(アジアグローバルクロッシング) 基本的には、サーバーにアクセスするコンピュータがあれば、プロバイダまで逆引きして、ドメインネームを割り出せる。最近よく話題にのぼる常時接続では、固定IPアドレスがあるので、やろうと思えばアクセスした人の情報がわかるのではないか。 その意味では、2ちゃんねるはプロバイダではないが、IPアドレスを調べようとすれば可能なはずだ。住所や電話番号なども割り出せる。

西村氏 ルートサーバーでIPログを取っていない。記録は残さないようにしている。 リアルタイムでサーバーをクラッキングすれば、可能ではあるが、物理的には不可能に近い。

誹謗中傷の対処 トラブルはネットの問題ではない 

関口氏 誹謗中傷を書かれた側の権利はどうなるのか。運営側が何もしなくてよいのだろうか。

西村氏 削除依頼の掲示板があるので、そこで依頼してもらうようになっている。ただし、企業の誹謗中傷の場合は原則的には削除していない。 また、電話番号が書かれている場合もあるので、数字の羅列についてはログを取るようにした。「レイプ犯」のものとされる住所や電話番号が書かれたことがあり、警視庁に問い合わせたが、被害者から届け出がない限り、介入しないと言われた。――ここまでくると、2ちゃんねるの問題ではなく、日本の社会の問題だ。

藤谷護人氏(エルティ総合法律事務所) 私はある企業の顧問をしており、それに関連して私も2ちゃんねるで書かれたことがある。企業の場合、削除しないようにしているのはなぜか。

西村氏 日本生命の判例で、会社の場合は、営業権の範疇だと言われた。これは、東京地裁の判断だ(2001年3月)。

藤谷氏 シスオペが法的判断ができない内容を、そのまま掲載しておいていいのか。2ちゃんねるは、影響力がすでに大きい。社会的な影響力を考えて、削除要求を受け入れるか、何らかの仕組みを設けるという考えはないのか聞きたい。

西村氏 逆に、影響力が大きいので、法律の素人が判断する筋合いではないと考えている。

問題提起3:通信・放送の融合と、通信の秘密・表現の自由
田川義博氏(情報通信総合研究所 取締役)


松沢氏の発表資料では、「プロバイダ責任法」であったが、実際には「責任法」ではなくプロバイダ「保護法」ではないかと思っている。 以下、ネットワーク化が進み、通信、および、放送の区別があいまいになってきた状況について議論したい。

通信と放送、サービスの融合 

通信と放送の融合に関しては、これまで、次の4つの局面で論じられてきた。

・サービスの融合
・伝送路の融合
・事業者の融合
・端末の融合

今、融合の局面が拡大しつつある。 たとえば、 プラットフォームの融合

これは、例えば、SKY PerfecTV!のように、同じプラットフォーム事業者が通信、放送両方のサービスを行ったり、同じ認証や課金のシステムを通信にも放送にも使っている。 コンテンツの融合では、ワンソース・マルチアウトプット。つまり、同じコンテンツを通信にも放送にも使うこと。

今後、これらの融合が複合的に重なり合って進展するだろう。さらに、ユビキタス・コンピューティング、ユビキタス・ネットワーク環境の動きで、通信と放送に加えて、情報処理が融合の要素となる。

通信、放送は、従来は、まったく別個であったが、徐々に重なり合うようになってきた。(公然性を有する通信、秘匿性のない通信や、有料放送などの、限定性を有する放送など)

通信衛星を利用した各種サービスでは、「ガイドライン」(「通信衛星を利用した通信・放送の中間領域的な新たなサービスに係る通信と放送の区分に関するガイドライン」、1997年12月)が設けられ、通信、放送の区別が細かく定められている。 通信と放送の融合は、サービスを利用する側にはあまり関係ないことだが、事業者にとっては法的に混乱が生じる。

通信事業者と放送事業者とでは、責任内容が相反する場合がある。(例えば、通信の秘密を守ることと、コンテンツに責任をもつこと)

また、事業を始めるときに受ける事業許可の法的根拠が、状況に対応していない。例えば、現状、事業の種類によって、規制を受ける法律が分かれており(通信事業:電気通信事業法、放送:放送法、有線テレビジョン放送:有線テレビジョン放送法)、通信と放送の融合状況に対応できていない。

サービスの融合から見た法制度 

通信と放送はどのように定義され、法制度の枠組みはどうあるべきか。 まず、特定者間で行われ、発信が双方向であり、通信の秘密が守られるべき通信(電話、電子メールの一部、インスタントメッセージ)は依然として残るだろう。 また、不特定者に向けて一方向的に発信され、直接受信され、コンテンツ責任が求められる放送も残るだろう。

ネットワークのブロードバンド化により、通信と放送の技術品質が似通ってくると、「公然性を有する通信」(インターネット放送など)、「限定性を有する放送」(有料放送など)が増加してくる。

そうなると、「公然性を有する通信」、「限定性を有する放送」には、秘匿性がないので、「秘密の保護」規定は不要になるだろう。 事業者のコンテンツ責任については、義務中心にするか、権利中心とするかについて、検討が必要だと思う。

通信の秘密と表現の自由 

通信、放送の融合により、実体は融合しているのに、法律では対応できていない状況がある。通信の秘密、および、表現の自由に照らすとどうなるだろうか。

通信については、電話を例に考えると、ハード(通信事業者)とソフト(通話者)が分離しているので、事業者の責任はハード面(通話を伝送する責任)に限られ、コンテンツには及ばない。 放送については、地上放送では、ハード(放送事業者の設備)とソフト(放送番組)は一体であり、事業者の責任は、表現行為者として、コンテンツに及ぶ。

それでは、インターネットについてはどうか。ハード(他人の通信を運んだり発信できるような設備)とソフト(情報発信者の編集、制作物)は分離しているので、先ほどの松沢さんのお話のように、基本的には通信事業者と同じ規定を受ける。(通信の秘密は秘匿しなければならない。)

最後に補足として、電子メールの位置付けについて述べたい。 「ガイドライン」では、発信先が特定されているものが「通信」、不特定なものが「放送」と定義されている。したがって、今回のプロバイダ責任法では、電子メールは対象外になると思うが、確認したい。 電子メールは、一度に何万通ものメッセージを送るような「大量特定」発信が可能だ。この点は今後、「通信」と「放送」の定義を含めて問題になってくるだろう。

プロバイダ責任法で変わること 

横澤誠氏(野村総合研究所) プロバイダ責任法は、国が本来持っている司法責任をプロバイダに押し付けていることにならないか。プロバイダにとっては、この法律は迷惑なのか。国全体でもコストがかかるが、それを考えると、国が背負い込むのは可なのかという見方もある。 また、将来ピアツーピアなどが登場したときは、プロバイダの概念そのものがかすれてしまうが、どのように認識しているのだろうか。

松沢氏 できてしまった法律は仕方ない。責任の明確化は、プロバイダの義務とは思っていない、むしろ権利と認識している。 司法権の放棄ではないかというもっともな意見もあるが、逆にフレキシビリティが得られたと思っている。 開示請求権は、義務であることは明らかだ。しかも、難しい判断を求められるのは、確かに負荷になる。しかし、現実として、そこまで及ぶことはあまりないのではないか。蓋を開けてみなければわからない。

司会(坪田) 手続きの明確化ということでは前進ではないか。ピアツーピアに関連して、Jnutellaの川崎氏に意見を聞きたい。

川崎裕一氏(Jnutella.org) 実は、2ちゃんねるをピアツーピア型のBBSとしてはどうかと思った。というのは、ネットワーク的に言えばNapsterは、通信コストだけで1ヶ月に1億ドルくらいかかる。なぜ運営できるかというと、帯域のコストとストレージのコストを個々のユーザーがシェアしているから。そういう仕組みを利用すればよいと思った。 しかし、そうすると、個人のリスクが増大する(IPアドレスによる個人の特定可能性)。その点、2ちゃんねるは、余計な情報を取らないので、上手いと思う。 しかし、書き込みを削除できないということを考えると、責任がそれなりにかかるのではないか。

福富氏 田川氏の問題提起のお話の中で、公然性を有する通信の秘匿性はなしとしているが、インターネットは双方向なので、問題なのではないか。(アクセスログがサーバーに残る。) 開示請求の問題からも、勝手に開示していいことにならないか。

田川氏 確かに、そこはデフォルメしすぎたかもしれない。

公共性をどうとらえるか 

福富氏 放送は公然性を有しているから、公共性を求められているのではないか。 放送の帯域が限定されているからではないか。

田川氏 いろいろな説があるが、一般法でいわれている名誉毀損などをクリアしていることが前提になる。地上放送に比べてコンテンツ責任を軽減する方向に動いている

川島氏 2チャンネルは、一種の社会的なツールであり、インパクトを与えている。(同じメッセージを伝えるツールであっても「ビラ」とは違う。) もし、テロの予告などが書き込まれた場合は、どうするのか。

西村氏 そういう内容を判断するのは自分ではない。日本がそれをどう考えるかという問題になってくるだろう。

藤谷氏 匿名性があるという点に問題があるのではないか。プロバイダ責任法で、なぜ開示請求するかというと、実名がわかるからだ。だが、2ちゃんねるでは違う。 例えば、総会屋、暴力団も掲示板を持っているが、匿名性をテコに掲示板を提供している西村さんは、その社会的影響について、どう考えているのか。

西村氏 総会屋、暴力団はそもそも、社会に存在するもので、これは2チャンネルの問題ではなく、警察に行くべき問題だ。2チャンネルが、そもそも埋もれていた問題を照らし出しただけだ。 匿名性は、すでにインターネットの前提になっている。

藤谷氏 訴訟を起こすには相手の住所や名前を特定する必要があり、極論すれば2ちゃんねるはそういうことを妨害する要因になっているとも言える。 もし、匿名掲示板が人を傷つけることに利用され、傷つけた人がノホホンと生きている状況があれば、何とかしなければならない。

西村氏 手段でしかない匿名掲示板に責任を求めるのは、無理がある。

國領氏 Windows XPのPassportのような個人情報の流出があり、他方で2ちゃんねるのような匿名掲示板の盛況ぶりがある。 変わっていく状況に対して、どのように秩序を作っていくのかが問われており、我々がどういう社会を作っていきたいのかということに直結している。 ビジネスモデルとしては、やって良いことと悪いことが明確になることはありがたいことだ。ルールが産業構造やエコノミクスに影響を与えるだろう。

(拍手)
 
 

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