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第5回エコプロダクツ国際展に参加して

「金融機関にとってのCSRとは何だろうか」。現在のポジションに着任し、早2年半がたとうとしているが、毎日のように自らに問い続けている。各ステークホルダーごとに一通り企画を立てそれぞれ実行に移してきたものの、CSR業務の性格上どうしても総花的な取り組みになりがちであり、金融機関ならではの、もっと言えば、金融機関にしかできないCSR施策がほかにもっとあるのではないかと模索している状況にある。CSRの定義を「社会の問題解決に向けて、本業を通じて、あるいは本業に近い領域で、具体的な解決策を社会に提案すること」とするならば、金融機関の役割は極めて重要である。なぜならば、特に銀行のビジネスモデルはすべての業界の企業取引、そしてすべての世代との個人取引から成り立っているだけに、解決すべきあらゆる社会問題と常に隣り合わせの状況にあると言えるからだ。

銀行業務の公共性の高さから、CSR施策の材料・ヒントはたくさん転がっているのに、我々はそれに気付いていないという言い方もできるかもしれない。その穴を埋めるには、役職員全員にCSR意識を浸透させ、活発な意見交換が可能な機動力のある体制を構築していくことが必要だと考える。その上で今まで考えたこともないテーマにチャレンジすることも必要と考える。

様々な切り口が考えられるCSR施策の中でも、特に環境問題は世界的にもっとも対応が急がれる最優先課題である。弊行においても環境ビジネスを金融機関としての機能を最大限に発揮できるCSR活動の注力分野と位置づけ、幅広く推進しているところ。業務として環境関連商品の開発に注力するのももちろん重要ではあるが、情報発信も金融機関にとって極めて重要なCSR施策であると認識している。しかもその舞台は日本から世界へと徐々にその広がりを見せている。

3月中旬、フィリピンのマニラにて第5回エコプロダクツ国際展(Eco-products International Fair 2009)が開催された。この国際展は、国際機関APO(アジア生産性機構)、フィリピン生産性本部(DAP)およびフィリピン産業界環境支援組織(PBE)が主催しているイベントで、アジア地域における最大級の国際環境展示会・国際環境会議となっている。毎年国を変えて開催してきており、今回はマレーシア・タイ・シンガポール・ベトナムに続く第5回目の開催にあたる。この準備委員長に弊行の北山会長が昨年4月に就任したことから、微力ではあるが、その成功に向けお手伝いをしてきた経緯にある。具体的には、取引先への本国際展の周知、ブース出展の案内、そして国際会議の運営協力である。昨年からの急速な経済収縮の状況下、参加企業の減少などが危惧されたが成功裏に終了したのでその内容に関し簡単に触れておきたい。

1.フィリピン政府の関与度合いの高さ

フィリピン政府が自国のブース出展企業に対し、その出展費用として助成金を用意し、金銭面から積極的な後押しをしたことに加え、アロヨ大統領はじめ、ラモス元大統領夫妻、官房長官、貿易産業省長官など、政府関係者が多数来場され、各ブースで熱心に質問をされていた。

2.出展者数および来場者数

前述の通り茲許(ここもと)の経済環境下、かなりの苦戦が予想されたが、出展者数は過去最大の128社に上り、内訳としては日本から36社、フィリピンから90社などであった。また、来場者数は、4日間で8万3000人を超えるレベルを記録した。

3.国際会議の充実

国際会議3日間のうち1日は「環境と金融」というテーマを設定した。有識者の基調講演に続き、JBICに進行役をお願いした「CDMセミナー」と日本総合研究所に進行役をお願いした「環境金融セミナー」を開催したが、もともとCDMへの関心が高い上にここ数年で非財務的要素を中心とした情報開示が急速に進んでいる背景もあり、満席の会場から多くの質問が寄せられ、非常に活発な議論が展開された。

4.Closed Door Meetingの開催

過去の開催国であるマレーシア・タイ・シンガポール・ベトナムの関係者を招き初の会合を開催。アジア地区においてエコプロダクツ国際展のネットワークをいかに活用し持続可能な社会を構築していくのか活発な議論がなされた。

今回は第5回という記念すべき開催でもあり、新しいテーマにチャレンジした国際展となったが、関係者のご努力により大成功であったと考える。今後は単発のイベントに終わらせることなく、過去の開催国の関係者も含めせっかく構築されてきたアジアにまたがるこのコンソーシアムをどう活性化し、どう実際のビジネスにつなげていくのかが問われるステージに入った。弊行としても金融機関らしいCSR施策を展開すべく、この国際展を通じて環境問題の解決、そして持続可能な社会の構築に少しでも貢献していきたいと考えている。

アロヨ大統領にパネルの内容を説明する北山会長(写真提供:国際機関APO)

写真 佐藤耕司
佐藤 耕司 (さとう こうじ)
三井住友銀行 経営企画部 CSR室長

経歴
昭和60年3月 東北大学経済学部 卒業
昭和60年4月 住友銀行 入行
平成4年4月 茅場町支店 支店長代理
平成4年10月 東京営業部東京営業第一部 部長代理
平成10年4月 人事部(東京)部長代理
平成10年7月 人事部 グループ長
平成14年10月 本店営業第四部 次長
平成17年7月 日本橋法人営業第二部 副部長
平成18年10月 経営企画部 CSR室長
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