トークセッション「就職活動に役立つCSR活動研究」
パネリスト
- 村田浩 氏
本田技研工業 法務部 CSR室 室長 - 佐藤耕司 氏
三井住友銀行 経営企画部 CSR室長 - 上鶴茂喜 氏
住友化学 総務部 CSRチームリーダー
コーディネーター
- 小河光生 氏
クレイグ・コンサルティング代表取締役
持続可能な社会における自分の役割を認識(本田技研工業)
Hondaは二輪車だけでなく、四輪車、汎用商品(耕うん機や発電機など)を生産しています。Hondaは、「人間尊重」と買って喜ぶ、売って喜ぶ、創って喜ぶという「三つの喜び」を基本理念とするホンダフィロソフィーに基づき事業運営を行っているので、創業時からの取り組みがCSRにつながっています。
当社の製品は、お客様に使っていただければ使っていただくほど化石燃料が消費されますが、モビリティ(移動)需要は進展国を中心に拡大し続けています。環境問題が大きく取り上げられている今、ハイブリッド車などを始めとするできる限り環境負荷が少ない製品や、バイオエタノール燃料など再生可能なエネルギーの開発を進め、安全で快適な製品を提供すること。これが、当社に課せられたCSRの大きな柱ともいえるでしょう。
従業員に対しても、フィロソフィーをベースに、主体性の尊重、公平性の原則、相互信頼の原則という三つの原則を定め、従業員1人ひとりの意欲や能力を高める環境作りと、持てる力を発揮できる職場作りに力を注いでいます。二足歩行ロボット(ASIMO)をはじめとする、ジェット機、歩行アシスト装置などHondaがカバーする領域は幅広く、社員の夢を託すことのできる場は数多く用意されています。まさに「The Power of Dreams」なのです。
日常的に仕事をしていると、誰もが自分の業務を中心に考えがちです。「存在を期待される企業」を目指すHondaの従業員として会社がどんなことをしているか、生み出した製品がどのように社会に役立っているのか、持続可能なモビリティ社会実現に向けてどのような役割を果たしているのかを認識しながら、CSRに取り組んでいきたいと思います。
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本田技研工業「CSRレポート2008」
http://www.honda.co.jp/csr/
金融機関が持つ機能・インフラを最大限に活用(三井住友銀行)
三井住友銀行では、金融仲介機能や情報発信機能を活用したCSR活動に取り組んでいます。例えば、環境配慮企業向け融資制度。環境配慮に積極的な企業やISO14001などを取得した企業向けに優遇金利を適用する融資制度を用意しています。最近では仕入先などサプライチェーン向けの融資制度を開発し、仕入先を含めたグループ全体での環境経営の確立を目指すお客さまに好評をいただいています。融資という手段で多くの企業に接点を持つ金融機関だからこそ出来た取り組みと言えるでしょう。
また、2008年4月にダイバーシティ推進室を新設し、従業員の多様性を強みとする企業風土の醸成に向けた取り組みを強化しています。今年度の新卒採用では女性比率が4割を超え、女性管理職の人数も年々増加しております。
当行のCSRのゴールは、ステークホルダーそれぞれに、より高い価値のサービスを提供し、社会全体の持続的な発展に貢献することです。あらゆる業界の法人、あらゆる世代の個人とのつながりは、社会の諸問題を解決する糸口になり得ます。日本だけでなく、世界に広がるネットワークを持つ金融機関である当行らしい展開も今後は図っていきたいと考えています。
企業は常に変化しており、その時々の外部環境によってCSRレポートの内容も微妙に違っています。つまり、攻めの事業年度と守りの事業年度が存在する可能性がありますので、ある程度時系列で読み込むことで、より深い企業研究ができるのではないでしょうか。
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三井住友銀行「企業の社会的責任(CSR)」
http://www.smbc.co.jp/aboutus/responsibility/index.html
「化学」の力を通じて、社会の持続可能な発展に貢献(住友化学)
愛媛県の別子銅山で銅の精錬の際に生じる排ガスの中から有害な亜硫酸ガスを除去し、それを原料に肥料を製造したのが住友化学の始まりです。環境問題の解決を図るとともに、農業の発展に貢献することを目指す会社としてスタートして以来、「事業を通じて社会に貢献する」という考え方は脈々と受け継がれてまいりました。そして現在、化学のテクノロジーを駆使して人々の役に立つ製品を開発し、環境や社会に望ましい形で継続して提供していくというCSR経営のもと、さまざまな事業を展開しています。
その一例に、マラリア予防に効果を発揮している「オリセットネット」があります。オリセットネットは、防虫処理を施した蚊帳で、耐久性に優れ、防虫効果が5年以上持続します。マラリア患者の削減に大きな効果を示し、世界保健機関(WHO)からも高く評価され、使用が推奨されています。アフリカで製造することで雇用を創出し、また、売り上げの一部は現地の学校建設、教育支援などにつなげ、地域の自律的な発展を支援しています。自社の研究やビジネスが、地域の経済発展や子どもたちの未来のお役に立っていることは、社員1人ひとりの仕事に対するモチベーションにもつながっていると感じます。
これからも、絶え間ない技術革新と創造で、現代社会の抱える課題の解決や、より豊かな暮らしづくりに貢献することを目指してまいります。
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住友化学「企業の社会的責任について」
http://www.sumitomo-chem.co.jp/japanese/csr/index.html
会社や仕事に対する誇りがCSRにつながる(クレイグ・コンサルティング)
CSRとは、本業を通じた社会活動行うことで、ステークホルダー(株主など、企業活動の利害関係者)を満足させることです。売り手よし(企業活動)・買い手よし(顧客)・世間よし(地域社会)という「三方よし」の近江商人の哲学が、その精神をよくあらわしているといえるでしょう。
バブル期までの企業は利益至上主義で、利益の極大化が必ずしも社会のためにならず、多くの問題が明らかになりました。そこで、利潤を追求するだけでなく、企業活動を通じてステークホルダーや社会全体に貢献するWin-Winの関係を作り出すことが企業の社会的責任である、という意識が芽生え、本業を生かしたCSR活動が進むようになっています。
本業を通じて行うCSRにおいては、社員は自らのスキル、経験を生かすことができます。これは、社員にとって「誇りの文化」創出につながると言えるでしょう。つまり、企業活動を通じて身につけたスキルが社会貢献につながれば、会社や自らの仕事に対する誇りが生まれ、社員を活性化させ、働きがいへとつながるからです。
企業は、それぞれの取り組みをCSRレポートとして公表しています。トップメッセージには会社の姿勢が表れ、活動内容の紹介ページでは企業の特徴が見えます。社会に対して、自社に対して、社員に対して、どのような思いを持ってCSR活動に取り組んでいるのか。企業を選ぶ際の選択基準にしてみるのも良いでしょう。

- トークセッション会場風景






