米国最新事情
2007年12月10、11日に、米国カリフォルニア州ロサンゼルスで、グリーンエクスチェンジ・グローバル・マーケットプレイス・カンファレンス(以下グリーンエクスチェンジ、GreenXchange Global Marketplace Conference)が開催された。グリーンエクスチェンジは、米国の環境シンクタンクであるヴェルデ・エクスチェンジ・インスティテュート(VerdeXchange Institute)が主催した環境ビジネスのイベントで、米国の内外から1,000人を超える参加があった。

- ビル・リチャードソン
ニューメキシコ州知事

- アントニオ・ビヤライゴーサ
ロサンゼルス市長
今回が初めての開催だが、元国連大使でエネルギー長官も歴任したビル・リチャードソン ニューメキシコ州知事、アントニオ・ビヤライゴーサ ロサンゼルス市長、ノーマン・ミネタ前運輸長官をはじめ政界の有力者の参加を得て、大きな注目を集めた。カンファレンスでは、技術革新、代替エネルギー、大気・水質汚染、グリーン物流、環境融資・環境投資、気候変動防止政策の6つのテーマごとに活発な議論が交わされた。
急速に動きつつある米国の環境関連ビジネスの機運を背景にしたグリーンエクスチェンジについて、ヴェルデ・エクスチェンジ・インスティテュートのチェアマンであるデービッド・エイベル氏にインタビューした。
本カンファレンスの特徴は?
- エイベル氏
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「B2B(Business to Business)を中心とした“マーケットプレイスの創造”に焦点を当てている。グリーンエクスチェンジに、買い手、売り手、仲買人、起業家などが集い、環境関連ビジネスを発展させていってほしい。今年が初めての開催だが、米国内外の産官学からオピニオン・リーダーが集まり、環境ビジネスのマーケットプレイスにふさわしいカンファレンスとなった」
グリーンエクスチェンジでは環境ビジネスに関する幅広いテーマを扱っているが、その狙いは?
- エイベル氏
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「環境保全について行政機関は横断的なアプローチを模索している。また、企業も業種横断的な取り組みができないか試行錯誤している。こうした動きは、部門ごとに取り組むような従来の縦割りによるアプローチでは限界があるということだ。この動きは、2、3年のうちに加速していくだろう。そこに、グリーンエクスチェンジ開催の趣旨と目的がある」
なぜロサンゼルスの地を選んだのか?
- エイベル氏
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「カリフォルニア州は環境関連ビジネスに最も適した状況にある。それは、州政府の規制が厳しいという面だけでなく、世界有数の経済規模を誇る地域だということもある。さらに、ロサンゼルスは国際色豊かなビジネス環境にあり、グリーンエクスチェンジが世界に発信する上で最適な地である。日系企業はカリフォルニア州では大きな存在感があるが、今後のビジネスを推進していく上で、環境ビジネスは絶好のテーマだろう」
カリフォルニア州の環境ビジネスの状況は?
- エイベル氏
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「先進国では、50~60年に1度、社会基盤を再構築しなければならない。ロサンゼルスをはじめとした西海岸の各都市では、現在がその時期にさしかかっている。社会基盤のメンテナンスには、先端技術を駆使する必要がある。サスティナビリティを考慮し、どのような技術を活用するのか、どのような手段で実施するのか、どのようなゴールを設定するのか、などが重要だ。水質・大気汚染への影響など環境への配慮をさまざまな角度から検証することが求められている。つまり、さまざまな分野において、環境関連ビジネスの機会が生まれているのだ」
日本企業への期待は?
- エイベル氏
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「日本は、気候変動防止に対する技術の製品化に成功している数少ない国だ。カリフォルニアでは、ここ数年のうちに環境関連ビジネスの市場が大きく開花するだろう。カリフォルニアに進出している日本企業は、中核ビジネスの中に環境課題への対応が埋め込まれている」
次回のグリーンエクスチェンジは?
- エイベル氏
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「多くの参加者を収容できる会場に変更する。そして、今回よりも開催日を1日増やし、2008年10月1日から3日までの3日間にわたって開催する予定だ。間違いなく環境関連ビジネスの潜在力は高まっているので、より多くの専門家やビジネスリーダーの参加を見込んでいる」

- デービッド・エイベル氏
これまで、一般的に、環境保全対策は課題ごとに細かく分かれて実施されてきた。つまり、土壌汚染だけだったり、大気汚染だけだったりという具合だ。しかし、環境保全とは、ある特定地域の問題として考えていては解決できない。また、企業にとっても、調達から販売、場合によっては廃品回収にいたるまで、製品やサービスのライフサイクルすべてに配慮しなければならなくなった。ある事業部門だけでは対応できない。そうなると、エイベル氏が主張するように、行政でも企業でも、部門ごとの縦割りでは機能しない。
グリーンエクスチェンジ開催の意義はそこにある。エイベル氏が「マーケットプレイスの創造」と定義したように、さまざまなバックグラウンドを持った専門家やビジネスパーソンが集う場を提供した。あたかもマーケット(街中の市場=いちば)に参加するかのごとく、環境問題解決型ビジネスの売り手や買い手が行き交いしていた。こうしたマーケットから、さまざまな提携や商談がまとまり、環境ビジネスが花開いていくのだろう。
環境関連技術は日本企業が差別化を図りやすい分野のひとつだ。世界最大のマーケットである米国の中で、もっとも環境配慮の機運が高いカリフォルニアで開催されるグリーンエクスチェンジの存在は、日本企業の成長戦略にとって重要な機会となりそうだ。
- 田邉 雄 (たなべ ゆう)
- 1967年東京生まれ。上智大学文学部卒、名古屋大学大学院経済学研究科修了。2003年から日本経済新聞社にて日経CSRプロジェクトを主宰。現在、日経アメリカ社ロサンゼルス支社勤務。共著に『やわらかい内部統制』(日本規格協会)。






