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CSR研究の最前線

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「CSR実践ロードマップ」作成のすすめ

企業が、CSRを実践するに際して最も重要なことは、自社の本業を中心にしてどのようなテーマや課題にどのように取り組むかである。

そのためには、CSRイニシアチブを参考に、第1に自社のステークホルダーを特定すること、第2にそれぞれのステークホルダーと自社のCSR課題がどのように対応するかのマトリックスを作成すること、第3に、実行計画として「CSR実践ロードマップ」を作成すること、の3ステップが必要である。

(1)自社のステークホルダーの特定

CSRイニシアチブでは、コアステークホルダーとして、「消費者、取引先、従業員、株主・投資家、地域社会・地球環境」の5つを特定している。各社の視点から、例えば、企業グループ、協力会社、業界団体、監督官庁・行政機関、金融機関などを、必要度に応じ追加して、自社にとり重要なステークホルダーを特定する。

(2)ステークホルダーとCSR課題の組み合わせ

企業として一般的に、CSRの対象項目・課題は、良質な製品・サービスの提供、コンプライアンス・企業倫理、コーポレート・ガバナンス、公正な経済活動、労働問題、地球環境対策、情報開示・報告書公開などである。

そこで、例えば、横軸には、「消費者、取引先、従業員、株主・投資家、地域社会・地球環境」などを記載する。縦軸には、一般的な、「企業倫理・コンプライアンス、優良な製品・サービスの提供、社会貢献、情報・報告書」などのほか、現在作業中の国際的な規格(ISO26000)に組み込まれる7つの主題である「組織の統治、人権、労働慣行、公正な事業慣行、消費者課題、コミュニティの社会的・経済的発展」の中から、自社の特性に応じて適宜選定して掲載する。

自社が特定したステークホルダーと自社のCSRテーマや、課題をそれぞれ組み合わせて、「CSR実践マトリックス」(図表1参照)を作成する。

(3)「CSR実践ロードマップ」の作成

次に、自社の3~5年の実行計画を「CSR実践ロードマップ」としてまとめる。例えば、横軸には、「2008、2009,2010、2011,2012」と対象年度を記載する。 縦軸には、「経営トップのメッセージ、優先する課題、対応する組織、実践の手法、実践の成果、年間の評価、次年度への課題」などを記載する。

このように「CSR実践マトリックス」に基づき、「CSR実践ロードマップ」(図表2参照)をCSR委員会など中心に作成することをおすすめしたい。経営陣の承認を得た後、全社をあげてCSR実践に取り組む。実践の成果は、毎年のCSR報告書などで情報開示することにより、社会からの信頼が一段と向上することになる。

図表1 CSR実践マトリックス 図表2 CSR実践ロードマップ
写真 田中宏司
田中 宏司 (たなか ひろじ)
東京交通短期大学学長/日本経営倫理学会常務理事
1935年生まれ。中央大学法学部・経済学部卒業。日本銀行、ケミカル信託銀行を経て、早稲田大学大学院講師、立教大学大学院教授等を歴任後、現職。経済産業省・日本規格協会「ISO/SR国内対応委員会」委員。
主な著書に『コンプライアンス経営』(生産性出版)、『CSRの基礎知識』(日本規格協会)ほか。
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