日本経営倫理学会(1)
CSRイニシアチブ委員会の設立
近年、グローバリゼーションや情報技術の発展、国際市場における競争激化、消費者をはじめ社会から企業行動への厳しい批判などを背景にCSRへの関心が高まっている。その取り組みが世界的レベルで注目される中で、企業と環境・経済・社会との共生が、企業の持続可能な発展の視点から重要なテーマとなってきた。
こうした背景のもと、産業界、研究者、コンサルタント、NPO代表者や大学教員など、28名のメンバーが集まって、このたび「CSRイニシアチブ委員会」を設立した。当委員会のメンバーは下記のとおりである。
当委員会は、2004年6月に発足した日本経営倫理学会のCSR研究部会がその母体となり、1年間の研究活動を踏まえて発足した組織である。さかのぼること前身の2001年4月発足のSMIX21(Stakeholder Management Index:ステークホルダーマネジメント指標)プロジェクト研究からでは、累計約4年間の継続研究となる。
CSRイニシアチブ委員会の狙いは、2つある。
第1はCSRの経営理念や行動憲章、行動基準などを普及させ、日本企業におけるCSRへの取り組みに貢献することにある。そして第2はCSRの世界的な取り組みに貢献することである。具体的には次のようなことが挙げられる。
- 日本企業におけるCSRの意識喚起を促進する
- 日本企業としてのCSRへの取り組みに貢献する
- 日本企業がCSRを海外展開する際に貢献する
- CSRの規格化に関する世界的な取り組みに貢献する
- 海外企業が日本へ進出する際の活動展開に寄与する
- 日本企業のCSRへの取り組みを海外に情報として発信する
- 日本社会、ひいては世界各国の持続可能な発展の一助となる
現在、その活動の一環として、当委員会は企業が実際にCSRを進めていく上での羅針盤ともなる、CSR経営理念・行動憲章・行動基準を「CSRイニシアチブ」として制定中である。これは当委員会が、その母体であるCSR研究部会における約1年間の研究成果をもとに制定しているものである。
その概要は以下のとおりとなっている。
まず、企業がCSRに取り組む上で最も重要となる「CSR経営理念」の制定である。それは企業の多様な利害関係者といわれる消費者、取引先、従業員、株主・投資家、地域社会・地球環境、さらには広く国際社会など多様なステークホルダーと企業が、「ともに栄える社会」を構築することを意味するものである。
次いで、そのCSR経営理念の実現に向けた「CSR行動憲章」の制定である。すなわち、消費者、従業員ほか、合計10のマルチステークホルダーに対して、CSRを進める際の指針となる考え方である。ここでは、2004年5月に出版した『CSRマネジメント〜ステークホルダーとの共生と企業の社会的責任』の中で定義した法的責任、経済的責任、倫理的責任、社会貢献的責任の4つの責任レベルに従っている。
そして、上記のCSR行動憲章を具体的な行動基準までブレークダウンした「CSR行動基準」の制定である。同じく10のステークホルダーを対象に、4つの責任に基づき、実際の企業行動レベルまで詳細に記述し、合計約250のCSR行動基準を制定している。また、グローバル時代といわれる今日、企業は「社会の公器」であると同時に、今後は「世界の公器」ともなる。その意味からわれわれは今回、日本語版と併せて共通言語の英語に対訳してCSRイニシアチブを制定中である。
なお、CSRイニシアチブの詳細は、2005年5月に出版物をとおして社会に発表する予定である。CSRイニシアチブ委員会の活動に興味と関心がある方、ご質問などがある方は、下記事務局までご連絡、またはお問い合わせ願いたい。
「CSRイニシアチブ委員会」組織
代表
- 駿河台大学経済学部教授 水尾順一
副代表
- 立教大学大学院経済学研究科教授 田中宏司
- 淑徳大学国際コミュニケーション学部 助教授 清水正道
事務局長
- 電力中央研究所・社会経済研究所 主任研究員 蟻生俊夫
委員名(氏名は50音順) 産業界
- 明石雅文 (中央住宅・執行役員広報部長・経営倫理士)
- 池田耕一 (松下電器・法務本部企業倫理室長(兼)リスクマネジメント室長)
- 小野芳幹 (東京電力・総務部企業倫理グループマネージャー)
- 大泉英隆 (東日本旅客鉄道・人事部)
- 斉藤全彦 (ノバルティス ファーマ・広報・CSR担当)
- 酒井 剛 (資生堂・CSR部次長)
- 桜木君枝 (ベネッセコーポレーション・常勤監査役)
- 佐藤伸樹 (三井不動産・監査室コンプライアンスグループ長)
- 鈴木 敬 (イトーヨーカ堂)
- 塚田 剛志 (日本経済新聞社・企画開発部次長)
- 高橋 洋 (日本経済新聞社・CSRプロジェクト担当)
- 橋本克彦 (沖データ・常務取締役営業本部長)
- 福田英男 (エーザイ・コーポレートコミュニケーション部課長)
- 福田 隆 (損保ジャパンリスクマネジメント・研究開発室部長)
- 福本ともみ (サントリー・コンプライアンス推進部課長)
- 山脇 徹 (協同広告・相談役)
- 昆 政彦 (ファーストリテイリング・執行役員グループ会社管理部長兼グループCSR部長、米国公認会計士)
研究者
- 蟻生俊夫 (電力中央研究所・社会経済研究所主任研究員)
- 伊吹英子 (野村総合研究所・副主任コンサルタント、大阪大学大学院非常勤講師)
- 上原 修 (日本サプライマネジメント協会・代表取締役)
- 大川 恒 (有限会社HRT・代表取締役)
- 山口謙吉 (BEIビジネス倫理研究所・所長)
NPO法人
- 阿部博人 (企業社会責任フォーラム代表)
大学関係者
- 後藤芳一 (日本福祉大学客員教授)
- 清水正道 (淑徳大学国際コミュニケーション学部助教授)
- 田中宏司 (立教大学大学院経済学研究科教授)
- 馬越恵美子 (桜美林大学経営政策学部教授)
- 水尾順一 (駿河台大学経済学部教授)
- 横山恵子 (東海大学政治経済学部専任講師)
CSRイニシアチブ委員会事務局:
(財)電力中央研究所・社会経済研究所
<事務局長 蟻生俊夫>
〒100-8126 東京都千代田区大手町1-6-1
TEL:03-3201-6601 FAX:03-3287-2864
e−mail:ariu@criepi.denken.or.jp
- 水尾 順一 (みずお じゅんいち)
- 駿河台大学経済学部教授・博士(経営学)
本件に対するお問い合わせは、下記までお願いします。
〒357-8555 埼玉県飯能市阿須698
TEL:0429-72-1211
携帯:080-3007-1736
水尾研究室直通TEL&FAX:0429-74-7144
E-mail: jmizuo@surugadai.ac.jp






