第90回 埼玉県実食編(1) 「ごちゃき1.5玉」に平伏する

特別編集委員 野瀬泰申


 山口県実食編に続いて今週は埼玉県実食編です。「被災地を行く 500キロの旅」をはさんだことで、本編とのタイムラグが大きくなってしまった実食編をここで取り返すため、2週連続での実食編に挑みます。寄る年波にさからえず低下する野瀬の体力をカバーすべく、今回は「みんなで埼玉県実食編」と題し、8人の読者にご協力いただいて、広い埼玉県を3方面に分かれて取材しました。読者の皆さんのリポートと合わせて、圧倒的ボリュームでお届けします。

 番外編ではデスクが「みんなで埼玉県実食編」ではカバーし切れなかった浦和のスタミナラーメン、スタカレーを食べに行ってきました。合わせてご覧ください。

 次週からは山形県、こちらもお忘れなく。

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放射状の路線ばかり
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放射状の路線ばかり

 山口県実食編に続いて埼玉県実食編である。

 埼玉は広くて公共交通機関だけではどうにも取材がしにくい。というのも東京の新宿や池袋と県内各方面を結ぶ鉄道は発達しているのだが、放射線状になっていて南北を結ぶ路線が少ない。

「どうすべえ」

 考えた結果、読者の皆さんの力を借り手分けして実食する方法を初めて採用した。私にとって省力化。楽ちんなのである。我ながら名案であることよ。

 実食の旅の参加者を募集したところ、8人が手を挙げてくださった。

「いもラーメン」の看板
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「いもラーメン」の看板

 そこで川越チーム、行田・熊谷チーム、所沢・秩父チームに分かれ、それぞれ私、デスク、一芸クンが加わって取材に臨んだのであった。

 ときは2012年5月12日(土)。またしても快晴である。

 私は川越チームになった。川越に行くのは初めてである。自宅から池袋に出てそこから東武東上線の急行で30分。意外に近いじゃないか。電車の中で仕事上必要な小説を読んでいたら、あっという間に着いてしまった。

 駅前から始まる商店街を歩く。地場の百貨店もあって実に立派な商店街である。しかしながらナショナルブランドやファストフードの店が多く、立ち寄る所はあまりない。それでも観光客向けの施設もあり「やはり川越」という感じもする。

 途中で老舗らしい団子店の写真を撮ったり「いもラーメン」の看板にシャッターを切ったりしているうちに蔵の町にぶち当たった。

黒い蔵造りの重厚な町並み
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黒い蔵造りの重厚な町並み

 ぶち当たったと書いたのは、ある角からいきなり景色が変わり、黒い蔵造りの重厚な町並みが出現したからである。

 土曜日とあって歩道は観光客で埋まっている。両側に蔵の町並みが続く道は幹線道路で車の往来が激しい。路線バスも頻繁に行き来する。それでも観光気分がいやでも盛り上がる。

 前日にデスクが「太ったオオカミさんから携帯に電話がかかってきたら合流してください」と言っていた。ということは電話があるまで単独行動の自由放任である。うれしいな。

 蔵の町にはレストランがある。刃物を扱っているところもある。よく見れば醤油蔵。目を凝らせば郵便局。

冷やしたキュウリ販売中
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冷やしたキュウリ販売中

 川越編をリポートしてくれる皆さんの邪魔をしないように飛ばして書くが「菓子屋横丁」というものもあった。そこでは食べ歩き用の冷やしたキュウリなども売っていて、なかなかの風情である。

 うろうろしているうちに少し汗をかいた。こんなときは? 

 そう、お風呂でしょ。

 ということで、先ほど歩いた商店街の中にお芝居などもやっているスパがあったので、そこまで戻ったのだった。

 735円でタオルとドリンク付き。何種類もの湯船があるお風呂はがらがらだった。東京の我が家から歩いて行けるスパは、土日ともなると夏の湘南海岸なみに混雑する。それに比べたらがらがら。大変にラッキーである。

商店街の中のスパ
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商店街の中のスパ

 ふやけるぐらい湯に浸かって、髪の毛も丹念に洗って、無料のコーラなども飲んで、実にいい土曜日である。電話もないからゆっくりしていようっと。

 取材に来たのをほとんど忘れ「大人の休日」モードに突入した。

 しかしながら、このまま寝ているわけにもいくまい。お腹も少し減ってきた。ということで再び蔵の町方面に向かった。

 路地に入って喫茶店を探しているうちに「太麺焼きそば」の看板にぶつかった。そうである。埼玉のこの辺りの焼きそばの麺は太いのである。

 店は観光客より地元客を相手にしている雰囲気である。ちょっと考えた末に、この店の客となった。

ごちゃきの1.5玉
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ごちゃきの1.5玉

 メニューに「並(1玉) 400円」とある。この値段なら1玉は小ぶりであろう。1.5玉でいってみよう。

「おっと『ごちゃき』って何だ?」

 焼きそばの上にオムとカレーか。横手で食べたカレー焼きそばを思い出した。

「すいませーん。ごちゃきの1.5玉をお願いします」

 奥さんが無言で「うん」とうなずいて鉄板に目を下ろした。

 そこに地元のサラリーマンらしい男性が入ってきて「焼きそば。特大で」と言う。特大は2玉である。

 そうこうするうちに「ごちゃき」が登場した。上にのったオムとカレーで麺が見えない。箸で捜索したところ、うどんのような麺が顔を出した。

なみえ焼そば
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なみえ焼そば

 太麺の焼きそばと言えば浪江町の「なみえ焼そば」。それと、タメで戦えそうな太さである。カレーを絡めて一口食べてみる。

 その瞬間、私の敗北が決まった。

 浪江のものは太くはあるがフワフワツルツルの麺なのに対し、こちらは地粉でも使っているのか、さぬきうどん級のこしがあって、一口ごとに胃袋へ重いパンチを繰り出してくるのである。

 頑張りました。私なりに頑張りました。

 しかしながら3分の1を残してダウンした。奥さんに「残してごめんなさい」というと笑顔が返ってきた。

川越駅前の店で食べた「イチゴの酢豚風」
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川越駅前の店で食べた「イチゴの酢豚風」

「初めに言っとけばよかったわねえ。うちのは量が多いのよ」

「それにしても太い麺ですね」

「多分、この辺じゃ一番太いと思う」

 膨れたお腹を抱えて駅に向かった。夕方5時に川越駅前の店で3チームが合流することになっている。それまでコーヒーを飲みながら本を読む。

 それにしても電話がない。いつの間にか時間になった。待ち合わせの店に行くとオオカミさんたちも着いたところだった。

 ここから太ったオオカミさん、つかぽんさん、MAYさんチームに川越暴れ食いリポートをお願いする。どうぞ。

  
 埼玉県実食編(2) 巨食3兄弟がだんご4兄弟を食べまくり

 続いては、gyou1さん、椿さん、中野区方南から引っ越した加藤さんの3人に一芸クンが加わったチームに行田・熊谷リポート。

  
 埼玉県実食編(3) We can フライ! 時空を超える行田のたび

 そして、みんみん(♂)さん、三月うさぎさん、デスクの3人による所沢・秩父リポート。みんな食べすぎ。

  
 埼玉県実食編(4) 6Lとわらじ、どんだけデカいの?

 最後は、デスクのスタミナラーメン、スタカレーリポート。

  
 番外編 スタミナラーメンとスタカレー食べてみました(デスク)

 全部読むのに3日はかかる。

 今回は読者の皆さん8名に取材のご協力をいただきました。改めて感謝いたします。

 なお、ご参加いただいた皆様には、野瀬が精魂込めてサインさせていただいた「列島あちこち 食べるぞ! B級グルメ『みんなで埼玉県実食編』」参加証を、日経電子版特製クリアファイルに入れてお渡しいたしました。

 そうそう、次回は山形県です。お忘れなきように。


(特別編集委員 野瀬泰申)




埼玉県編(その1) いがまんじゅうは、いががですか〜

埼玉県編(その2) さぬきに負けるな! かてうどん

埼玉県編(その3) サツマイモ、うなぎの下からコンニチハ!

埼玉県編(その4) スタカレー、食べたことありまスタ?


 


●筆者(特別編集委員 野瀬泰申)へのお気軽メールはこちら(tabeb@nex.nikkei.co.jp

2012年5月25日

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