第90回 埼玉県実食編(4) 6Lとわらじ、どんだけデカいの?


 食べB「みんなで埼玉実食編」、所沢・秩父チームはみんみん(♂)さん、三月うさぎさん、そして僕・デスクの3人です。

安くて美味くて腹一杯

開店前から大行列
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開店前から大行列

 集合したのは西武鉄道の本拠地・所沢。埼玉県編だけでなく群馬県編でも検証されましたが、西東京から埼玉北西部へと広がる地域は広大なうどん地帯です。最近では武蔵野うどんが注目されていますが、このあたりのうどんの特徴は、汁うどんや味の濃いつゆにつけて食べるのではなく、つけ麺のように大きな丼に張ったつけ汁にうどんを浸して食べる「かてうどん」です。

 所沢はマップをつくるなどかてうどんによる観光振興に取り組んでいる町です。そこで三月うさぎさんの希望もあり、まず所沢でかてうどんを食べることにしました。

カレーつけめん
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カレーつけめん

 結構広い範囲にかてうどんのお店が分散する所沢ですが、その後秩父まで足を伸ばすことを考えると、所沢で長い時間を過ごすわけにはいきません。マップで所沢駅から最も近い場所にある「涼太郎」をターゲットにしました。

 はっきりいって駅から近いことだけで選んだお店なのですが、足を運んでみてびっくり仰天。開店前から店の前に行列ができていたのです。開店とほぼ同時に満席。店の前には行列ができていました。

 つけ汁を選び、さらにうどんの量も注文時に選択します。「L」で3玉という表記にちょっと腰が引けた3人ですが、お店の人に聞くと「LL」4玉が通常サイズなのだとか。ひと玉が結構小さいんですね。

ダブルつけめん
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ダブルつけめん

 つけ汁はカレーと肉汁が基本のようなので、カレーつけめんのLL、カレーと肉汁の両方を味わえるダブルつけめんのLL、そして肉汁をつけ汁にうどんの上に天ぷらと海苔がのるミックスつけめんを写真撮影用に8玉の6Lで注文しました。ちなみに、足りなかったら後から「替え玉」を注文することもできるそうです。

 実際に出てくると確かにLLで標準サイズという感じですね。とすると6Lは3人前か…。でかい。カレーをみんみん(♂)さん、ダブルを三月うさぎさん、ミックスは僕がそれぞれ主担当となり、3人で分担して食べました。

ミックスつけめん
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ミックスつけめん

 薬味が皿からあふれているのが魅力的でしょう? こぼれるほどの大盛りってやつですね。

 武蔵野うどんでは主流の肉汁。たしかにおいしいですね。肉の脂が浮いたつけ汁はかつお出しとは違ったうまみがあります。しっかり味のあるうどんなので、つけ汁も強い味の方が合うようです。

 気に入ったのはカレー。出しの効いたいわゆる「蕎麦屋のカレー」なのですが、これが実に美味い。タマネギがたっぷり入っていてその甘みが立っている一方、意外にスパイシー。これがしっかりとしたうどんによく合うのです。

絶妙の組み合わせ
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絶妙の組み合わせ

 肉汁用の天ぷらと海苔でしたが、これをカレー汁に入れるとこれがなかなかの相性。僕はカレーうどんに揚げ玉、たぬきを入れて食べるのが好きなんですが、まさにそのマッチングなのです。カレーとダブルはLLで700円、ミックスの6Lでも900円ですからかなりリーズナブルでした。

 さて所沢を後にして、特急ニューレッドアローに乗って一路秩父へ。向かった先はわらじとんかつの「安田屋」です。こちらも駅からの近さを最優先にしたお店の選択でしたが、秩父鉄道の踏切を渡ってお店に近づくと、そこにはお昼時を過ぎているにもかかわらず、またもやの行列が待っていたのでした。

意外に優しい味の「わらじかつ」(みんみん(♂)さん)

ふたが閉まらない(みんみんさん)
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ふたが閉まらない(みんみんさん)

 ふたが閉まりません。

「わらじかつ丼 2枚入り」。わらじの名に恥じぬ巨大なかつが、普通の大きさの丼を覆いつくし、さらにふたも持ち上げるようにして鎮座しています。

 丼なのですから、ごはんと一緒に食べるのが掟。しかし2枚のかつは巨大な漬物石、いや天岩戸のようにご飯にのしかかり、箸の侵攻を阻みます。そこで裏返して置いたふたに上のかつを乗せておき、下のカツとご飯を食べるのがこの店の“作法”です。

わらじかつ丼の”作法”
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わらじかつ丼の”作法”

 まあ作法というより、この方法以外に食べる方法がないためにおのずからそうせざるを得ない食べ方なのですが…。

 秩父に、わらじかつという巨大なかつがあるらしい。この話は何年も前から聞いていて、秩父を訪れる度に探そうとは思ったものの、意外に情報がなく、探すのが面倒だったために食べる機会がありませんでした。

 今回「みんなで埼玉県実食編」に加わり、このわらじかつ丼を食べるため「だけ」にわざわざ秩父までやってきました。西武秩父駅を降りたデスクと三月うさぎさんと3人で南に歩くこと10分ほど。

叩いてのばして柔らかに
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叩いてのばして柔らかに

 たどり着いたのは、蔦で覆われた歴史ある建物と10人近くの行列でした。

 30分近く待ったでしょうか。ようやく店内に入ってみると、そこには6人用のカウンター席と小上がりにこたつが2つ。初夏というのに、こたつ布団がしっかりかけられています。このキャパシティーなら並ぶはずです。

 かつは、注文を受けてから肉を叩いてのばし、衣をつけて揚げていきます。キツネ色をやや通り過ぎたころ合いで取り出して、そのままタレの中にに投入。味をしっかりしみこませて引き揚げ、したたるタレを丼のごはんにたっぷり垂らしてから盛り付けます。

独自調合と思われる七味唐辛子
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独自調合と思われる七味唐辛子

 三月うさぎさんは1枚乗せ。デスクと私は2枚乗せ。

 さすがデスクです。わずか2時間前に「かてうどん8玉入り」を食べたばかりというのに、体を張ってネタを作る姿勢にはただただ感動しました。

 まずかつを頬張ると、衣のサクッとした歯触りとともに甘いタレの味が口いっぱいに広がります。肉は非常に軽い口当たりで、一瞬鶏肉かと思ってしまうほど。その柔らかさは「まい泉」のかつサンドのようです。

 この甘いタレは何か。2人と議論になりました。

2枚目は味に変化を
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2枚目は味に変化を

 私はソースを出しで延ばしたものだと思いましたが、デスクは甘醤油。三月うさぎさんも醤油ベースではないか、とのこと。

 結論は出ませんでしたが、単純なソース味ではなく、かといって醤油のしょっぱさがあまりない複雑な味は意外にくどくなくて、いい相性でした。

 卓上のプラスチック瓶には山椒がすごく多めの独自調合と思われる七味唐辛子がありますので、2枚のうち後半の1枚を食べる時にはこれをかけると味に変化が出て飽きが来なくていいかもしれません。

秩父鉄道では旧国鉄101系電車が現役
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秩父鉄道では旧国鉄101系電車が現役

 なお、かつのすさまじいボリュームに比べると、ご飯の盛りは控えめ。これも意外にペロッと行けた理由でしょう。

デスク かつの量を考えると、もう少しご飯があったほうがバランスがいいかもしれませんね。ただし、すきっ腹の場合に限りますけど。

「わらじかつ丼」以外にメニューがない店ですが、この意外に軽いサクサク感の巨大かつを味わいにわざわざ秩父まで来るまではないにしても、機会があったらちょっと足を伸ばして挑戦してみるにはとてもいいと思います。

手が出なかったみそポテト

仲見世通りには特盛りわらじ(左)とメガわらじも
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仲見世通りには特盛りわらじ(左)とメガわらじも

 わらじとんかつを食べ終えたら、再び西武秩父駅へ。行田や川越と違い、秩父はかなり山奥です。急いで帰らないと川越の集合時間に間に合いません。秩父出身という中野区方南から引っ越した加藤さんから秩父そばの名店やら地元で人気の洋食屋さんやら教えていただいていたのですが、そんな余裕は僕らの胃袋にはありませんでした。

 うどんが14玉、わらじとんかつが5枚、丼飯3杯。それぞれ配分こそ違うものの、朝から3人の胃袋にはすでにそれだけの食べ物が詰め込まれていたのです。

みそポテト
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みそポテト

 西武秩父駅と秩父鉄道御花畑駅を結ぶ仲見世通りで土産物を買うのが精一杯です。それでも秩父で最近売り出し中のご当地グルメ、みそポテトだけは帰りの特急の中でもつまめるだろうと仲見世通りの屋台で購入しました。

 ジャガイモのフリッターに甘味噌をかけた秩父ならではのメニューです。埼玉県編の時にも話題になりましたが、秩父は関東では珍しい甘い麦味噌を食べる地域です。わらじとんかつの甘さもみそポテトの甘さもどこか麦味噌に共通する部分があるように思いました。

 で、油で揚げた甘い味噌ポテトは、結局誰もひと口も食べずに終わってしまいました。

川越で東松山やきとり

東松山やきとり
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東松山やきとり

 3方面に分かれて埼玉の味を堪能した「みんなで埼玉県実食部隊」は夕刻、最終目的地の川越に集結しました。川越ご当地の味は「川越部隊」がすでに堪能しているはずなので、最後の乾杯は東松山やきとりのお店です。

 東松山のやきとりは、久留米や室蘭、今治など全国のやきとりシティーと同様、鶏肉ではなく豚のやきとりです。東松山は豚のカシラ肉、顔の部分の肉を串刺しにして焼き、コチュジャンをつけて食べるのが特徴です。

 同じ豚肉のやきとりでも久留米はバラ肉、間にはさむのはタマネギ、味付けは塩味ですが、東松山はカシラ肉、長ネギ、コチュジャンとそれぞれ特徴が違います。おもしろいですよね。

川越の芋ようかん
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川越の芋ようかん

 東松山やきとりを中心にサラダから鍋まで、いろいろと出してもらったのですが、各方面部隊とも極端に箸が進んでませんでしたよね。各部隊のリポートを読みいただければ分かる通り、それぞれ「実食」に「奮闘」していたんですよね。

 最後、デザートに川越の芋ようかんが出たのですが、みんなちょっと味見だけして、gyou1さんが山のようにしてお土産に持って帰られました。

 その後有志が池袋でもう1軒。埼玉県ご当地グルメ談義に花が咲いたのでした。

右が三月うさぎさん仕様
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右が三月うさぎさん仕様

三月うさぎさん かてうどん、比較的小食な私でも「LL」4玉、問題なく食べられました。後にわらじかつ丼が控えていなければ替え玉を頼んでも大丈夫だったと思います。次に行く機会があったら、ダブルつけめんにオプションで海苔をトッピングしようと思います。デスクのミックスつけめんの麺を分けてもらって、カレーと海苔の組み合せの絶妙さにびっくりしました。

 わらじかつ丼、脂身のない肉でさくさく揚がっていて甘じょっぱいたれとの組み合わせが美味しかった。けれど、私の胃の中にはかてうどんがどーんと残っていたのでご飯はほとんど食べられませんでした。みんみん(♂)さんとデスクがご飯まで完食したのはえらいというかすごいというか…。

  
 埼玉県実食編(1) 「ごちゃき1.5玉」に平伏する

  
 埼玉県実食編(2) 巨食3兄弟がだんご4兄弟を食べまくり

  
 埼玉県実食編(3) We can フライ! 時空を超える行田のたび

  
 埼玉県実食編(4) 6Lとわらじ、どんだけデカいの?

  
 番外編 スタミナラーメンとスタカレー食べてみました(デスク)



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埼玉県編(その2) さぬきに負けるな! かてうどん

埼玉県編(その3) サツマイモ、うなぎの下からコンニチハ!

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