第20回 高知県(最終回) シンガポールで鍋焼きラーメン

高知県のアンテナショップ「まるごと高知」が21日、銀座1丁目にオープン
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高知県のアンテナショップ「まるごと高知」が21日、銀座1丁目にオープン

 全国の皆さん、お暑うございます。

 ついに東京都練馬区まで亜熱帯に分類されてもおかしくないような気温を記録した。私も自宅から駅に向かう途中、スーパー2店、コンビニ1店、書店1店に駆け込んで体温を下げながら通勤している。おかげでなかなか会社に行き着かない。

 そんな中で高知県編が最終回を迎えた。(「食べBって何?」という方は食べB入門編をご覧下さい

 「南国土佐」と言えばエキゾチックではあるが、真夏の南国はさぞ暑いことであろう。

 ところで8月21日に高知県のアンテナショップ「まるごと高知」が銀座1丁目にオープンする。それに先だってマスコミ向けの内覧会に行ってきたので、後で紹介しよう

 私としては18蔵の地酒が飲めるレストランが何より魅力であるが、場所は有楽町駅のそばなので、のぞいてみてはいかが。ぼうしパンもあるがぜよ。


 では本編に突入。暑いのでサクサク行く。


天ぷら、すまき、オランダ天、鯨カレー、芋けんぴ、お遍路さんコーナー(ミルフォードさん提供)
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天ぷら、すまき、オランダ天、鯨カレー、芋けんぴ、お遍路さんコーナー(ミルフォードさん提供)

MNo.(メールナンバー)29

 高知の練り物にも注目です。海沿いのスーパーをのぞくと、練り物売場にはドーンと「天ぷら」が。こちらも「天ぷら」地帯のようですね。
 「すまき」「オランダ天」など、注目すべきアイテムも続々と目に飛び込んできます。何軒か回ると、あっという間に時間が過ぎていく。
 安芸市あたりの名産「芋けんぴ」、碁石茶、鯨など、高知ゆかりの食材の変化球(?)写真も合わせて送ります。
 おまけは、高知空港のお遍路さんコーナーの写真です。お遍路さんへの気くばり、あちこちで目にしました(ミルフォードさん)


ゆで卵が入った練り物の看板(上)。hrkさん提供の実物写真
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ゆで卵が入った練り物の看板(上)。hrkさん提供の実物写真

 そうなのである。高知の練り物には実に見るべきものがある。

 私がまず目を見張ったのはゆで卵が入った練り物である。高知に特徴的な食べ物ではないだろうか。ほかにはないという意味ではなく、ごく当たり前に卵を練り物で包む文化は珍しい。

 高知のデパ地下でそれを見たとき、思わず買おうと思った。しかし旅の途中でもあり、賞味期限の関係もあって断念した。空港にいったらこんな看板があったので撮影しておいた。

 皆さんのところに、似た練り物はありますか?


 「碁石茶」は高知県大豊町に伝わる発酵茶。製法は中国のプーアール茶に似ている。繁華街で、たまたま碁石茶の宣伝をやっているグループに遭遇し、サンプルをもらった。これがその写真。買うと高いらしい。


碁石茶のサンプル
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碁石茶のサンプル

 高知県編で大々的に出てくるかなと思っていたのにちょろっとしか出てこなかったのが、路上販売のアイスクリン。「食べ物 新日本奇行」のどこかにも登場した「1×1=1アイスクリン」である。「いちかけるいちのアイスクリン」と読む。

 数式は「伝統一番、味一番、信用一番」の意味らしいが、1度見たら忘れない絶妙のネーミングである。

 私は高知駅前のイベント会場で遭遇し、もっともオーソドックスなアイスクリンを食べた。氷菓の中でも非常に軽い食感と味であった。

昼も夜もアイスクリン
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昼も夜もアイスクリン

 高知城でも夜の街角でもノーブランドのアイスクリンを売っていた。パラソルに旗、アイスボックス、パイプ椅子の組み合わせ。高知ではいろいろな場所で路上アイスクリンを見かける。

 高知県実食編では桂浜辺りでぜひもう一度食べてみたいものである。皆さんも高知に行かれたら旅の思い出にアイスクリンはいかが。


 この原稿を書いていたらアミー隊員から緊急メールが入った。シンガポールから至急報が届いたというのである。このメールと写真をどうぞ。


アミー隊員 ふぅー、間に合った。


四国フェアにて日本酒を試飲(シンガポール在住、星のあいすさん提供)
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四国フェアにて日本酒を試飲(シンガポール在住、星のあいすさん提供)

MNo.30

 当地での四国フェアは大盛況のうちに(8月1日に)終了しました。当地というか、このスーパーでの「日本フェア」の特徴は「試食、試飲が豊富なこと」です。売っているものはほとんど全て試食可能です。という訳で、初めて「魚コロッケ」を食べました。
 高知の「鍋焼きラーメン」も直径5センチ、深さ3センチくらいの発泡スチロール小丼でいただきました。
 濃厚味噌ラーメン、豚骨ラーメンもあり、こちらもいただきました。高知サニーマートというお店でした。シンガポールは今「日本の」ラーメンブームなので、飛ぶように売れていました。「ブーム」はほんとです。毎日のように新しい「日本の」ラーメン屋さんがお店を開いています。
 「日本フェア」で、私が(いつも)一番楽しみにしているのは「試飲」コーナーです。今回は高知から司牡丹さん、愛媛から山丹正宗さん、香川から川鶴酒造さんが参加して20ドルくらいのお手ごろ品から200ドルちかい高級酒まで、いろいろ試させてくれました。200ドル近いお酒も試飲させてくれるんですよ〜。これは嬉しいです〜。
 試飲には出来るだけ相方と一緒に行きます。酒造会社の人には、外国人の方がウケ度合が高いのです(=勧めたがる)。相方は見るからに外国人で、でも日本人(私)と組なので日本の酒造会社から派遣されて来た人は安心して私にたくさん説明して、2人に酒を勧めてくれます。相方も酒好きなので、一挙両得(!)です。
 写真は司牡丹さんのカウンターです。幟が反対向きだなぁ〜と思いましたが、上下逆さよりは良いか。私たちに試飲させてくれたのはシンガポーリアンのお姉さんでした。
 前の日に「船中八策が超有名になったけど、うちの看板は司牡丹」とチカラを込めて飲ませてくれた日本人のお兄さんは残念ながら、この日はいませんでした。司牡丹はラベルがとっても奇麗ですね。たくさん飲んで(1合は飲んだと思います)、幸せでした。
 シンガポーリアン(特に中国系女性)はあまりお酒を飲みませんが、おじさん(おじいさん?)が飲みたかったようで、一緒に飲んでました。
 「日本酒って強いな〜!」と眼を回していたので「生産地では1升瓶から口飲みするらしいよ」と蘊蓄(うんちく)を披露したところ、信じられないという顔をしていました。次のフェアが楽しみです(シンガポール在住、星のあいすさん)


須崎の鍋焼きラーメン。鶏肉、ちくわ、卵、たくわん
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須崎の鍋焼きラーメン。鶏肉、ちくわ、卵、たくわん

 チラシでシンガポールにおける四国フェアの予告をしてくださった星のあいすさんから現場リポートであった。というか日本酒のタダのみ報告であった。

 タダは国境を越えて嬉しいものなのである。

 それにしても、須崎の鍋焼きラーメンがシンガポールまで進出しているとは驚きである。

 さらに日本のラーメンがシンガポールでブームというのもわかる気がしないでもないが、やはり驚きである。

 中国からの観光客へのアンケートでは「日本の日常の食べ物」が来日目的の上位を占め、ラーメンは寿司の次に興味がある食べ物だという。

 これから中国人観光客が増えれば、寿司、ラーメンといった代表選手だけではなく焼き鳥や焼きそばなどの方面にも興味の幅を広げてくるかもしれない。


 ではこの後はアトランダムに。


すまき(左)、コーヤ
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すまき(左)、コーヤ

MNo.31

 高知県ではイタドリがそんなにメジャーな山菜だったとは! 子どものころ住んでいた香川でも食べたことはありますよ。生のまま皮をむいて塩をかけて食べたら、かなり酸っぱかった。でもイタドリが食卓に上ることはありませんでしたねぇ。
 気候の違いなのか、群生しているのをあまり見たことがないので、香川でもたくさん採れる地域があれば、おかずになってるかも?(グラナダおば(あ)さん)


「まるごと高知」のレストランメニューに「イタドリのきんぴら」
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「まるごと高知」のレストランメニューに「イタドリのきんぴら」

 私はイタドリというかスカンポを食べたことがない。通年で食べられるものなのであろうか。ならば1度挑戦してみてみようと言うべきところなんだろうな。

 高知県のアンテナショップ内にオープンするレストラン「おきゃく」のメニューにもイタドリがある。

 「おきゃく」というのは高知スタイルの宴会のこと。


左上から時計回りでウツボのたたき、ちちこ(かつおの心臓)、ひめいち、ニロギの唐揚げ(ミルフォードさん提供)
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左上から時計回りでウツボのたたき、ちちこ(かつおの心臓)、ひめいち、ニロギの唐揚げ(ミルフォードさん提供)

MNo.32

 南マグロの幼魚が「しんまい」。しんまいはひと月もしないうちに大きくなって「よこ」になってしまいます。
 しんまいが短い季節しか食べられないのはおおきくなって、ヨコになってしまうからです(近森さん)


 「よこ」というのが関西の「よこわ」のことなら、ひょっとしてクロマグロ? どっちにしろ「しんまい」はもっと若いマグロということになる。メジカの新子ともども、水揚げ地が近くないと食べられない海の幸である。

 これはやはり日本酒でしょうね、常温か冷やで。つばごっくん。


高知名物いろいろ。左上から時計回りで土佐ジロー、「流れ子」(ミルフォードさん提供)。すまき(hrkさん提供)、ゆずクッキー(いけずな京女さん提供)
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高知名物いろいろ。左上から時計回りで土佐ジロー、「流れ子」(ミルフォードさん提供)。すまき(hrkさん提供)、ゆずクッキー(いけずな京女さん提供)

MNo.33

 「須崎の鍋焼ラーメンの由来」を読んで、土佐弁と富山弁にかなりの共通部分があるのに驚きました。「○○ながよ」「○○んだがが」「○○ながやろう」はもろ富山弁だ「ちゃ」。この「ちゃ」という接尾語は土佐弁では「ちや」になるようですね。何かつながりがあったんでしょうか? 
 本題は「文旦飴」です。江戸時代?のような「ちょんまげ」「ふんどし」姿の男性が描かれた箱に入っていた、かなり柔らかい飴のような餅のようなものだったと記憶しています。随分長く口にしていませんが、土佐名物なんでしょうか。無性に食べたくなってきました。昭和レトロの駄菓子屋さんに行けば置いてありますかね(煮豆ライスさん)


 文旦飴はボンタンアメと発音する。鹿児島市のセイカ食品の商品である。ちょんまげ、ふんどしは姉妹商品の「兵六餅」の方。「食べ物 新日本奇行」のアーカイブの中から「飴その2」を参照されたい。


お店での正式名称は「緑茶メロン」(北九州市在住のチィさん提供)
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お店での正式名称は「緑茶メロン」(北九州市在住のチィさん提供)

MNo.34

 近所に最近開店したパン屋さんで、帽子パンを見つけたので画像を送ります。帽子パンにはあまり興味がなかったのですが、店頭で見かけた可愛さにノックアウト。
 お店での正式名称は「緑茶メロン」です。緑茶風味のクッキー生地を、ふわふわの白パンにのせていて、メロンパンにカテゴライズされています。画像を見ていただけたらわかると思いますが、これは帽子パンでしょう。まるで、ベレー帽を被った芸術家みたい。
 白パンの柔らかさとクッキー生地の組み合わせは食べていて楽しく、アンパンマンのような物語も思い浮かびます。ホンモノの帽子パンを食べたことがないので、いつか高知に遠征して食べてみたいです。
 ところで、ミレービスケットが紹介されていたのには、感動しました。雑誌で見て、キュートで素朴なパッケージから安心感のある味わいを想像して、とても食べてみたいと思っていたのです。
 こちらも高知遠征の際には、絶対に入手したい一品です(北九州市在住のチィさん)


「帽子パン」といってもイロイロです(左から提供者はミルフォードさん、松山の坂本さん、A-changさん、夢多きおやじさん)

「帽子パン」といってもイロイロです(左から提供者はミルフォードさん、松山の坂本さん、A-changさん、夢多きおやじさん)


 ようやく書きたいことを書く機会がやってきた。チィさんが発見された帽子パンは帽子パンではなく、店の表示通りメロンパンの1種であろう。

 ここで遠回りになるがメロンパンとサンライズの話を少し書く。鳥取県編で全国的にメロンパンと呼ばれているものが場所によってサンライズと呼ばれていることに触れた。同じパンに2種類の名前があるのである。

茗荷(いけずな京女さん提供)
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茗荷(いけずな京女さん提供)

 そしてサンライズが存在する地域の多くに別のメロンパンがある。そのメロンパンというのはラグビーボールを半分に切ったような楕円形をしていて、中に白あんとかクリームが入っている。

 さて高知の帽子パンであるが、その誕生説の中に「サンライズをつくろうとして失敗してできたもの」というのがある。私には検証の材料がないが、チィさんから送られてきた写真を見ると「メロンパンを作ろうとして失敗した」結果、このような帽子状のパンができたとも思えるではないか。

 失敗という言葉が不適当なら、意図した形ではないが面白いパンができたと言い換えても良い。

 何かの結論に至る話ではないが、じっと見ていると様々な想像を呼び起こす写真である。


「茗荷ご飯」( いけずな京女さん提供)
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「茗荷ご飯」( いけずな京女さん提供)

MNo.35

 高知県の特産品のひとつに「茗荷(みょうが)」がありますね。産地の「JA土佐くろしお」では“茗荷を食べると物忘れする”という迷信を逆手にとり「忘れたいこと川柳」を募集するキャンペーンを継続中です。
 野瀬さんは、忘れてしまいたいくらい恥ずかしい経験はありませんか? 私は都合の悪いことはすぐに忘れてしまうジコチュウな能なので、茗荷を食べる必要はないのですが。
 さて当然、ご当地では日常的に茗荷をさまざまなお料理で食べておられます。生産者の方に教えていただいた「茗荷ご飯」を作ってみました。
 かしわ(鶏肉)を出しにして炊いた炊き込みご飯に、刻んだ茗荷をどっさり混ぜ込みます。ちょっとピリッと刺激があって、さっぱりしてて、暑さで食欲のないときでも食べやすいですよ。どうぞお試しください( いけずな京女さん)


高知の伝統料理「皿鉢料理」(高知県東京事務所提供)
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高知の伝統料理「皿鉢料理」(高知県東京事務所提供)

 忘れてしまいたいことより、目下の課題は「忘れてはいけないことをいかに覚えているか」である。同期と飲むと「ほれ、あのなんて名前だったか、○○部にいるあいつ」「おおおお、あいつね、あいつ。名前は……えーっと、おおあいつがどうした」などという会話は当たり前である。ミョウガの食い過ぎ?

 近所のスーパーを回ってみたところ、パック詰めのミョウガはすべて高知県産であった。スーパーの仕入れ担当者も高知以外の産地から仕入れることをすっかり忘れているものと思われる。


 このように高知県編も無事終了した。皆さんのご協力に感謝。


 高知の次のテーマは福島県。ご関係の方はお国自慢をよろしく。


 吉例により「野瀬に食べさせたい高知の食べ物」VOTEをする。

(VOTEは終了しました。皆様ご協力ありがとうございました)


 では次回は千葉県実食編。一芸クンの肉食系男子への道は涙さえ誘う。「食後のイノシシ丼」は壮絶であった。


 最後に高知県アンテナショップ探訪記はこちらから


(特別編集委員 野瀬泰申)



 


●筆者(特別編集委員 野瀬泰申)へのお気軽メールはこちら(tabeb@nex.nikkei.co.jp

2010年8月20日


■高知B級グルメ
その1 ウツボもかぶるぼうし(帽子)パン
その2 高知なのにリュウキュウの謎
その3 会いたかったぜ、マダムロゼ
最終回 シンガポールで鍋焼きラーメン行ってきました! 「まるごと高知」
実食編 いきなりマヨネーズラーメン


■入門編:「食べBって何?」という方はこちらからご覧下さい
■実食編:<映像リポート>はこちら
料理・素材名から探す(インデックス)ページはこちら

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