新春番外編 日本全国お雑煮図鑑2012(中部・近畿・中国編)


  • 新潟県(白倉さん)

    新潟のお雑煮(白倉さん提供)
    <写真を拡大>

    新潟のお雑煮(白倉さん提供)

     出しは煮干しとかつお節で、醤油と酒、塩で味付けします。餅は角餅で、家族3人は焼いたものですが、私は固めに煮た餅を雑煮に入れて良い感じにです。お雑煮の餅は、1個です。

     具は大根、ニンジン、ごぼう、生シイタケ、こんにゃく、かまぼこ、油揚げ、焼き豆腐、ほうれん草、鶏肉、塩引き鮭、最後にいくらを少しのせます。

     ついでにのっぺも。サトイモ、ニンジン、レンコン、タケノコ、生シイタケ、干しシイタケ、こんにゃく、銀杏、貝柱、かまぼこ、イクラ、塩引き鮭、我が家は入れませんが、くわいやゆり根も入れるのかな? シイタケのもどし汁、みりん、塩、酒、醤油で味付けします。

    のっぺ(白倉さん提供)
    <写真を拡大>

    のっぺ(白倉さん提供)

     実は、村上の塩引き鮭を正月料理に使うが私の目標で、村上まで買い物に行くはずが…。予定が狂いあきらめていたら、三越で村上の塩引きを安く購入できて、嬉しいあまり頭などたくさん使ってしまい、雑煮に入れる醤油が塩との対比に負けてしまいました。

     しかし、村上の塩引き鮭は良かった! 年末年始は、冬山に行く父さんも恒例の燻製に鮭の燻製にも挑戦し、良い感じにでき上がりました。

  • 石川県/能美郡(YKヒルビリーさん)

    石川県能美郡のお雑煮(YKヒルビリーさん提供)
    <写真を拡大>

    石川県能美郡のお雑煮(YKヒルビリーさん提供)

     出しは煮干しとスルメイカ、醤油、みりん、酒で味付けします。餅は丸餅を焼き、具は出しに使った煮干しとスルメイカです。

     石川県の「能美郡」だった地域(現在の能美郡、小松市、能美市)で見受けられるスタイルです。金沢あたりだと餅のみ、能美郡に隣接する「江沼郡」だった地域(現在の加賀市)では場所によってはかつお節を具なしのモチのみの澄まし汁にかける場合があります。その場合、出しのジャコは食べません。

     基本的に具がないのが石川県加賀地方です。他の地域の人に言うと驚かれます。きっとそこで金をケチって立派な家や仏壇を建てるためだと冗談で言いますが、年代や場所によってはそれは冗談にはなりません。

  • 福井県小浜市(小浜市役所の山口さん)

    福井県小浜市のお雑煮(山口さん提供)
    <写真を拡大>

    福井県小浜市のお雑煮(山口さん提供)

     山口家伝来のお雑煮の特徴です。出しは煮干し、味付けは味噌仕立て(合わせ味噌)です。餅は丸餅をそのまま入れ、具は何も入れない(おせちが副食となるため)。

     山口家伝来のお雑煮とは別に、黒砂糖をのせたお雑煮の写真も一緒に入れました。

     実は平成17年2月に、文化庁が選定したお雑煮100選に、黒砂糖入りのお雑煮が選ばれました。

     我が家では黒砂糖(白砂糖もあり)は入れませんが、小浜市内の一部地域では、昔からこの食べ方をしているとのことです。

    黒砂糖入りのお雑煮(山口さん提供)
    <写真を拡大>

    黒砂糖入りのお雑煮(山口さん提供)

    デスク 今回いただいた写真の中でもっともシンプルだったのがこの小浜のお雑煮です。御食国(みけつくに)若狭小浜は古くから食に恵まれていることで知られた土地柄です。どれだけおせち料理が豊かなのか、逆にそっちに興味津々です。

     YKヒルビリーさんの情報と合わせて考えると、北陸地方にはお雑煮に具を入れない文化が根付いているようですね。

  • 静岡県/富士宮市(宮サン)

    富士宮のお雑煮(宮サン提供)
    <写真を拡大>

    富士宮のお雑煮(宮サン提供)

     出しは混合節(サバ、アジなど)、干しシイタケ。イワシの削り節、かつお節などもあり。味付けは濃口醤油です。

     餅の形は四角。杵でついた餅をモロ箱に入れてから切るので四角になります。

     餅はそのまま。もち粉も餅と一緒に入るので汁にトロみが出るので汁は小分けにして使いきります。

     具はサトイモ、大根、ニンジン、白菜、かまぼこ、水菜、シイタケ。食べるときにイワシの削り節をパラりとトッピングします。イワシの削り節は静岡市蒲原・由比地区を発祥に富士地区ではどこでも入手可能です。昔はかつお節より安価だったので普段使いにしていました。イワシの削り節はかつお節より削り目が小さいので粉末状態は富士宮やきそば、静岡おでんなどに使用されています。

  • 愛知県/瀬戸市(川本さん)

    尾張のお雑煮(川本さん提供)
    <写真を拡大>

    尾張のお雑煮(川本さん提供)

     出しはかつお、サバ、ムロアジなどの混合で、味付けは溜り醤油。餅は四角で、そのまま煮込みます。具はもち菜(正月菜=愛知伝統野菜・小松菜の仲間)のみで、トッピングに花かつおをかけます。

     尾張藩の武家のしきたりで『名(菜)を持ち(餅)上げる』のげん担ぎ。質素倹約を良しとした尾張徳川家の家風からだともいわれています。明治以後 庶民も大半はこのスタイルを真似たといわれています。

  • 愛知県/東三河(名古屋のす〜さん)

    東三河のお雑煮(名古屋のす〜さん提供)
    <写真を拡大>

    東三河のお雑煮(名古屋のす〜さん提供)

     愛知県、正確に言うと東三河(奥三河?)のお雑煮です。

     かつお出しの醤油味、角餅を煮たもので、具は水菜が標準。イレギュラーで小さな里芋入っていました。

     通常、他の家では、もち菜の名前で売っている小松菜を入れていると思われます。

     しかし、我が実家では子供のころからずっと水菜です。里芋は地元の伝統野菜、八名丸と思いたいですが、違うんだろうな。でも、両方ともに家の畑でできたものと思われます。

     そして、食べる前には上から花かつおをかけます。これは、にかけうどん、きしめんと同様です。

     この場合は、青物にほうれん草とカマボコかな。とにかく、シンプルですが、僕はこれがいちばん好きです。

  • 愛知県/(亡命)名古屋風(亡命名古屋人さん)

    名古屋風のお雑煮(亡命名古屋人さん提供)
    <写真を拡大>

    名古屋風のお雑煮(亡命名古屋人さん提供)

     千葉県北西部に住まって、すでに四半世紀を過ぎていますが、自宅の雑煮は敢えて名古屋風で。良く言えば「質実剛健」、悪く言うなら「これ以上手の抜きようのない」代物です。

     出しは、かつお節。味付けは、薄口醤油のすまし汁仕立て。角餅を思いっきり煮込むのがお袋の味です。ここだけは私好みで、形が崩れない程度に湯通ししてあります。

    「角餅」「煮込む」という点で、東西いずれにも与しない心意気です(嘘)。

     具は、本来中京地域で年末に出回る「餅菜」と称する野沢菜に似たカブラ菜の類が、ほろ苦くて餅と相性がよろしいと思うのですが、関東では手に入らないので「小松菜」。極めてお上品な味わいです。その他の物は「一切」入れません!

  • 京都府/京都市(いけずな京女さん)

    京都のお雑煮(いけずな京女さん提供)
    <写真を拡大>

    京都のお雑煮(いけずな京女さん提供)

     京都のお雑煮です。もちろん各家庭で微妙に違いますのでこれがスタンダードではありませんが。

     出しは昆布で、味付けは白味噌。丸餅を焼かずに湯通し。具は京ニンジンと雑煮大根(直径2〜3センチ、長さ10センチほどのミニ大根)。

     なお、男性のいる家庭では「頭芋(かしらいも)」という大きなサトイモの一種を入れるのが習わしです。一家の長と長男がこれを食べ「人の頭になれるよう」に縁起を担ぐのです。

  • 京都モドキ風(みなみ@神奈川さん)

    京都モドキ風雑煮(みなみ@神奈川さん)
    <写真を拡大>

    京都モドキ風雑煮(みなみ@神奈川さん)

     作ってから時間がたって具が沈んでしまい、シチューみたいになりましたが、ウチの雑煮の写真を送ります。

     ウチは北海道生まれで、石炭がアジャパーになるとともに神奈川に移住したクチです。なので普通なら雑煮は、澄まし汁か醤油系になると思うのですが、なぜか昆布出しに白味噌仕立てです。母親が茶道をやっており、どうもその関係で京都風に走ったようです。

     具は麩、大根、金時ニンジン、三つ葉、鶏肉が入ります。

    お雑煮用ニンジン(ちりとてちんさん提供)
    <写真を拡大>

    お雑煮用ニンジン(ちりとてちんさん提供)

     で、餅は四角が多いですが、その時に目に付いたものを使うということで、丸になることもあります。これを焼くか煮るかは個人の好みで、家族の中でもバラバラです。

     ちなみに私の配偶者は「トコロテンは酢醤油が当然、黒蜜なんて信じられない」な横浜生まれの横浜育ちで、この雑煮も謎の物件のようです。京都出身の知り合いによると「白味噌の雑煮に鶏肉は聞いたこともない」とのことなので、ウチのは「京都の」ではなく「京都モドキ」が正解のようです。

  • 大阪府/岸和田市(ちりとてちんさん)

    お雑煮用大根(ちりとてちんさん提供)
    <写真を拡大>

    お雑煮用大根(ちりとてちんさん提供)

     具の写真を仕入れましたので、とりあえずお送りします。

     ちなみに、うちの実家のお雑煮は出しがシマヤだし。味付けは白味噌で、母の目分量。餅の形は丸餅。焼かずにそのまま味噌汁に突っ込みます。具は梅の花に型抜きした大根とニンジン。上に三つ葉。

     夫の実家は、出しがかつおと昆布。味付けは醤油。餅は丸餅を焼く。具は大根、ニンジン、鶏肉、三つ葉。

     白味噌とお餅が苦手で、おせち料理も冷たくて、食べなれてない味のものばかりだったので、お正月は苦痛でした。

  • 大阪府/大阪市(豊下製菓の豊下さん)

    白味噌雑煮(豊下製菓の豊下さん提供)
    <写真を拡大>

    白味噌雑煮(豊下製菓の豊下さん提供)

     元旦は、天地創造を現した白味噌雑煮。出しは昆布。味付けは白味噌(辛口の白味噌にみりんで甘味を調整)。餅は丸餅を湯通し。具は焼き豆腐、小芋、雑煮大根(大阪四十日大根)。

    焼き餅と水菜の醤油澄まし雑煮(豊下製菓の豊下さん提供)
    <写真を拡大>

    焼き餅と水菜の醤油澄まし雑煮(豊下製菓の豊下さん提供)

     2日は、青菜不足を補う、焼き餅と水菜の醤油澄まし雑煮。出しは昆布(かつお節と昆布のあわせ出しが標準ですが、我が家では仏壇に供える関係で精進出しです)。味付けは醤油(濃口を使います、薄口ではありません)。餅は丸餅を焼く。具は水菜。

  • 兵庫県/北部(なんちゃってプログラマ4年目さん)

    兵庫県但馬地方のお雑煮(なんちゃってプログラマ4年目さん提供)
    <写真を拡大>

    兵庫県但馬地方のお雑煮(なんちゃってプログラマ4年目さん提供)

     我が家(兵庫県北部・但馬地方)のお雑煮は、出しはかつお、淡口醤油で味付けします。

     丸餅です。毎年家で作っているお餅です。白餅、よもぎ餅、栃餅の3種類から選びます。お雑煮には入れませんが、自家製あんこを入れた餅、黒豆餅、青海苔、胡麻入りのお餅も作ります。餅花もこのお餅で作ります。

     お餅はレンジでチン、です。お餅だけ食べるときも結構レンジでチン、です。時々石油ストーブで焼く、かな。もちろん焼いた方がおいしいですけど。

     具はなし。かつお節かけるのみ。餅だけを味わいます。

     三が日毎朝食がこのお雑煮とお節です。お餅好きな私にはお正月は夢のような日々です。次のお正月まで1年間ずっとお餅でもいい。胸やけなんていたしません。増量は順調に進んでいきます…。

  • 関西風(広島在住で関西風を頑固に守っているサキチャンさん)

    純粋な関西風だと思っているのですが…(サキちゃんさん提供)
    <写真を拡大>

    純粋な関西風だと思っているのですが…(サキちゃんさん提供)

     出しはかつお節、味付けは白味噌。餅は丸餅を焼く。具は大根、ニンジン、小芋、紅白かまぼこ、水菜、焼き豆腐。

     元住んでいた大阪では、雑煮大根というニンジンよりちょっと太めの大根が売られておりましたが、広島では売っておりません。水菜も大阪のものと違い非常に硬くてちょっと厳しい感じです。

     純粋な関西風だと思っているのですが…。

  • 鳥取県/東部沿岸部(鳥取とうふちくわ総研の河下さん)

    鳥取県のお雑煮(河下さん提供)
    <写真を拡大>

    鳥取県のお雑煮(河下さん提供)

     出しはなし。ぜんざい。丸餅を焼く。具は小豆のみ。

     鳥取県沿岸部のほとんどは上記のように正月の雑煮はぜんざいです。

    デスク 東京もんにはなかり衝撃的なお雑煮です。お正月といえばおとそがつき物ですよね? 酒飲みながらぜんざいを食べるんでしょうか? 血糖値、急上昇?

  • 岡山県/美作市南部(ぼんすけさん)

    岡山県美作市南部のお雑煮(ぼんすけさん提供)
    <写真を拡大>

    岡山県美作市南部のお雑煮(ぼんすけさん提供)

     出しはかつおとスルメイカ、醤油で味付けします。丸餅を湯通し。具はセリ、ネギ、春菊、ほうれん草に出しのスルメイカ。食べるときにかつお節をどっさりとかけます。疲れた胃にはやさしいお雑煮です。

     福岡人の私には衝撃のお雑煮です。具が、ダシをとったあとのスルメときざんだ緑の葉っぱしかない。具だくさんな雑煮しか知らない私は、到底理解できませんが、今では慣れました。

    デスク 東京もんにも衝撃的です。表面がまっさお!

  • 岡山県/真庭市(津山ホルモンうどん研究会沼さん)

    岡山県真庭市のお雑煮(津山ホルモンうどん研究会沼さん提供)
    <写真を拡大>

    岡山県真庭市のお雑煮(津山ホルモンうどん研究会沼さん提供)

     私の実家、真庭市(旧落合町)の雑煮です。

     汁はスルメ出しの味噌仕立て、餅は丸餅です。具は塩ブリ、ほうれん草、スルメ(だしを取った後のもの)、かまぼこ、かつお節。このような豪華な内容となっております。

    デスク 真庭市、B−1グランプリでひるぜん焼そば好いとん会がゴールドグランプリを獲得し、一挙に知名度が上がりましたね。ブリの切り身がどーんと1枚のって、これはゴーカ!

  • 岡山県/津山市(津山ホルモンうどん研究会河原さん)

    岡山県津山市のお雑煮(津山ホルモンうどん研究会河原さん提供)
    <写真を拡大>

    岡山県津山市のお雑煮(津山ホルモンうどん研究会河原さん提供)

     続いては、津山市内の雑煮をご紹介します。

     汁はスルメ出しのすまし仕立て(ちょっと濃い目)でゆずの皮を少し入れてます。 餅は丸餅。この日は餅つきで、つきたての餅を入れて食べました。具は出しに使ったスルメ、ほうれん草、かつお節です。

     美咲町(たまごかけごはんの町、私の実家)を含め、津山市の雑煮はこんな感じです。ただ、津山ホルモンうどん研究会にホルモンを提供してもらっているマルサ食品の家の雑煮は牛肉が入っており、一部では独特の雑煮も見受けられます。

     また、真庭市になると味噌仕立てになるようですね。

    》続く

     》日本全国お雑煮図鑑(北海道・東北・関東編)

     》日本全国お雑煮図鑑(四国・九州編)

     》日本全国お雑煮図鑑(写真一覧)


    ●本編の筆者(特別編集委員 野瀬泰申)へのお気軽メールはこちら(tabeb@nex.nikkei.co.jp


    ・メールによる投稿の内容は日本経済新聞社の紙面、電子媒体、その他の出版物に、投稿者に断りなしに転載・引用することがあります。
    ・投稿いただいた内容は筆者ならびに日経の編集者が掲載を判断し、掲載にあたっては一部編集作業を行うことがあります。
    ・日本経済新聞社は投稿にあたって得られた個人情報をコンテンツ作成以外の目的に使用したり、第三者に提供したりすることはありません。
    ・メールによる投稿者は、上記の点を了承した上で投稿しているものとみなします。

    2012年1月6日

  • 【PR】

    【PR】

    【PR】

    大人のレストランガイド

    大人のレストランガイド

    NIKKEI×ぐるなびが提供する、大人のためのグルメガイド。接待や会食、ビジネスシーンなどにおすすめのお店情報をご紹介。

    ぐるなびWoman

    ぐるなびWOMAN

    女性のための女子会・デートのグルメ情報サイト。おすすめのレストランや居酒屋をこだわりやシーンに合わせて検索できます。

    ぐるなびWedding

    貸切パーティコレクション

    企業向け貸切、OB会etc… 少人数〜大人数でも貸切OKのレストラン

    結納・顔合わせ

    特別な日を過ごすための完全個室のお店情報や、マナー・段取りまで

    このサイトについて

    日本経済新聞社について