おかわり 唐津、伊万里、有田…食器のまちのご当地グルメ



「佐賀県実食編 カキ、カニ、ちゃんぽん、みな食べた」はこちら

唐津で出合った魅惑の看板
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唐津で出合った魅惑の看板

 佐賀県は大まかに言って、玄界灘に面した旧唐津藩の地域と有明海に面した旧鍋島藩の地域とに大別されます。

 実食編にあたっては、野瀬と僕とで、その両側を分担して取材することになりました。僕の担当は玄界灘側です。

 玄界灘側といえば、焼き物シティーが目白押しです。有田・伊万里、そして唐津…。東松浦半島の先端にある名護屋城は、秀吉による朝鮮出兵の拠点になったところです。朝鮮出兵に伴って、大陸式の陶磁器が国内に入ってくるのですが、まさにこの一帯が、その「入り口」になったのです。焼き物がさかんなのは当然です。

けえらん
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けえらん

 おいしい食べ物をよりおいしく食べるためにも食器は重要です。目に美しい盛りつけは、食欲をそそります。せっかくの焼き物シティーへの取材旅行ですから、ご当地グルメの合間には、各地の窯を訪ね、その魅力に触れて歩くことを今回のテーマにしました。

 まず向かったのは唐津。

 地図を見ても分かるように、唐津は博多の「真横」。博多から車で1時間ほど、鉄道なら市営地下鉄がJR筑肥線に乗り入れて、乗り換えなしで唐津までたどり着けます。

虹の松原
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虹の松原

 唐津の市街地に入ってまず目に入ったのはけえらん。諏訪神社の目の前には「けえらん」の看板を掲げた和菓子屋さんが並びます。

 名護屋城に向かう秀吉が、この諏訪神社で「勝つまで帰らん」と戦勝の願をかけたのが由来とか。米粉を薄く伸ばした皮であんこを包んだ、とてもシンプルなお菓子でした。

 さぁ、ここから唐津城までは「虹の松原」です。三保の松原、気比の松原とともに日本三大松原に数えられ、約5キロにわたって松林が続きます。

唐津バーガー
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唐津バーガー

 で、唐津バーガー。現在ではまちなかでも食べられますが、元々は松原の中にある駐車場にバスを止め、そこで調理をしたのがルーツです。その「本店」で、ちょっと遅めの朝ご飯です。

 食べたのは、チーズ、オムレツ、ハムの入ったスペシャルバーガー。

 紙に包んで持ってきてくれたので、ちょっと見た目が悪くなってしまいました。かぶりついて、わしわし食べたら、ケチャップが垂れて、シャツを汚してしまいました。

唐津城
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唐津城

 続いて、腹ごなしに唐津城をお散歩。海、山の緑、そしてお城の白がいい色合いです。遠目に眺めるのがいちばん美しいかもしれません。

 さぁ、食ったら焼き物です。まずは、唐津城前にある窯元の直売所をのぞきます。

 唐津焼は、東日本で「瀬戸物」西日本で「唐津物」と呼ばれるように陶磁器の代表格です。固くて薄く、絵柄の凝った物が多い有田・伊万里に対し、厚ぼったいシンプルな造形のものが多い。

隆太窯の黄唐津
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隆太窯の黄唐津

 北関東の笠間焼や益子焼に近いイメージで、僕は大好きです。

 何軒か窯元を訪ねてみたのですが、その中で最も気に入ったのが、まちなかを外れた山奥にあった隆太窯です。他の窯にはない黄色い「黄唐津」を、僕は気に入りました。何を盛ろうかな。

 窯を渡り歩いているうちにお腹が空いてきました。野瀬から、唐津を訪れたら必ず寄るようにいわれていたツガニのお店・飴源を訪ねます。

(左から)スープ、葉わさび、野蒜とこんにゃく
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(左から)スープ、葉わさび、野蒜とこんにゃく

 飴源は天保9年に創業した川魚、摘草料理店。老舗中の老舗です。ランチセットなんてありません。昼から5700円のコース料理です。

 まずは、囲炉裏のある畳の待合室でお茶をいただいてから、床の間付きの座敷に通されます。座敷の棚にはたいそう立派な唐津焼。障子を開ければ、そこは玉島川。いやぁ、昼からお大尽です。

 先付けは野蒜(のびる)とこんにゃく、葉わさび、そしてスッポンのスープ。昼ですよ。昼からスッポン。

川魚のお造り
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川魚のお造り

 続いて鯉の洗いとヤマメの背ごし。実山椒の入った酢味噌にさらにゆずこしょうを加えて食べます。この酢味噌、香りがスゴイ。

 野菜類は、お店で作っている物だそうで「付け合わせ」ではなく、川魚と並ぶ「ダブル主演」なのでそうです。実山椒入りの酢味噌で食べると、高級な野菜スティックといった感覚です。

 ヤマメの塩焼きと飴焼き、そして手長海老。塩焼きは、ポン酢をつけて食べます。タマゴがぷりっぷり。

ヤマメの塩焼きと飴焼き
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ヤマメの塩焼きと飴焼き

 屋号にもなっている飴焼きがスゴイ。何度も飴を塗り重ねながら焼くのだそうですが、煮物かと思うくらい柔らかい。それに、飴焼きというだけに、甘いという先入観を持っていたのですが、意外や意外、ほんのりやさしい甘さ。味、歯触りともに、実にやさしい。

 さて、真打ち登場。ツガニです

 ツガニは学名モクズガニで、上海ガニと同属の川ガニです。なので、あまり身はなく、内子やカニ味噌をメインに食べます。

カニ味噌たっぷり
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カニ味噌たっぷり

 一見ゆでカニのようですが、実は秘伝の出しで茹でる、つまり「煮ている」のです。この出しの味が何ともいえない…。ほじるのが面倒なくらい身が少ないので、ちゅうちゅう吸うのですが、かぶりついた瞬間の「ちゅう」が何ともいえない味わいなのです。

 昼から大枚はたいて食べるだけの価値は十分にありました。

 最後にツガニご飯とカニ寄せ汁。うわー、シアワセ。えっ、デザートまで?

鯉のぼりの大群に遭遇
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鯉のぼりの大群に遭遇

 酒を飲まずにコースを食べるのが苦痛でした。

 ということで、ほじほじほじほじ、予想以上の時間を飴源で費やしてしまいました。急いで山を越えて佐賀に向かいます。

 途中、川上峡温泉で鯉のぼりの大群に遭遇。

 佐賀では有明海ルートをたどってきた野瀬・豆さん組に加え、地元で食によるまちおこしに取り組むシシこむの中島さんと合流しました。

「控えめ」とは言えませんでした
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「控えめ」とは言えませんでした

 野瀬も書いているように、けっこう飲みました。出来上がりました。

 酒の勢いとは怖いものです。最後に豆さんと一緒に、地元の有名店という喫茶店「ミール珈屋凪(こやなぎ)」に乱入してしまいました。

 見てください、この「お願い」。どんだけのデカ盛りなんでしょう?

 豆さんに名物メニューの「ヒデシマライス」を食べていただきました。ひとことでいうとですね…オムライスカレー。

「ミール珈屋凪」の「ヒデシマライス」
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「ミール珈屋凪」の「ヒデシマライス」

 チキンライスではなく、ドライカレーがオムレツで包まれたオムライスの上からカレールーがかかっています。大量に…。

 酔った勢いとはいえ、散々有明海の珍味と日本酒を堪能した後にこのデカ盛りヒデシマライスを猛スピードで平らげる豆さんは、やっぱり偉大です。

 さて、二日酔いと深夜のデカ盛りで重たくなった胃を抱えながら、有明海側から再び玄界灘を目指します。その前に、昨晩、店を探す中で気になった物件をチェック。

ホテル限定の「Cafe Ice」
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ホテル限定の「Cafe Ice」

 佐賀と言えば、竹下製菓のブラックモンブラン。市街中心部にそびえるホテル屋上に、ブラックモンブランの看板が燦然と輝いていました。このホテル、竹下製菓の系列なのだとか。

 同ホテル限定という「Cafe Ice」をひとかじりして、玄界灘へと向かいます。

 この日、まず目指したのは名護屋城博物館です。焼き物をテーマとしている以上、そのきっかけになった地を訪れないわけにはいきません。

豪華イカ3点セット
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豪華イカ3点セット

 名護屋城まで行けば、イカの呼子は目と鼻の先。遅めの朝食はもちろんイカです。

 呼子は観光名所なので、活イカを売り物にしたお店が目白押しです。でも、いずれも「観光地価格」。けっこういい値段です。

 僕が目をつけたのは、呼子港のいちばん奥にある、地域活性化の拠点施設「呼子台場みなとプラザ」。ここには、呼子漁港が運営する直売所「大漁鮮華」があって「地元価格」で呼子のイカを味わうことができます。

イカした朝ごはん
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イカした朝ごはん

 直売所内には、いけすがあって、イカが元気に泳ぎ回っています。これを網ですくって、厨房でさばいてくれます。店内には、他にも鮮魚やアルコール、白いご飯まであって、あれこれ買い込んで、隣接するバーベキュー施設で宴会までできるのです。そうそう、お風呂もあります。

 昨年来たときには、活イカの刺身イカ天がのったうどんイカシウマイを食べたのですが、今回は朝ご飯です。1個売りのにぎり寿司の中から、呼子といえばのイカ、そして生エビ、カレイのエンガワ、天然ブリをゲット。さらに、イカ天も。これで1000円しないんですから、オトクです。

大川内山は地図も伊万里焼
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大川内山は地図も伊万里焼

 さぁ、腹が膨らんだら焼き物。世界に名だたる伊万里焼です。

 伊万里焼は、伊万里を出荷港とする焼き物の総称です。窯は伊万里だけでなく、近隣各地に分散していて、有田市の有田焼、長崎県佐世保市の三川内(みかわち)の三川内焼、同じく長崎県波佐見町の波佐見焼などがあります。

 伊万里焼のスポットは、鍋島藩の御用窯がある大川内山(おおかわちやま)です。多くの窯が軒を連ね、散歩しながら伊万里焼を物色できます。

橋も伊万里焼
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橋も伊万里焼

 伊万里から有田まではちょっと距離があります。とりあえず伊万里でお昼ご飯にしましょう。

 伊万里市では、佐賀牛の中でも特に品質が高いといわれる伊万里牛を使ったハンバーグを売り出し中です。伊万里牛ハンバーグを出すお店には共通の幟が立てられています。

 どこで食べようか。なにせよそ者。どこがおいしいのかさっぱり分かりません。

「ステーキハウスつじ川」の伊万里牛ハンバーグ
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「ステーキハウスつじ川」の伊万里牛ハンバーグ

 地元の方に「どこがいちばんおいしいですか?」とたずねたところ「ステーキハウスつじ川」を薦められました。

 行ってみると、高級ステーキ店じゃないですか!

 せっかくのオープンキッチン、鉄板前のカウンターに座るものの、鉄板はステーキ用ですから、ハンバーグが運ばれてくるまで手持ちぶさたで待ちます。

 それでもさすがステーキハウス。鉄板の上でハンバーグがじゅうじゅう音を立てながらやってきました。

中はふわっふわ
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中はふわっふわ

 デミグラスソースが沸騰して泡立ってます。

 フォークとナイフで切って口に入れると、ふわっふわ。さすがはブランド牛です。

 ワインで食べるならステーキかもしれませんが、ご飯なら、ランチならハンバーグです。

 一番最初にスープとサラダが出てきて、スープはご飯が出てくるまで手をつけないでいたんですが、ハンバーグのすぐ後に、ご飯とともに味噌汁も運ばれてきました。こういう気の利いたサービスが高級店ですよね

デスクのお気に入り
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デスクのお気に入り

 何度目でしょうか、腹が膨らんだら焼き物。続いては有田を目指します。

 有田には、主要22社の店舗が整然と並ぶショッピングモール「有田陶磁の里プラザ」があります。

 一番奥には有田焼の茶碗を積み重ねた御輿も。いかにも焼き物のまちといった感じです。

 有田は、洋食器のような現代風の焼き物が多くなっているのが特徴です。僕はそこが好き。

武雄では、いま話題の市立図書館も見学
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武雄では、いま話題の市立図書館も見学

 その後、武雄温泉で野瀬たちと再合流。大町まで一緒に行動した後、最後の目的地に向かいます。

 佐賀県と福岡県の県境に位置する、筑後川昇開橋です。

 筑後川昇開橋は、1987年に廃止された旧JR佐賀線の筑後川に掛かる橋りょうで、世界有数の昇降式可動鉄橋として国の重要文化財に指定されています。

 筑後川の河口に近く、干満の差が大きい有明海の影響を受けやすいことから、橋桁の一部が上昇、大型船舶が通過できる構造になっています。

筑後川昇開橋
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筑後川昇開橋

 佐賀線の廃止後も、両岸の自治体である、佐賀市と福岡県大川市などが財団を設立、現在でも橋桁が可動するままに、遊歩道として保存しています。

 観光スポットにもなっていて、サイレンの音とともに何度も昇降し、観光客を楽しませています。

 僕が大きなカメラで撮影していると、職員のおじさんが「いい写真撮れた? せっかくだからいちばん上まで上げましょう。時間がかかるんですけど特別に」といって、最上部まで橋桁を上げてくれました。

シメは、老舗で再び佐賀シシリアンライス
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シメは、老舗で再び佐賀シシリアンライス

 3日間めいっぱい走り回ってくれた豆さん、武雄まで一緒に来てくれたシシこむの中島さん、武雄の名所を短い時間で効率よく案内してくれた光武さん…。県内あちこちで、人の温かさに触れてきました。そんな佐賀の旅をしめくくるにふさわしい、筑後川昇開橋でのサービス。

 また佐賀に来たいな、ととってもうれしい気分になりました。

(デスク)

5月30日

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