おかわり ところ変われば名も変わる?〜ご当地兄弟菓子



一口香(左)と唐饅頭
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一口香(左)と唐饅頭

 今週の本編で薩摩おごじょさんからのメールに「『ふくれ菓子』『げたんは』『黒棒』は黒砂糖菓子3兄弟」とあり、それに野瀬が久留米にも黒棒があるとコメントしていました。各地に点在するものの、まんじゅうやせんべいなどは基本的に呼び名は変わりません。ういろうも名古屋のほか山口、小田原など各地にありますが、やはり呼び名は変わりません。

 しかし、ほぼ同じ原料・製法・味なのに、場所によって違う名前になってしまうお菓子があります。

(上から)げたんは、さつま黒棒、黒棒
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(上から)げたんは、さつま黒棒、黒棒

 げたんはや黒棒は「黒砂糖=九州・沖縄」と野瀬が書いたように、基本的に交通路を通じて伝播したと思われるものです。今回、撮影のために改めて久留米の黒棒を買いに行ったのですが、いつも買うお店で売っていたのは長崎・雲仙市製の黒棒でした。雲仙にもあったんですね。改めて「黒砂糖=九州・沖縄」を確信しました。

 ただ、鹿児島の黒棒は久留米や雲仙の黒棒とは違いちょっと短い。そして三角で大きなものがげたんは、三角が膨らんだ分さらに大きくなってふくれ菓子、という感じです。

吉原殿中(左)と五家宝
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吉原殿中(左)と五家宝

 黒糖菓子と同じく広い地域で共通して食べられてきたものの、場所によって呼び名が変わったと思われるのが、水戸銘菓として知られる吉原殿中と熊谷銘菓の五家宝です。もちを薄くのばし、細かく砕いて煎り、あられ状にしたものを固めて筒状に伸ばし、切ってきな粉をまぶしたものです。

 吉原殿中がやや大ぶりでオブラートに包まれているという違いはあるものの、基本的に原料・製法・味は同じです

 吉原殿中と五家宝の違いについては、以前、茨城出身の一芸クンが詳しく紹介していますので、そちらをご覧ください

一口香(左)と唐饅頭
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一口香(左)と唐饅頭

 長崎の一口香と愛媛の唐饅頭もほぼ同じお菓子です。黒砂糖やはちみつ、水あめなどを混ぜたものを小麦粉の皮で包んで焼いたものです。水あめを使うことであんが、焼くことで皮が硬くなるのが特徴です。

 長崎、愛媛のほかに愛知などにも同様のお菓子があります。一口香は皮が膨らんであんの部分に空洞があるのに対し、唐饅頭はつぶれたように平べったくなっているのが違いです。硬さも含めて、味や食感はよく似ています。

「唐饅頭」の名前からも想像がつくように、由来は中国にあるようです。

五月ヶ瀬
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五月ヶ瀬

 ここまでは、まぁ何となく伝播の過程が想像できるものです。しかし、なぜこの2ケ所に同じお菓子があるんだろうと驚いたのが青森から岩手にかけてのピーナッツ入り南部せんべいと福井銘菓の五月ヶ瀬です。

 小麦に甘さとバターの風味を加え、ピーナッツを入れて焼き上げたものです。青森にゆかりの深い僕でなくとも皆さんご存知の味でしょう。八戸せんべい汁を初めて知ったとき「この甘いせんべいを鍋にするの!?」と思った方も多いのではないでしょうか。

南部せんべい(左)と五月ヶ瀬
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南部せんべい(左)と五月ヶ瀬

 若狭小浜の方から「福井ならではの味です」と送られてきたのが五月ヶ瀬でした。袋を開けてびっくり、これって南部せんべいじゃないの?

 素朴な疑問を送り主にぶつけてみたところ「青森にも五月ヶ瀬があるんですか?」とのお答え。「というかこれって南部せんべいですよね?」「いや五月ヶ瀬です」と堂々巡りの話になってしまいました。

 戦後に発売されたお菓子なので、伝わってできたものではないと思うのですが、福井では南部せんべいは食べないんですかね? 食べ比べると五月ヶ瀬のほうがやや甘みが強くせんべいというよりクッキーに近いのですが、それでも見た目も食感も南部せんべいです。福井県編が始まったら、ぜひ調べてみたいと思っています。

 糖分は基本的に発酵させてから摂取する主義なので、僕の知らない「名前の違う兄弟菓子」はまだまだありそうです。そこらへんは今後、甘党の一芸クンに任せることにしましょう。

(デスク)

2013年3月1日
 

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