おかわり 西伊豆でカツオブシとしおかつおを満喫



まずは座学から
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まずは座学から

 特産のカツオブシ、しおかつおでまちおこしに取り組む静岡県西伊豆町で、カツオを核にした観光を開発する取り組みが進行中です。3月20−21日に、商品化に向けて検証を行う「西伊豆カツオツーリズムモニターツアー」が開催されたので、行ってきました。

 西伊豆町は、静岡県東部、伊豆半島西海岸の中央に位置し、黒潮の影響で、年間を通じて気候は温暖です。しかし、西側は駿河湾に、東側は急しゅんな天城山系に挟まれいるため地形が険しく、交通の便が悪いことから、鉄道や道路が整備された東伊豆に比べ、観光開発が遅れていました。

かつてはカツオ漁で栄えた田子漁港
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かつてはカツオ漁で栄えた田子漁港

 町内の田子地区はカツオのまちとして、約1300年の歴史を誇ります。西伊豆最大規模の漁港はカツオ漁の拠点となり、カツオブシの生産拠点にもなりました。

 現在ではカツオ漁は衰退してしまいましたが、今なお、昔ながらの製法を受け継いだカツオブシ、カツオの塩蔵品であるしおかつおの製造が行われています。

 そんな西伊豆町ならではのカツオ文化に直接触れてもらうことで、西伊豆の魅力を知ってもらおう、ファンになってもらおうというのが「西伊豆カツオツーリズム」の目的です。

脂の少ない南洋もの
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脂の少ない南洋もの

 テレビ番組などでも何度となく紹介されている地元の名店・カネサ鰹節商店でカツオブシ作りを目近に見学させていただきました。

 刺身と違い、カツオブシに使うカツオは脂のないものがベストなのだとか。そのため、水温の高い南洋で取れたカツオを使うそうです。

 ポイントは「形」。3枚におろした身を、さらに2つずつに切り分け、4つの「節」を作ります。このとき骨をうまく除けながら整った形に切らないと、製造過程でカツオブシが曲がってしまうそうです。

カツオを3枚におろす
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カツオを3枚におろす

 胃袋は塩辛になり、心臓(星)も食べられますので、きれいに取り出します。

 切った身は、煮熟(しゃじゅく)といって2時間ほど煮込みます。切ったカツオを籠に入れて煮るのですが、並べ方にもコツがあります。

 煮込む間に身が縮むため、煮上がりを予想し、少し反らして籠に並べていきます。さらに適度に間を開けて並べることでお湯の対流を促し、きれいに煮ることができるそうです。

講師はカネサ鰹節商店の芹沢安久5代目
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講師はカネサ鰹節商店の芹沢安久5代目

 煮上がったカツオはなまり節です。この時点で、毛抜きのような道具を使って小骨をていねいに取り除いていきます。ここですべての骨を取り除かないと、この後の工程で、骨と身の硬さの違いによってカツオブシが曲がってしまうのだそうです。

 大きな骨がけっこう残っているため、骨を抜くと、身に穴が開いてしまいます。この穴をそのままにしておくと、やはり後工程で身が崩れてしまう。3枚に下ろした時に出た中骨についた剥き身を使って、穴を埋めていきます。

 すべて手作業です。

この上で焙乾する
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この上で焙乾する

 そして焙乾、スモークです。ここが西伊豆・田子のカツオブシの最大のこだわりです。一般には乾燥機やサウナのように部屋全体に煙を充満させて焙乾する手法が多いのだそうですが、西伊豆・田子では「手火山式焙乾法」といって、とても強い火の上になまり節を置き、一気に水分を飛ばしていきます。

 この強火の焙乾は、なまり節の表面を硬くするため、カツオのうまみがカツオブシの中に閉じ込められるのだそうです。ただし、非常に高温なため、焙乾の過程ではずっとそばについている必要があり、作業者の負荷、リスクがとても高くなります。味が優る代わりに、効率がとても悪くなるのです。

カツオブシ削りにチャレンジ
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カツオブシ削りにチャレンジ

 10回ほど焙乾を繰り返してできた荒節は、発酵の過程に移ります。

 20から30日間、樽の中でカビを付けて熟成させ、天日干しをします。この樽詰め・天日干しの作業を7回繰り返し、4カ月以上もかかってカツオブシが完成するのです。

「カツオブシができるまで」を学んだら、カツオブシ削りにチャレンジです。

 いまは削り節を使うことが多くなったことから、自分でカツオブシを削ることはほとんどなくなりましたよね。

料理体験も
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料理体験も

 カツオブシの尾(皮が付いている方)を持ち、それを逆さにしてカツオブシを押すように削るのがコツです。握る方向が違うと、粉ばかりができるハメになります

 子どものころにお手伝いした経験はあるのですが、久しぶりにやってみると、いやぁ、難しい。何度も失敗を繰り返していると、表面がでこぼこになってしまい、さらに削りずらくなります。何度かチャレンジしているうちに汗が出てきました。

 もちろん、そんなカツオ、カツオブシを味わう体験も用意されていました。

潮汁 絶妙の塩加減
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潮汁 絶妙の塩加減

 地元のお母さんの手ほどきで、料理も実体験します。

 まずは、カツオの心臓(星)と明日葉の胡麻和え。みんなで代わる代わるすりこぎで胡麻をすります。

 西伊豆の海岸線で多く採れる、表面にしわの多い海藻「しわめ」は、包丁でたたいて、醤油、酢、そしてわさびを入れて「とんとんめ」に。さらに湯がいて胡麻和えにもしました。

 カツオを3枚におろす過程で出る中骨は潮汁にします。大量の中骨を茹でて出しを取り、塩で味付けします。シンプルな塩味が絶妙のおすましです。

しおかつお
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しおかつお

 おかゆには、B−1グランプリでもおなじみのしおかつを入れて食べます。

 しおかつおは、カツオを塩蔵し干したもの。お正月に、航海の安全と豊漁豊作・子孫繁栄を祈願し、ワラでお飾りを付けた「しおかつお」を飾るのが西伊豆の習わしで、「正月魚(しょうがつよ)」とも呼ばれます。

 減塩志向から最近ではあまり食べられなくなっていたのですが、西伊豆伝統の味ということで「ご当地グルメでまちおこし」の旗印として脚光を浴びることになりました。

しおかつおとカツオブシがたっぷり
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しおかつおとカツオブシがたっぷり

 切り身にして焼いてほぐしたものを海苔やネギ、カツオブシとともにおかゆにトッピングしていただきます。しおかつお特有の塩味が、白がゆをとても豊かな味わいにしてくれます。

 美味しくて、丼のおかゆをおかわりしてしまったほどです。

 もちろん夜の部もたっぷりと魚を堪能しました。カツオはじめ、魚山盛りのバーベキュー。卵かけご飯に、しおかつおとカツオブシがたっぷり入った、シメの「猫玉御飯」も美味しかった。

手漕ぎ体験も
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手漕ぎ体験も

 実は西伊豆、サンゴの北限なのだそうです。湾内にはサンゴの群生地もあり、ダイバーには垂涎のスポットなのだとか。ボートに乗って、そんな田子港の人気スポットを見て回ったり、昔ながらの手こぎの船を、実際に櫓をこいで動かしてみたり…様々な「体験」が用意されていました。

 今回のモニターツアーでの検証も取り入れ、今後秋ごろをメドに、正式にツアーをスタートさせる予定です。貴重な体験が盛りだくさんなので、ぜひ、開催の折には西伊豆へ遊びに行ってみてください。

(デスク)

3月27日

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