おかわり 弱腰うどん発、3色ラーメン経由、はんごろし行き〜デスク版実食編



渦潮の鳴門海峡
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渦潮の鳴門海峡

 今回の徳島県実食編、野瀬が高知県、香川県と境を接する山間部から徳島に至る内陸横断ルートをたどったのに対し、僕は鳴門市から海部郡海陽町に至る海沿い縦断ルートを回ってきました。

 実際に訪れた順番とはちょっと違うのですが、分かりやすくするために、北から順番に訪れた町をご紹介していくことにしましょう。

 兵庫県の淡路島と徳島県の県境にかかる橋が大鳴門橋。そう、ここは渦潮で有名なあの鳴門海峡なのです。

迫力満点
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迫力満点

 大鳴門橋の真下には「渦の道」という海上遊歩道があり、海上45メートルの高さから激しい潮流を見ることができます。

 潮の流れってすごいんですね。今回、満潮時にひとりで、干潮時に野瀬のお伴でと2度「渦の道」を訪ねたのですが、潮の満ち干きで渦潮の流れも逆になることを知りました。海岸に近い部分は岩場になっており、そのあたりを見れば、潮がどっちに向かって流れているかをはっきり確認することができます。まるで渓谷のようです。

鳴ちゅるうどん
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鳴ちゅるうどん

 橋の中央に近い部分はその水流が大きな渦を作っています。いやぁ、迫力満点でした。

 その鳴門で食べたのが鳴ちゅるうどんです。実食編本編でご案内のように、ネットで調べた提供店が2店連続で見つからず、野瀬が飛行機の時間に追われ後ろ髪を引かれながら帰って行ったシロモノです。野瀬を空港で見送ってから、再度店探しをしてたどり着きました

 腰が弱くてとても細い、鳴門ならではのうどんです。香川の隣県と言うこともあり、徳島県内でも讃岐うどんの店が多いのですが、数あるうどん店の中でも異彩を放つ腰の弱さです。

細くて腰の弱い麺
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細くて腰の弱い麺

 見てください、この潔いまでのシンプルさ。具は刻んだ油揚げとネギのみ。選んでトッピングすることもできましたが、こういううどんはあれこれのせちゃダメですね。昆布とカツオを合わせた透き通った出しを汚しちゃいけません。

 1杯350円。さっと食べて、さっと店を出ました。といいつつ実は、この後にすぐ徳島ラーメンを食べてるんですけど…。

 北から順に南下していくと、次は板東です。現地に行くまでは全く想定していなかったのですが、野瀬とうどん屋を探す間に目に入った「鳴門市ドイツ館」の看板でココロとカラダが動きました。

板東俘虜収容所の跡地
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板東俘虜収容所の跡地

 インテリの僕は、文化と歴史に造詣が深い。徳島県+ドイツでピンと来ました。

 徳島県は日本で初めてベートーベンの「第九交響曲」が演奏された土地と言われています。

 1913年、日本は第1次世界大戦に参戦、当時ドイツの租借地だった中国・青島を攻撃し、多くのドイツ兵が俘虜として日本に送られてきました。俘虜たちは、我が家近くの習志野や福岡・久留米などに分散して収容されたのですが、そのひとつが徳島県の板東俘虜収容所でした。

鳴門市ドイツ館
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鳴門市ドイツ館

 各地の収容所にはパンやソーセージ、ビールなどドイツの食がもたらされるとともに、音楽など多くのドイツ文化が持ち込まれました。特に板東俘虜収容所を有名にしたのが、音楽。いまや年末の恒例とさえいっていい「ベートベンの第九」は、日本ではここ坂東で初めて演奏されたそうです。その過程は「バルトの楽園(がくえん)」という映画にもなっています。

 板東の次は徳島市。県庁所在地です。ここで「A級グルメ」にどっぷりはまったことは本編ですでにご覧いただいたかと思います

ごま油で食べる阿波尾鶏のレバー
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ごま油で食べる阿波尾鶏のレバー

 野瀬とは別に僕がひとりで食べに行ったのはまず阿波尾鶏です。

 阿波尾鶏は徳島県内で地鶏として飼育されていた赤笹系軍鶏を改良した肉用鶏です。適度な歯ごたえがあり、脂肪が少ないながらうま味成分をたっぷり含むのが特徴です。駅前のやきとり屋でその味を確かめることにしました。

 いちばんインパクトの大きかったのがレバー。お店の味付けかとは思うのですが、串に刺したレバーをさっと炙り、それをごま油と塩を合わせたたれで食べるのです。そう、レバ刺しのたれ。これ、美味しかった。

鶏皮(左)とぼんじり
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鶏皮(左)とぼんじり

 皮とぼんじりも特徴的でした。

 どちらも脂の多い部位ですが、久留米のダルムがシロモツの脂をそぎとって焼くのに似て、焼きの過程でしっかり脂を落としてあるのです。脂っこい部分を、あえて脂を落として食べるのが新鮮でした。さりげなくすだちが皿に載っているのが徳島らしいところ。

 油で揚げる鶏天もササミを使うなど、全体としてヘルシー感が強い鶏肉でしたただ、たれはやっぱり徳島ですね。ちょっと甘かった

「いのたに」の徳島ラーメン「茶系」
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「いのたに」の徳島ラーメン「茶系」

 そして徳島といえば徳島ラーメンです。事前に相談して、「黄」「茶(黒)」「白」3色の徳島ラーメンを野瀬と分担して食べることにしていたのです。「茶(黒)系」というか徳島ラーメン全体の代表店「いのたに」をたずねました。ちょっと事情があって、食べたのは鳴門店。「茶(黒)系」というだけに黒いほどに茶色い、濃い醤油のスープが特徴です。

 いかにも濃そうなスープでしょう? でも、食べてみると見た目ほどではありません。ストレートで歯ごたえのある麺によく合っていました。鳴ちゅるとは対照的に、トッピングを追加して食べました。肉入り、生卵入り。徳島ラーメンと言えば、煮込んだバラ肉と生卵は不可欠でしょう。

「岡本中華」の徳島ラーメン「白系」
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「岡本中華」の徳島ラーメン「白系」

 ご飯を頼み忘れたのが失敗でした。男性陣の多くがライス付きで食べていたことからもわかるように、ちょっと濃いめのスープと脂ギッシュな豚肉は、いかにも白いご飯に合いそうでした。

 徳島から10キロほど南下した小松島市。ここで食べたのが「白系」です。老舗という「岡本中華」に行ってきました。ベースの豚骨しょうゆはさきほどの茶色い徳島ラーメンと同じなのですが、九州の豚骨塩かと見まごうばかりにスープが真っ白なのです。

白いスープに卵の黄身が印象的でした
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白いスープに卵の黄身が印象的でした

「いのたに」同様ストレートの中太麺です。スープの白さもあって、まるで久留米で食べるラーメンのような感覚でした。スープもあっさりめ。チャーシューも「茶系」とは対照的で視覚的な醤油っぽさはありません。

 ちなみに徳島市内でもう1軒、酔った勢いで「茶系」を食べたのですが、そのお店には麺の「替え玉」があり、生卵が別皿出てて来たり、辛子高菜やモヤシがトッピングできるシステムになっていました

 ひとことで「徳島ラーメン」といっても、それなりにバリエーションがあるんですね。

ヘルシー三色ハモ丼
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ヘルシー三色ハモ丼

 さて、小松島の南、隣町は阿南市です。四国で最も東に位置する阿南の名物はハモ。本編にも登場しましたが、フィッシュカツが小松島のそしてハモ皮ちくわが阿南の特産品です。このあたりは海産物に恵まれた土地柄です。

 そんな阿南で食べたのは「ハモ丼」です。吉野川と那賀川、2つの大河が流れ込む紀伊水道の海は栄養分が豊富なうえ、海底もなだらかで、ハモの生育に適した環境なのだそうです。

 本来はコース料理で味わうところでしょうが、あちこち食べなきゃいけないものがあり、お昼のどんぶりもので特産のハモを食べることにしました。

梅味のハモ
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梅味のハモ

 訪れたのはJR阿南駅前にあるホテル1階のおしゃれなカフェ「アランチャ」。「ヘルシー三色ハモ丼」は、梅肉、味噌、青のりと3種の味付けをしたハモを卵とじにしてありました。純粋関東人の僕はほとんどハモを食べないのですが、関西の夏に食べる梅肉和えなどとは違い、しっかりとご飯のおかずになっていました。

「ヘルシー」というネーミングからもっとあっさりしているかと思っていたのですが、卵とじにすることでしっかりご飯に合う味付けになっていました。しかも、梅、味噌、のりと味に変化があって、美味しく食べ終えることができました。

はんごろし
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はんごろし

 次なる課題は「はんごろし」。おはぎです。本来甘味は不得意なのですが、何とも物騒な名前で、いったいどのように食べられているのかに興味がわきました。

 ちょうどお盆時期でしたので、県内各地の店頭で「おはぎ」を良く見かけました。しかし、いずれも普通におはぎで「はんごろし」にはお目にかかれません。

 美波町・日和佐にある道の駅で店の方にたずねたところ「『はんごろし』というのは相生のあたりにしかないはず」とのことでした。そこで、那賀川沿いに「はんごろし探しの旅」に出ることにしました。

中からあんこが出てくる
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中からあんこが出てくる

 阿南から山に向かっておよそ30キロ。山間の道の駅「もみじ川温泉」に「はんごろし」はありました。途中、道の駅を見つけるたびにのぞいてみたのですが「はんごろし」はやはり事前の調査どおり「もみじ川温泉」でしか見つけることができませんでした。

 道の駅といっても近所のおじいちゃんがレジで話しこんでいるようなのどかな「なんでも屋」の風情です。かわいいイラストとともにひらがなで表記された「はんごろし」のパッケージが、そののどかさに妙にマッチしていました。決して「半殺し」ではなく「はんごろし」なのです。

山道から眺める那賀川の渓流
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山道から眺める那賀川の渓流

 表面にはきな粉がまぶしてあって一見おはぎには見えません。しかし、割ってみると中にあんこが入っていました。一般的なおはぎとは逆のパターンですね。夕方になると売切れてしまうという、道の駅の人気商品だそうです

「はんごろし」見たさに行ったもみじ川温泉ですが、そこに至るまでの山道から眺める那賀川の渓流が実は絶景でした。道路は山の斜面の高いところを走っていて、そこから見下ろす渓流がとても美しい。高い橋の上からの眺めは見ほれるほどでした。

金時豆入りちらし寿司
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金時豆入りちらし寿司

 さて、その渓流を愛でながら再び那賀川沿いを海へと戻ります。途中、道の駅で細かいご当地の食をチェックしつつ。

 ちらし寿司には、金時豆が入っていますもちろんなると金時はどの店にも置いてあります。果物コーナーにはすだちがまさに山積み。お魚のコーナーには小松島のフィッシュカツと阿南のハモ皮ちくわが仲良く並んでいました。那賀川はうなぎも有名だそうで、半助が付いたまま地焼きにされているうなぎにも出くわしました

うみがめが産卵に訪れる大浜海岸
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うみがめが産卵に訪れる大浜海岸

 阿南の南隣・美波町は「うみがめの町」です。NHKの朝ドラ「ウェルかめ」の舞台になったところです。

 同町の大浜海岸には毎年平均70頭のアカウミガメが上陸、産卵することで知られています。海岸の目の前には、うみがめ博物館・カレッタがあり、うみがめの生態について学ぶことができます

 ここまで来たからには徳島県の最南端まで行きたい。海部郡など徳島県南部に、ハレの日のお菓子として特産のサツマイモをあんこで巻いた「出世いも」なるお菓子があると聞き、JR牟岐線海部駅前のスーパーまで行ってきました

海部もういろうどころ
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海部もういろうどころ

 しかし、残念ながら「出世いも」にはめぐり合えませんでした。

 ただ、落雁やおはぎなどと並んでういろうが多く並んでいたのが収穫でした。徳島も名古屋や山口、小田原などと並んで「ういろうどころ」だったんですね。

 仕方なく高知県県境にワンタッチして徳島県実食編のゴールとしました

(デスク)



*映像はflashビデオです。一部機種では再生できないことがあります。ご容赦ください。


2013年8月23日

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