おかわり 食だけじゃない岡山の魅力(デスク版実食編)



最終目的地は日生
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最終目的地は日生

 岡山県は、これまで岡山や倉敷に何度か足を運んだことがあるのですが、正直なところ「通り過ぎる」程度の訪問でしかありませんでした。今回の実食編は駆け足の旅とはいえ、岡山全県に3日の旅程を割くことができました。せっかくなので、初心者らしい好奇心を発揮すべく、2日目は野瀬と別れ、ご当地食をチェックしつつ、今まで知らなかった岡山の魅力を見て歩くことにしました。

 ルートはまず津山周辺を探索、そのあと笠岡へ移動して笠岡ラーメンを食べ、最終的に日生で野瀬と合流してカキオコを食べるというものです。

美咲のたまごかけごはん
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美咲のたまごかけごはん

 前の晩飲みすぎて、腹が減るどころか食べ物を受け付けない状態の時も多いのですが、その朝は快調でした。せっかっくなので、ホテルのバイキング朝食ではなく、ちょっと隣町まで足をのばして、ご当地ならではの朝ごはんを味わうことにしました。

 向かった先は、JR津山線で津山から3駅目・亀甲駅そばにある美咲町の「食堂かめっち」。ここの自慢はたまごかけごはんです。なぜ美咲町でたまごかけごはんかというと、同町出身のジャーナリスト・岸田吟香が好きだったから、そして町内に西日本最大級の養鶏場があるからのようです。

ねぎ醤油が美味しかった
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ねぎ醤油が美味しかった

 わざわざ山の中まで行ってたまごかけごはんもないだろうと言われるかしれませんが、そこは「旅」ですから。気分が大事です。

 産みたての新鮮な卵を、シンプルに醤油のみで味付けしてご飯にかけてかき込みます。もちろん新鮮な卵は美味しいんですけど、テーブルに置かれている、たまごかけごはん専用の醤油が印象的でした。

 しそ、ねぎ、のり。

 僕は特にねぎが気に入りました。卵をよく溶いて、そこにねぎ醤油をたらして、さらによくかき混ぜてから白いご飯にかけるのですが、ついつい後からねぎ醤油を追加してしまいました。

津山扇形機関車庫
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津山扇形機関車庫

 さて、おなかが膨らんだら再び津山へと戻ります。目指す先は、津山の扇形機関車庫です。調べてみると、実は津山市、鉄道遺産の宝庫なのだそうです。

 現代の電車やディーゼルカーと違い、蒸気機関車は終点にたどりつくと、ぐるっと一回転して前後を転換しなければなりません。列車の終点、起点となる主要駅にはそのための「転車台」という機械があり、この転車台を囲むように機関車用の車庫が作られていました。そうすれば、限られた敷地の中により多くの機関車を収納できるわけです。これが扇形機関車庫です。

ディーゼル機関車「DE50形」1号機
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ディーゼル機関車「DE50形」1号機

 ところが向きをひっくり返す必要がない電車やディーゼルカーが鉄道の主流になるに従い、扇形機関車庫は必要とされなくなり、次々に取り壊されました。津山にある扇形機関車庫は、現存する中では、京都の梅小路蒸気機関車館に次ぐ規模を誇る歴史ある建造物なのです。津山市、そしてJR西日本の双方がいま、この歴史的建造物をたいせつに保存し、かつ観光資源として活用しようと取り組んでいます。

 今回は市役所、JR西日本のご協力で、特別に中を見学させていただきました。

 京都・梅小路の扇形機関車庫が、主に蒸気機関車の保存施設になっていることから、津山の扇形機関車庫はディーゼル機関車、ディーゼルカーの保存に主眼を置いているそうです。

室内展示も
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室内展示も

 庫内には、国内でたった1両しか製造されなかったという、国産最大最強のエンジンを積んだディーゼル機関車「DE50形」1号機をはじめ、各地で活躍した後に現役を引退した車両が眠っています。

 機関庫のそばには展示室もあり、鉄道の歴史を物語る機器や写真などの資料が展示してありました。さらには機関庫内の一角には扇形機関車庫を含む津山駅の様子を再現したジオラマもありました。

 現在、常設展示ではありませんが、4月から11月までの間に予約制の見学会を開催しているとのこと。津山に旅行する際には、事前にチェックしておくといいでしょう。

美作河井駅の手動転車台
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美作河井駅の手動転車台

 扇形機関車庫だけでなく、津山周辺には数々の鉄道遺産が現存しています。

 まずは因美線の美作河井駅。鳥取県との県境に近い、因美線岡山県内最北端の無人駅です。

 県境といえば峠。

 冬季は雪が積もるために、かつては鳥取方面から美作河井駅までラッセル車が走っていて、同駅内で転車して再び峠を越え鳥取方面に戻って行ったそうです。

松ボウキ橋りょう
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松ボウキ橋りょう

 その転車台、使われなくなって以降は埋められていたのですが、それが発掘され、2009年に近代化産業遺産の認定を受けました。津山の転車台に比べてとても小さなものですが、驚くべきは、手動転車台なのです。転車台の上に重たいラッセル車を乗せて、人が押して方向転換していたのです。

 美作河井駅の手前、加茂川を渡る松ボウキ橋りょうも鉄道ファンに人気の高いスポットだそうです。トンネルの出口が山の中腹にあり、列車は空に飛び出すように高い橋の上を走るのです。山々をバックに水面からはるかに高い位置で川をまたぐ橋の姿はまさに絶景です。

美作滝尾駅
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美作滝尾駅

 下から眺めると、古い橋脚がそびえたっていました

 もう一か所、映画「男はつらいよ」のロケに使われたという美作滝尾駅にも立ち寄ってきました。シリーズ最終作「寅次郎紅の花」のファーストカットがこの歴史ある木造駅舎なのです。登録有形文化財に指定されているそうです。

 津山には、ホルモンうどんをはじめとする牛肉文化のほかに、城下町ならではの長い歴史に培われたスポットがたくさんあります。今回はわずか1日で、駆け足で回ってきましたが、次回はもう少しゆっくり回ってみたいものです。

笠岡ラーメン
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笠岡ラーメン

 ゆっくりしたいといいつつ、次の目的地は笠岡です。岡山県北部の山の中から、今度は県西端の海辺に向かって大移動しなければなりません。路線長100キロ超。東京から次回のお題である栃木県の県庁所在地・宇都宮までに匹敵する距離です。

 笠岡行きの目的は笠岡ラーメンを食べること。1杯のラーメンのためだけに100キロ超を移動しました。笠岡のラーメンは、かほく冷たい肉そば研究会の「おやどり姉妹」もびっくりの「親鶏ラーメン」です。スープの出しが親鶏なら、具のチャーシューも親鶏です。

チャーシューも親鳥
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チャーシューも親鳥

 行ったのは、聞いた誰もが「笠岡ラーメンならばここ」と教えてくれた「中華そば専門店 坂本」です。みなさんイチオシの割には実に地味な店構えで、知らずに店の前を通り過ぎてしまったほどです。

 メニューは「中華そば(並)500円」と「中華そば(大)600円」のみ。「うちはラーメンのお店です」という雰囲気が店じゅうから漂っていました。透き通った醤油味のスープにストレート麺と、とってもシンプルです。でも、東京ラーメンとは違って、ちょっと色が黒っぽく、かつ青ネギがいかにも西日本という感じです。味も東京ラーメンよりもやや濃い気がしました。

勝手に精算機
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勝手に精算機

 チャーシューは、ひるぜん焼そばやかほく冷たい肉そばですっかりおなじみになった親鶏です。かみしめるほどに味わい深くなる、歯ごたえ満点です。

 カップルも含め、なぜか店内のお客さん全員が黙々とラーメンをすすっていたのが印象的でした。

 もっとも興味深かったのが「勝手に精算機」。券売機はありませんし、レジもありません。カウンターの片隅にこの「手動精算機」が置かれていました。20席もない小さなお店なので、券売機は不要かとは思うのですが、別に「1000円お預かりしましたので、500円のお返しです。ありがとうございました」でもよさそうに思うのですが、でも不思議とお金が払いたくなる精算機でした。

旧閑谷学校講堂
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旧閑谷学校講堂

 ラーメンを食べ終えるのが待ちきれないような気分で、一直線に全手動精算機へと向かいました。

 その後は、赤穂線の伊部駅で日生カキオコまちづくりの会の谷脇事務局長と落ち合って、旧閑谷学校に連れて行っていただきました。インテリにして勉強好きな僕としては「歴史と伝統のある学校」と聞くとつい立ち寄りたくなってしまうのです。

「しずたに」とはよく言ったものです。山に囲まれたそこはまさに「閑静な谷」。勉学に打ち込むには格好の場所でした。創設以来の講堂もきれいに整備され、この日も、多くの皆さんが床を磨きあげていました。

ゴールイン!!
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ゴールイン!!

 特に岡山藩主池田光政の命でこの旧閑谷学校を作った津田永忠の功績を詳しく知ることができたのが収穫でした。翌日谷脇さんの車で走ることになる岡山市内の海沿いにある広大な平地は、津田が用水や干拓など様々な土木事業によって築き上げたものです。農業用地だけでなく、沿岸部の防波堤なども手がけていて、いかに津田が岡山繁栄の礎を築き上げたかがよく分かりました。

 ご当地グルメにはそのまちの文化や歴史を色濃く反映しているものが多くあります。せっかく現地に行くからには、地元ならでは美味を味わうと同時に、そのまちの歴史に触れて歩くのも、なかなかおもしろいですよ。

(デスク)

2012年12月21日

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