おかわり 想いつなぐ涙の連鎖〜北海道・東北B−1グランプリin十和田



男泣きする畑中舌校長
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男泣きする畑中舌校長

 ブロンズグランプリ、久慈まめぶ部屋。決定の瞬間、小笠原巨樹部屋頭の目がうるむ

 シルバーグランプリ、横手やきそばサンライ’S。三浦勝則会長、受賞スピーチで言葉に詰まる

 ゴールドグランプリ、浪江焼麺太国。八島貞之太王、姫路B−1、北九州B−1に続き、三たび涙の雄叫び

 そして、フィナーレ。今回は主催者側として大会運営を支えた十和田バラ焼きゼミナール(バラゼミ)の畑中宏之舌校長。壇上に呼ばれ、人目をはばからず落涙する。

会場の官庁街通りは駒街道とも呼ばれる
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会場の官庁街通りは駒街道とも呼ばれる

 いい大人がそろって泣く姿に、もらい泣きこそすれども、違和感を感じた人はいなかったでしょう。それほど、それぞれの想いがあふれ出た北海道・東北B−1グランプリin十和田の閉幕でした。

 十和田市は、市内を国道4号線が走るなど、東京から仙台、青森、そして北海道へと通じる重要な交通路に位置しています。戦前は軍馬の生産地としても栄えました。

 しかし、鉄道は八戸経由となり、新幹線も八戸から青森に至り、東北自動車道は十和田湖をはさんで向かい側の秋田県、青森県津軽地方を経て青森へと至るようになりました。

もうすぐ秋、奥入瀬の紅葉も魅力的
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もうすぐ秋、奥入瀬の紅葉も魅力的

 十和田湖、奥入瀬渓流という観光資源には恵まれるものの、市街地中心部がかつてのにぎわいを失いつつあることは明らかでした。昨年3月末には、三沢と十和田市中心部を結んでいた十和田観光電鉄も廃止になりました。

 そんな十和田にかつてのにぎわいを取り戻したいと活動してきたのがバラゼミです。

 牛のバラ肉を大量のタマネギとともに地元特産のニンニクを効かせたあまじょっぱいたれで焼く「十和田バラ焼き」をひっさげて、2010年のB−1グランプリin厚木に初出展、以来3年連続で上位入賞を果たしてきました。

十和田バラ焼き
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十和田バラ焼き

 そんなバラゼミが、満を持して臨んだのが今回の北海道・東北B−1グランプリです。

 バラゼミのメンバーは美容室や印刷業、電気工事、プロパンガス店…飲食業以外の職業を本業とする人たちばかりです。

 彼らが本当に売りたいのは、十和田というまちそのものです。バラ焼きという十和田ならではご当地グルメを前面に押し出すことで、ひとりでも多くの人に十和田に足を運んでもらいたい、十和田の良さを知ってもらいたい、それで十和田が元気になってもらいたい――。

高校生たちが十和田の魅力をアピール
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高校生たちが十和田の魅力をアピール

 そうした想いが、彼らの精力的な活動の原点です。

 それは、まちおこしの次世代をになう若い人たちに活動へ参加してもらうことにも現れています。

 2011年のB−1グランプリin姫路から、地元にある十和田西高校の生徒たちがバラゼミに参加。今回も調理や料理の提供はもちろん、清掃作業など、西高生たちの奮闘が大会の運営を支えました。

 今やバラゼミの中核と言っていい、活躍ぶりです。

 そして、今大会からは小学生がその輪に加わりました。

自ら育てた唐辛子で作った一味を提供
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自ら育てた唐辛子で作った一味を提供

 まず取り組んだのは食材づくり。小学生たちが十和田バラ焼きに不可欠なタマネギとトウガラシの生産に取り組んだのです。

 単なる話題づくりなら「会場内で小学生がバラ焼きを提供」だけでも良かったのかもしれません。

 しかし、タマネギ・トウガラシづくりから取り組むことによって、小学生たちの参加意識が格段に高まったでしょうし、長期的に取り組むことの大切さ、そして達成感も味わったはずです。それは故郷・十和田への愛の深さにもつながったに違いありません。

キャベツマンのステージにも高校生が参加
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キャベツマンのステージにも高校生が参加

 昨年11月には、プレ大会として「ご当地グルメ博in十和田〜けっして争わないバラ戦争〜」も開催しました。

 その際、本荘ハムフライ・ハム民の会が機材の手配ミスから十分な提供数が確保できず、初日に大行列を作ってしまったことがありました。

 しかも、機材を増やして臨んだ2日目には「もう待たせたくない」という強い想いから、逆に午前中で食材をすべて使い切ってしまったのです。

 ハム民の会は「今度こそ最後まで提供し続ける」と大量の食材と大人数のスタッフで十和田にやってきました。

黒石よされのパフォーマンス
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黒石よされのパフォーマンス

 それでもハム民の会をはじめ、各ブースの前には大行列ができる。

 そんな時には、いわてまち焼きうどん連合歓隊のキャベツマンがやってきて、汗だくのパフォーマンスで行列の人たちを和ませます。

 やきそばのまち黒石会は日本三大流し踊りのひとつといわれる「黒石よされ」で場を盛り上げます。よく見ると踊りの輪の中には地元の高校生たちも混じっています。

 18万人の集客とまちのにぎわいを支えたのは、バラゼミや十和田の市民だけではなかったのです。

畑中舌校長が自ら甲府を訪れて出展要請
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畑中舌校長が自ら甲府を訪れて出展要請

 ハム民の会やいわてまち焼きうどん連合歓隊、やきそばのまち黒石会をはじめこの大会に参加したすべての団体の想いと努力が結実した結果なのです。

 今回唯一のゲスト団体として、北海道・東北以外から参加した甲府鳥もつ煮でみなさまの縁をとりもつ隊は、市役所職員が中心の団体です。メンバーは夏休みを充てて、800キロ超のみちのりをトラックでやってきました。

 バラゼミの畑中舌校長は今年3月、大会出展への招請状を手渡すために、甲府を訪れました。

各団体のブースには歓迎のバラも
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各団体のブースには歓迎のバラも

 電話で、FAXで、メールで済む手続きを、わざわざ出向いてまでしたことも、やはり想いの表れです。

 鳥もつ煮の販売が目的なら、契約書をFAXで交わすだけで十分なはずです。

 同志だからこそ、契約書ではなく「想いの交歓」が必要だったのです。

 そして今回ゴールドグランプリを受賞した浪江焼麺太国。原発事故でまちおこしすべき故郷に立ち入ることすらできない彼らにとって、焼そばの提供そのものが「浪江」の名前を守る活動になっています。

 バラゼミでは、十和田バラ焼きのアンテナショップ「司」でなみえ焼そばの提供を続けています。

司のなみえ焼そば
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司のなみえ焼そば

 地元に提供する店を持てない太国。たとえ十和田であっても、いつ行ってもなみえ焼そばが食べられる店をというバラゼミの想いです。

 十和田でなみえ焼そばを提供するにあたっては、太国メンバーから調理方法の指導を受けて本来の味を守り、収益も太国の活動資金に充てられています。

 そんな十和田の大会で、浪江のゴールドグランプリ獲得。太国のメンバーはもちろん、バラゼミ・メンバーの感激もひとしおだったはずです。

全員で大会を作り上げた
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全員で大会を作り上げた

 大会の閉会式、会場となった相撲場の土俵を囲んで肩を組んで喜びを共有した地元・十和田の皆さんと出展20団体の皆さん。様々な想いの積み重ねが、涙の連鎖になったのです。

 B−1グランプリはたった2日間かもしれないが、その結果にはその2日を除いた363日の間にどんな活動をしてきたかが表れる――。

 バラゼミ畑中舌校長の口ぐせです。

 まさに363日の積み重ねが表れた北海道・東北B−1グランプリin十和田でした。

(デスク)
2013年9月13日

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