番外編 白くないあっさりスープの八幡浜ちゃんぽん(デスク)

甘口3連発
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甘口3連発

 大洲のいもたきを食べ、ラジオに出演する野瀬と駅で別れた僕らは、少し大洲の町中を散策することにしました。

 まず訪れたのは「大洲まちの駅 あさもや」です。地元食材をチェックしてまわりました。野瀬が指摘しているように、愛媛の味は甘い。特に味噌は麦味噌特有の甘さが際立っています。甘さこそが「セールスポイント」なのでしょう、店で売られている味噌のパッケージにはやたらと「甘」という文字が目につきました。

 正直なところ、東京モンにはびっくりするくらいの甘さでした。まっ、それも愛媛ならではの味ということなんでしょうね。

ノセをノセて走る特急列車
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ノセをノセて走る特急列車

 続いて、毎年8月の終わりに多くの人々が集まり大鍋でいもたきを楽しむ「いもたき初煮会」が開催されるという肱川の河原に下りてみました。対岸には大洲城跡も見える広大な河川敷です。川を抜ける風がとても気持ちいい。

 ちょうど野瀬を乗せた特急列車が僕らの目の前を駆け抜けて行きました。

 河川敷はほんの数日前まで台風の影響で冠水していたそうで、帰るときには車のタイヤがぬかるみにはまってしまいました。脱出のため盛大に泥を跳ね上げ、坂本さんがお兄さんから借りてきたという車は見事なまでに泥だらけになってしまいました。お兄さん、あとで床下まで念入りに洗車したので、許してくださいね。

じゃこてんうどん
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じゃこてんうどん

 そこから八幡浜へ向かいました。ちゃんぽんのまちです

 とはいえたった今、大盛りいもたきを食べ終えたばかりです。はしごして食べる胃袋の余裕はありません。坂本さんおすすめの「カレーちゃんぽん」「冷やいちゃんぽん」に狙いを定め、フェリー乗り場近くのフジ観光に向かうます。しかしあいにくと準備中。普段の行い悪いですからね、僕は。しかたなくフェリー乗り場の上にある「レストランマリン」でちゃんぽんを食べることにしました。

 愛媛に敬意を表して、まずはじゃこてんうどんから。八幡浜にちゃんぽんを食べに来たんじゃないのかって? まぁ、そうですが、愛媛に来たら一度はじゃこてんうどんを食べておかなきゃならないでしょう。

みかんジュースも飲みました
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みかんジュースも飲みました

 確か愛媛県の条例で旅行者は、一度県内に足を踏み入れたら、じゃこてんうどんを食べないままに県外へ出ることを禁じられてるはずじゃなかったでしたっけ? 県境にも検問所があったような…。

 冗談はさておき、ちょっとやわめのうどんとじゃこてんの組み合わせがよかったです。出しもやさしい。麺も出しもやさしいだけに、これがいわゆる「丸天」だったら、ゆる過ぎになっちゃうんじゃないでしょうか。練り物の中でもパンチのあるじゃこてんだからこそ、このやさしいうどんに合うんじゃないかと思います。

八幡浜ちゃんぽん
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八幡浜ちゃんぽん

 さて、肝心の八幡浜ちゃんぽんです。

 八幡浜のちゃんぽんは長崎や久留米、水俣などとはかなり見た目の違うちゃんぽんです。スープは白濁していません。鶏ガラをベースに魚介の出しを加えたうっすら茶色いスープです。味もあっさり。

 また、ちゃんぽん麺のように見えるのですが実は太めの中華麺、というのも八幡浜ちゃんぽんの特色です。ちゃんぽん麺でもなく普通の中華麺でもなくもちろんうどんでもなく…、独特の食感を持った麺なのです。

メニューは八幡浜ちゃんぽんの解説入り
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メニューは八幡浜ちゃんぽんの解説入り

 そういう意味では以前紹介した尼ちゃん=尼崎ちゃんぽん同様、全国的には通用しずらい、八幡浜固有のちゃんぽんといえます。これをひとめ見て「八幡浜ちゃんぽん」とわかる人、さらには地名をつけずに「ちゃんぽん」と無意識のうちに言える人は、間違いなく地元の人でしょう。

 今回食べたのは直球の「ちゃんぽん」と「特製海鮮ちゃんぽん」です。そもそもデフォルトのちゃんぽんでさえ「海鮮ちゃんぽん」と呼んで差し支えないほど魚介が入っていますから、この「220円の差額」はいったい何なのでしょう?

 みんなで腕組みして考えた末、「海鮮」が「特製」になるのではないかと推測しました。腰の曲がっていた海老がしゃんと背筋を伸ばしてみたり、貝がカラを従えて威風堂々としてみたり…。それが「220円の差額」なんじゃないかと考えたのです。

特製海鮮ちゃんぽん
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特製海鮮ちゃんぽん

 ところがどっこい、確かに具は立派にはなってはいましたが、それ以上にスープが違っていました。そもそも全く別物のスープでした。デフォルトの「チャンポン」は鶏ガラベースですが「特製海鮮」は明らかに魚介ベースのスープなのです。

 そのスープがまたおいしいんですよ。あっさりしていて味わい深い。魚介のいい出しが出ていて、それでいて和食じゃなくてきちんと中華のスープになっている。鶏ガラの方が八幡浜ちゃんぽんのデフォルトなんでしょうけど、個人的には「特製海鮮」の味は気に入りました。

 さすがは海のまちですね。

◇  ◇  ◇


挑むのは6人
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挑むのは6人

 おまけにもうひとネタ。

 三津浜焼きと天ぷら中華の超メガトン級2品の間に挟まってすっかり存在感を失ってしまったのが、松山から西条に向かう途中に立ち寄った「道の駅 風早の郷 風和里(ふわり)」での鯛めし暴れ食いです。

 暴れ食いは嘘になるか…。暴れ「並べ」あるいは暴れ「持ち帰り」が正しい表現になるかと思います。

 なにせ、牛脂たっぷりの三津浜焼きの直後です。灼熱の行田暴風雨の青森、そして晴れっぱなしの愛媛へと3週連続、怒涛の爆食行脚の僕でなくたって入りゃしませんよ。

三津浜の鯛めし
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三津浜の鯛めし

 宇和島風の刺身をご飯にのせて食べる鯛めし=ひゅうがを食べてはいましたが、愛媛に来たからには、やはりお米に鯛をのせて炊き込むあの鯛めしも食べておかねばいけないかと…。なにせ四国初体験ですから。

 道の駅で地元有名店の鯛めしが買えるということなので、蓄積疲労も満腹も何もかもすべて忘れて立ち寄ったわけです。で、ぜんぶで5品。

 三津浜で坂本さんが「食べ比べ用に」と買っておいた鯛めしに加え、地元・北条の老舗という太田屋の鯛めし、同じくたこめし、坂本さんがよくお昼ご飯にしているという太刀魚めし、さらに「いずみや」を購入しました。

北条の鯛めし
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北条の鯛めし

 これがずらっと並ぶと…なんか無意識のうちに目を背けてしまうんです。他のみんなもカラダが引いていました。坂本さん以外は。野瀬が周囲の目を避けるようにトイレへ逃げ込んでいたのも僕は見逃しませんでした。

 で、一口ずつ味見だけはさせていただきました。

 三津浜の鯛めしと北条の鯛めしはかなり違いがありました。この日は特にだったようですが、北条の鯛めしはかなり「硬炊き」でした。逆に三津浜の鯛めしはふわふわ。写真でもその違いがわかると思います。

北条のたこめし
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北条のたこめし

 ハラの具合は別として、個人的には北条の「硬炊き」の方が好みでした。

 たこめしも同様ですね。見た目からもわかるように味がしっかりとしています。大量に残してしまいましたが、翌朝にお湯をぶっかけて掻き込めばさぞかしおいしかろうと思いました。

 太刀魚めしは、鯛めし以上に魚の身が保護色で、存在感が薄いですが、味の面ではしっかりと主張していました。おかずもついて350円という値段がいいですよね。北条の鯛めし同様どっしりとしたご飯なので、サイズの割に食べ甲斐があろうかと思います。むろん食べ切ってませんが…。

太刀魚めし
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太刀魚めし

 そしてしんがりは「いずみや」。お店の名前じゃありません。もちろん「コノヤロー!」でもありません。料理名だそうです。おからのにぎり寿司です。

 握りずしのしゃりの部分がおからになっているんです。しかもちゃんと酢飯ならぬ酢おから。これにコノシロを酢でしめたものをのせてにぎり寿司風にしてあります。

 これ、満腹じゃなかったらつまみにして一杯やりたかったです。酢がかなりきつめに効かせてあって、いままで経験したことのない味でした。

いずみや
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いずみや

 結局、坂本さんがひとり善戦した以外は、我々は鯛めしとの戦いに惨敗したのでした。完全試合こそ防いだものの、ノーヒットノーランを喫してしまった、そんな気持ちです。残ったご飯たちはおみやげとして地元の皆さんの鞄の中へと散り散りになっていきました。

 そしてここから「本当に食えるのかなぁ」という疑念を強く抱きつつ、天ぷら中華の西条へと向かったのでした。

※愛媛県実食編「鯛はこうして食べた伊予」はこちらからご覧ください

2011年10月7日

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