おかわり 嗚呼、あこがれの餅街道



三重からやってきた和菓子アベンジャーズ
<写真を拡大>

三重からやってきた和菓子アベンジャーズ

 伊勢神宮へとつながる参宮街道は、「餅街道」とも呼ばれるほど多くの菓子店が軒を連ねているとか。ということは三重にはいわゆる銘菓が多いのか?と思いウィキペディアで「日本全国の銘菓」の項を引くと、三重の銘菓として30ものお菓子が挙げられています。これは北海道、東京、そして鹿児島に次ぐ多さ。

 もちろんすべてを網羅したデータではありませんが、ひとつの目安にはなりましょう。

 こうなると、がぜん実食編が待ち遠しくなってきます。

福島では巨大シュークリームと格闘
<写真を拡大>

福島では巨大シュークリームと格闘

 辛党の野瀬の目を盗み、街で見つけた甘いものをホテルでいただき一人悦に入るのが私のひそかな楽しみなのであります。

 しかし、これだけ数が多いとなると、実食編のときだけでは食べ切れそうにありません。すると、ちょうど三重に旅行するという同僚がおりました。もっけの幸いとばかりにお土産を要求します。

「あー、キミキミ。何かお菓子を買ってきてくれたまえ」

「赤福でいいか?」

長崎ではひとりデザートバイキング
<写真を拡大>

長崎ではひとりデザートバイキング

「いや赤福はよく食べてる。それ以外でうまそうなやつを、適当にな」。

 雑な発注をしたにもかかわらず、数日後、私の席に素敵な和菓子の数々が姿を現しました。

 箱や包装紙に書かれた説明書きを読んでみると、いずれも由緒正しいいわれを持つものばかり、しかも歴史が古い。「日本よ、これが和菓子だ!」と言わんばかりの和菓子アベンジャーズに圧倒されつつ、さっそく手を伸ばします。

 まず、笠の形をした「平治せんべい」。

平治せんべい
<写真を拡大>

平治せんべい

 大正はじめに作られたものだそうです。その名の由来は津市・阿漕(あこぎ)の平治伝説。昔、平治という漁師が病に苦しむ母に「ヤガラ」を食べさせようと、禁猟だった阿漕の海にたびたび船を出していたところ、浜に忘れた笠から漁が発覚。処刑されてしまったという逸話です。

 食べてみると昔なつかしい、甘いせんべいでした。この伝説は「あこぎ」の語源になったとされていますが、もともとは「度重なること」の意味だったようです。そこからしつこい、ずうずうしい、と意味が変わり、現在のような用法になったとか。アコースティックギターとは直接関係ないみたいです。

関の戸
<写真を拡大>

関の戸

 次に亀山の「関の戸」。集合写真でご覧いただくと分かるのですが、直径3センチほどの、かわいらしいお菓子です。こしあんを薄い餅で包み、和三盆を振りかけたもの。シンプルですが完成度の高い味わいです。

 関の戸を作っている店は江戸時代・寛永年間(1624年〜1645年)の創業。少なくとも370年以上の歴史があることになります。寛永年間の大事件といえば、徳川幕府を揺るがした島原の乱。その時代から作られていたと考えると味わいが一層深まります。

 おっ、野瀬特別編集委員にぴったりの一品が出てきましたよ。松阪市の「老伴(おいのとも)」です。

老伴(おいのとも)
<写真を拡大>

老伴(おいのとも)

 野瀬 オイ、オイ、老いてはいないよ。年食ってるだけだ。

 いやいや、おめでたいお菓子なんですよ。表側のモナカの皮に描かれている模様は、中国で前漢の時代に焼かれた古い瓦に刻印されていたという図案。縁起のいい鴻(こう、おおとり)が広げた翼の両側に「延」と「年」の文字が書かれ、長寿を連想させます。当初は「古瓦」として売られたそうですが、後に松阪の豪商・三井高敏の提案で「老伴」となりました。

 裏を返すとこちらに皮はなく、小豆の色も鮮やかな羊羹が顔を出します。一般的なモナカは、皮の存在感が強すぎていまひとつ苦手な自分ですが、これは皮と小豆のバランスが絶妙で大いに気に入りました。

 このお菓子が誕生したのは天正3年(1575年)。長篠の合戦で織田・徳川連合軍が無敵と言われた武田の騎馬隊を打ち破った年です。

なが餅
<写真を拡大>

なが餅

 そして、四日市市の「なが餅」。創業は天文19年(1550年)といいますから、モンゴルのアルタン・ハーンが北京を包囲した年ですね。

デスク 分かりにくいよ!

 小豆のあんを包んだ餅は、焼き色が鮮やかなのでぱりっとした食感かと思ったら意外にもやわらか。名前こそ「ながもち」ですが、生菓子なのでお土産にいただいたら、まず消費期限を確認しておきましょう。

 三重にはこれらの歴史ある銘菓だけでなく、「地上の星」などニューフェースも数多くあるとのこと。すでにお菓子についての投稿もいくつかいただいていますが、「これは知らないだろう」という隠れた名品の情報もお待ちしています。

(一芸)

2012年11月30日

【PR】

【PR】

【PR】

大人のレストランガイド

大人のレストランガイド

NIKKEI×ぐるなびが提供する、大人のためのグルメガイド。接待や会食、ビジネスシーンなどにおすすめのお店情報をご紹介。

ぐるなびWoman

ぐるなびWOMAN

女性のための女子会・デートのグルメ情報サイト。おすすめのレストランや居酒屋をこだわりやシーンに合わせて検索できます。

ぐるなびWedding

貸切パーティコレクション

企業向け貸切、OB会etc… 少人数〜大人数でも貸切OKのレストラン

結納・顔合わせ

特別な日を過ごすための完全個室のお店情報や、マナー・段取りまで

このサイトについて

日本経済新聞社について