おかわり 体育会系丼飯とデカすぎタコ焼(デスク版実食編 上)



池上製麺所
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池上製麺所

 怒濤のうどん県2泊3日の旅は、野瀬と同じあの人から始まりました。

 羽田からの始発便で高松空港に降り立ち、ちょっと時間をつぶして向かったのは、数あるさぬきうどん店の中でも屈指の人気店「池上製麺所」です。

 朝10時の開店時間、平日でさらに雨まで降っているというのに、店頭にはすでに開店を待つ人が。駐車場にも車内で開店を待つ車が多数います。

 噂通りの人気ぶりです。

うどんを受け取る窓口
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うどんを受け取る窓口

 開店とともに行列が動き出すのですが、まずびっくりさせられたのが、行列が店の出入り口ではなく、隣の建物の中に吸い込まれていくことです。

 僕が当初「店」と思っていたのは、壁こそあるものの広いカーポートのような簡易な建物で、そこにずらっと椅子とテーブルが並べられています。隣の小さな建物が実は母屋で、そこにキッチンがある。

 母屋に入ってすぐの窓口で注文したうどんを受け取ったら、その奥にある天ぷらスペースでトッピングを選び、カーポートとの境目にあるレジでお金を払って、テーブルについて食べる、というシステムです。

釜玉うどんとアナゴ天、ナス天
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釜玉うどんとアナゴ天、ナス天

 食べたのは釜玉うどん。

 窓口から調理風景を観察すると、まず丼に卵を溶き、そこにゆであげのうどんをザルに受けて投入しています。いわゆる「湯切り」をしていません。

 ゆでたての麺の熱で溶き卵が麺に絡むと同時に、余分なお湯がちょっとスープのようにもなるのです。

 トッピングは、ともに好物のアナゴ天とナス天

 テーブルにはだし醤油と濃口醤油が用意されていて、好みでかけ回して食べます。

うっすら固まりかけた卵
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うっすら固まりかけた卵

 麺の余熱で、いい感じに卵が半熟というか微熟になっています。

 東京でチェーン店のうどんを食べ慣れた感覚からすると、麺はびっくりするほどソフトな歯触りです。決して柔らかいわけではありません。歯にはしっかりコシを感じるのですが「硬さ」ではないのです。麺のコシ≠硬さということを改めて実感しました。

 ふと気づくと味見でしょうか、るみばあちゃんが店内でうどんをすすっています。お店の「顔」だけに、存在感抜群です。食べ終わった人たちと気さくに会話しています。

るみばあちゃん、お決まりのポーズ
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るみばあちゃん、お決まりのポーズ

 せっかくですので、僕も声をかけてみました。サービス精神旺盛で「ぜひ写真を」と乞うと、ポーズをとってくれました。

「るみ子デビュー」を終えて次に向かったのは、タケモトさんから情報をいただいた香川大学医学部付属病院の売店。大病院ですから、売店も「大」。

 病院の売店というよりは、道の駅です。日用品から弁当などの食品までコンビニ的な品揃えはいかにも病院の売店ですが、食品類はナショナルブランドだけでなく、地域性を打ち出した商品が目に付きます。

しょうゆ豆味ののアイス
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しょうゆ豆味ののアイス

 何と産直野菜まで扱っています。

 希少糖ヨーグルトも、もちろんありましたよ。

 そんな中で僕が選んだのは「瀬戸内アイスしょうゆ豆味」。香川県のご当地グルメ、しょうゆ豆のアイスです。

 甘く煮たそら豆が細かく砕かれてアイスに入っているのですが、全く違和感なくおいしく食べられました。

 るみばあちゃんのうどんがまだ胃に残っています。腹ごなしに観光スポットを回りましょう。

津田の松原
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津田の松原

 まずは、東讃の観光名所、津田の松原です。弧を描くようにカーブした砂浜と松林の組み合わせがいい眺めです。

 これぞ日本の海水浴場、って感じです。

 ここから瀬戸内海に沿って西へ向かいます。ちょっと時間に余裕があったので、志度に立ち寄りました。

 お目当ては、平賀源内記念館。

 エレキテルで知られる江戸時代の奇才・平賀源内はここ志度の生まれなのです。

平賀源内記念館
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平賀源内記念館

 子どものころに見たテレビドラマ「天下御免」で描かれた平賀源内のイメージが強烈で、ぜひともその足跡を知りたいと思いました。

 発明はもちろんのこと、起業家でもあり、作家でも、芸術家でもあり、そもそもは本草学という今の薬学の専門家であった平賀源内。あまりの博学ぶりとイノベーティブな発想に、改めて驚かされました。

 さぁ、何とか腹もこなれてきました。次なるターゲットは、野瀬から全面的に委任されたかしわバター丼です。

かしわバター丼
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かしわバター丼

 向かったのはNHK高松放送局の隣にある「武内食堂」です。

 地味な外観で、何度か店の前を通り過ぎてしまったほどです。店内も「きたなシュラン」系。野瀬はもちろん、たぶん女性は無理ですね。完全オトコノコ仕様。

 何よりかしわバター丼が、圧倒的なオトコノコ飯です。

 普通に「かしわバター丼ください」と注文したのに「大ですか?」という反応。ここで「いや普通で」と言ったらオトコが廃りますよね。

圧倒的なボリューム
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圧倒的なボリューム

 でも、それが失敗でした。

 たっぷりの鶏肉をニンニク、ショウガ、醤油、酒、コショウ、そしてバターで炒めたものがきざみのりを座布団にして丼飯に乗っかっています。仕上げにはネギをパラリ。

 テーブルに山椒が用意されているのですが、これをかけると、猛然と箸が進みます。単純明快な味。丼でわしわし食べる味。

 しかも、店の隅の炊飯ジャーの上には「カレー無料」の張り紙ジャーの中身はカレーです

お願い、もう許して!
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お願い、もう許して!

 反対側に目を移すと冷蔵ケースに「玉子無料」。

 ポットに小分けしたカレーを食べつつ、溶き卵をぶっかけたかしわバター丼をほおばる。これって体育会系の丼めしです。量もハンパじゃない。でも、魅力的。

 結局、かしわバター丼(大)に生卵2個、カレー(ルーのみ)を平らげて「お願い、もう許して!」状態で店を後にしました。

 たどり着いたのが三豊市。

駄菓子屋風、でも看板は「パーマ婚礼着付」
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駄菓子屋風、でも看板は「パーマ婚礼着付」

 お目当ては、たこ判です。

 たこ判は、食べ盛りの子どもたちの「もっと大きなたこ焼が食べたい」という願いに応える形で誕生した、香川県ならではの食べ物です。

 本来は丸く作るたこ焼を、大判焼・今川焼の型を使って焼いたものです。

 たこ焼由来ですから、そもそもはおやつであり、行ったお店もまさに駄菓子屋の風情。駄菓子屋の一画に鉄板がある風景は、富士宮や伊勢崎などで、これまで何度も見てきました。

たこ判
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たこ判

 人気ナンバーワンという卵が入った卵たこ判、120円を頼んだのですが、パックを開けてビックリ仰天。ソースとマヨネーズにまみれておでましになったのは、おやつなどとは呼べない巨大なシロモノでした。

「もっと大きな」ではなく「デカすぎる」たこ焼です。

 確かに今川焼サイズなんでしょうけど、上下の結合部分からは南部せんべいの「みみ」のようにタネが飛び出しています。たぶん、お好み焼き1人前分くらいの量になっていると思います。

具もたっぷり
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具もたっぷり

 これで120円は驚愕の安さですが、何せかしわバター丼(大)の余波が大いに残っている胃袋です。消化能力の衰えた51歳には、試練といえる量でした。

 箸で割ると、具もたっぷり。味もたこ焼というよりはお好み焼です。いくら育ち盛りとはいえ、ちいさな子どもたちが、おやつにこの量を平らげられるのでしょうか?

 かしわバター丼(大)と「デカすぎるたこ焼」の攻撃に、初老の胃袋は耐えられませんでした。高松に戻りホテルにチェックインしても、どうにも満腹感が収まらない。

瀬戸内の魚、3点盛り
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瀬戸内の魚、3点盛り

 夜は、A-changさんから情報提供があった鳥肉入りお好み焼きを食べに行く予定だったのですが、体が動かない。

 少しでも腹をこなそうと、閉店時間ぎりぎりまで粘ってお店に向かったものの、不幸にしてといおうか、幸いにしてといおうか、ラストオーダーの時間を過ぎてしまっていました。

 正直、ほっとしました。この上、コナモンは食べられません…。

 結局近くの居酒屋に入り、ハモ、アジ、タコという地物の刺身の盛り合わせで燃料補給をするものの、エンジンの回転数はいっこうに上がる気配を見せません。

YS−11は国産プロペラ機
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YS−11は国産プロペラ機

「オトコノコの日々」は遠くなりにけりです。

 翌朝、ホテルの朝食バイキングは、市内で大規模なスポーツ大会があるとかで、運動少年、少女たちでごった返しています。

 みんなよく食べるなぁ。

「オトコノコの日々」を懐かしんでいたら、ふと、高松空港に着陸したときのことを思い出しました。ターミナルの反対側に、懐かしい国産プロペラ機YS−11が展示されていたのです。

日本一長く現役で走り続けた電車
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日本一長く現役で走り続けた電車

 思い立って、YS−11を見に行ってきました。

 昭和44年に初飛行し、平成9年に退役、翌年高松にやってきた機体だそうです。うーん、ハートだけはまだまだオトコノコ。こういうのを見るとわくわくします。

 すぐそばには、ことでん60形62号という電車も展示されていました。大正2年から京急で29年間、東急で6年間走った後、昭和23年に香川県の「ことでん」(高松琴平電気鉄道)にやってきて、平成14年までの89年間、日本一長く現役で走り続けた電車だそうです。わお、すごい。

男木島の村上商店
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男木島の村上商店

 ことでんは古い電車を大切にしていることで有名な鉄道会社です。仏生山の工場にはいまだ現役で走れるレトロな車両も保存されていました

 さぁ、食の探訪に戻りましょう。

 nozakiさんから情報提供のあった女木島男木島に向かいます。島々をオープンなアートスペースにして繰り広げられた瀬戸内国際芸術祭の名残があちこちに残されています。

 男木島では名産のたこを食べました。

たこ天
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たこ天

 男木島は面積が狭く、また地形が険しいため、島外からの車の乗り入れが禁止されています。島内には公共交通機関がないため、観光も徒歩です。

 ちょっと早いですが、まずは燃料補給することにしました。港にある村上商店はたこ入りお好み焼が名物なのだそうですが、前日のたこ判による憤死に鑑み、たこ天とたこ入り焼きうどんを食べることにしました。

 話し好きのおかあさんが仕切る台所は、まさに家庭そのもの。味も素朴な家庭料理です。

たこ入り焼きうどん
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たこ入り焼きうどん

 添え物というか、量ではたこを圧倒してしまっている野菜は、すべて自家菜園で獲れたものだそうです。

 自慢のたこは歯ごたえしっかり、噛みしめるほどに味が出ます。野瀬には無理かな。

 調理ものんびりで、お昼ご飯を食べに来たというよりも、田舎のおばあちゃんを訪ねてきた、そんな雰囲気でした。

 さて、灯台へ。「帽子なくて大丈夫? 日傘持ってく?」とやさしいおかあさんに見送られて急な坂道を上りはじめます。

美しい男木島灯台
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美しい男木島灯台

 往復約1時間と聞いていたのですが、最初の急坂以外は比較的なだらかで、20分ほどで灯台にたどり着きました。

 男木島灯台は、木下恵介監督の映画「喜びも悲しみも幾歳月」の舞台のひとつとなった灯台です。全国でも珍しい御影石造りの灯台は、海をバックにするととても美しい。いまは無人灯台となり、職員宿舎跡は男木島灯台資料館になっています

 帰り道では、島の人が運転する軽トラックから声がかかりました。

鬼ヶ島大洞窟には鬼がいっぱい
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鬼ヶ島大洞窟には鬼がいっぱい

「荷台、乗って行きます?」

 村上商店のおかあさんといい、気さくで親切な人ばかりです、男木島。

 女木島ではやはり観光名所の鬼ヶ島大洞窟を訪れました。

 洞窟の中には、あちこち小部屋があり、中には鬼の顔をした瓦がたくさん積まれています。瀬戸内国際芸術祭に出展した「オニノコ瓦プロジェクト」という作品です。

海の向こうには高松のまちが
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海の向こうには高松のまちが

 山の上の洞窟から港までは、歩いて戻ることにしました。

 坂道からは港はもちろんのこと対岸の高松のまちまで一望できます。いやぁ、いい眺め。バスなんか乗ったら損です。

 船の形をしたグランドピアノ「20世紀の回想」や岸壁にたくさんのカモメが描かれた鉄板が並ぶ「カモメの駐車場」など、アート作品を堪能しながら、のんびり散歩を楽しみました。

 高松港からは屋島へ。

 高い山の上からは、女木島男木島が一望できます源平合戦の古戦場も

 瀬戸内海ってホントいいなぁ。

(デスク)

「オリーブの島のそうめんパスタ(デスク版実食編 下)」に続く  

*映像はflashビデオです。一部機種では再生できないことがあります。ご容赦ください。

9月5日

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