第200回 愛知県ご当地グルメ(その4、最終回) 「みそトースト」の誘惑

特別編集委員 野瀬泰申


愛知県

 いわゆる「なごやめし」から菓子類まで、様々な味が登場した愛知県編もいよいよ最終回です。過去3回も大活躍してくれた名古屋のす〜さんから届いている、愛知県の食を語る上で欠かせないものを中心に一挙に愛知の食文化をおさらいしていきます。
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(「食べB」へ初めて訪れた方は「食べB入門編」をご覧下さい記事の県別一覧はこちら食についてのメール投稿先はこちら

秋の大分は紅葉真っ盛り
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秋の大分は紅葉真っ盛り

 11月下旬の3連休を利用して大分県実食の旅に出た。爆食系はデスクに任せ、私はJRを乗り継いで県南の佐伯市と西部の日田市を訪ねた。

 やはり行ってみないと本当の地元の食はわからない。これまでわかっていたつもりのものが簡単に覆される。

 実に美味しく楽しく、新たな発見に満ちた旅だった。

 今回も愛Bリーグの仲間に助けられた。愛Bリーグのネットワーク力のすごさを改めて思った。

3連休で観光スポットは「原宿竹下通り状態」
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3連休で観光スポットは「原宿竹下通り状態」

 旅の様子は次回にリポートする。

 そして来週の12月5日、偶然が重なって5日に2つの番組にでることになった。

 まず午後6〜8時、BSジャパンで「食の産業遺産の旅

 午後11時からBSジャパン「あの年この歌

である。

 一応社業として出演しているので、宣伝しなくちゃ。

デスクが食べに行った美唄やきとりは炭砿メシ
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デスクが食べに行った美唄やきとりは炭砿メシ

 皆さんに是非とも見ていただきたいのは「食の産業遺産の旅」である。ご当地グルメの成り立ちを考えていくうちに、地元にあった、あるいはいまもある産業との濃厚な関係が見えてきた。こういう視点での食の番組はあまりなかったと思う。

 金曜の夕方なので時間がない方は録画を。

 さて愛知県編も最終回。麺類の話から。

にかけうどん(名古屋のす〜さん提供)
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にかけうどん(名古屋のす〜さん提供)

MNo.21

 子どものころからのソールフードといえば、これ!
「にかけうどん」です。
 かつお節で出しを取った汁の中にうどんが入り、ほうれん草(または他の青物)、かまぼこ、ネギがのりその上から花かつおがたっぷり。
 三河のうどん屋では、かけうどんがなく、にかけうどんが一番安いシンプルなメニューです。
 花かつおが丼にのったメニューを考えると、尾張のきしめんもそうですし、正月の雑煮も青菜に花かつおですね。主食となる汁物は同じ形態なのがおもしろい。
 そしてこれは間違いなく愛知の県民食!スガキヤの「肉入ラーメン」です。

スガキヤのラーメン(名古屋のす〜さん提供)
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スガキヤのラーメン(名古屋のす〜さん提供)

 スガキヤは地方のスーパーなどのフードコートに必ずあるため、愛三岐の人は結構食べているのではないでしょうか。今でもラーメン300円ですからね。学校帰りでも食べられる価格だし。昼間は子連れのお母さんと子どもであふれています。
 それから、必ず付いてくるフォーク付きのスプーン。ノリタケとの共同開発で、あのMoMA(ニューヨーク現代美術館)でも認められています。
 でも、あんまり使っているのを見たことありません(名古屋のす〜さん)

浜松にも「にかけ」が
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浜松にも「にかけ」が

「にかけうどん」は東海道を歩いたとき注目した物件。浜松で出現し、四日市で「花かけうどん」と名前を変えて、その先で消滅した。

 麺類に花かつおを散らさないと気が済まない地域を象徴するようなメニューである。

 豊川で愛Bリーグの会議があった折、市内のうどん専門店で、にかけうどんと稲荷ずしのセットを食べた。東三河のご当地メニューとして覚えておこう。

 スガキヤのラーメンは和風マイルドとんこつ味。ソフトクリーム類も置いてあり、ラーメンを食べる人、ソフトを食べる人と様々。

和風マイルドとんこつ味(名古屋のす〜さん提供)
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和風マイルドとんこつ味(名古屋のす〜さん提供)

 メールにあるように母親に連れられた子どもが多いので、母から子へと遺伝する。

 私は箸に全く頼らず、スプーンの先端にフォークがついたような「ラーメンフォーク」だけでラーメンを完食した。そのことを自慢らしくどこかに書いたことがある。

 名古屋のす〜さんの「愛知食べ物図鑑はこちらから。

 続いて郷土料理系。

五平餅(いけずな京女さん提供)
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五平餅(いけずな京女さん提供)

MNo.22

「五平餅(御幣餅)」というたら、飛騨高山の名物が有名ですね。
 岡崎の八丁味噌の蔵元を訪問した際、「奥三河にも五平餅がある」と教えていただきました。「五平もち」と「もち」は平仮名で表記するのが一般的なようです。
 その後、実物をいただく機会にも恵まれまして、確認したのはタレが豆味噌ベースであること。飛騨高山の五平餅よりもこってりした味わいで、酒の肴にもなります、うふふ(意味のない笑い)
 その発祥には、御幣説ももちろんあるのですが。
「木こりたちが山の神様に供えたもの」「土地の宮大工の棟梁(農民・荷稼ぎ・木こり説もあり)であった五平さんが、毎日お弁当として食べていた」説なども有力です。
 一方、豊田市では「豊田こそ五平餅発祥の地」を掲げ、豊田市民のソウルフードである五平餅を「とよた五平餅」と命名。
「とよた五平餅学会」のみなさんが地産地消、食文化継承に地道にとりくんでおられます。
 こちらの五平餅も、むっちゃ美味しいですよ。ぜひ実食ください(いけずな京女さん)

ひらがなで「もち」(いけずな京女さん提供)
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ひらがなで「もち」(いけずな京女さん提供)

 五平餅は各地に本場説がある。本山荻舟著「飲食事典 」は「南信地方および美濃山間部の郷土食」とするが、信州から飛騨、木曽、東三河に広がる共通文化と言えよう。ただそれこそ御幣の形をしたものや、小判を2枚串刺しにした形のものなど、形状は一つではない。

 そして五平餅の発祥の地はどこであろうなどと書くとゴヘイがあるのでやめる。

発見!(まっどだいまるさん)
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発見!(まっどだいまるさん)

MNo.23

 先日あんかけスパまんを見つけました。確かにあんかけスパの味でしたがまあ一度食べれば満足かと。
 それと尾張地方に守口大根という長い大根を酒粕に何年か漬けた「守口漬」があります。これは名古屋土産として広く知られているのですがここ最近はいろいろな展開をしています。
 守口漬を細かくみじん切りにして生ふりかけなどにして販売するなど工夫も始まっているのですが、大和屋守口漬総本店では守口漬を作る技術を応用して魚のみりん酒粕漬けや鶏肉のみりん酒粕漬けなども作っています。
 名古屋駅やセントレア空港に行くと「鈴波」という魚みりん酒粕漬けの専門店へ行き、銀だら定食を食べるのが定番となっています。

話題の商品(まっどだいまるさん提供)
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話題の商品(まっどだいまるさん提供)

 そこで飲むことができる純米大吟醸の「空」という愛知県産のお酒がまたおいしくてついつい飲んでしまいます。
 ここ最近テレビなどが赤味噌に合わせだしを混ぜ合わせた商品を話題にしています。自分たちは全国で売られていると思ったのですがどうもこの愛知県や東海3県だけのようですね。
 自分たちは昔からカツにかけて味噌カツにしたりおでんにつける味噌にしたりいろいろと使っているのですが、そういうのってこの辺りだけなのだと初めて知りました(まっどだいまるさん)

使い方一覧(まっどだいまるさん提供)
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使い方一覧(まっどだいまるさん提供)

「ヨコイ監修 あんかけスパまん」。うーん、とうとう出ましたか。中華まんの具があんかけスパ。デスクに任せる。

 守口漬は守口大根の粕漬け。奈良漬けの親戚である。お土産にもらったことがある。茶漬けにした。

 でもってイチビキの「献立いろいろみそ」の使い方一覧を見ていてうなった。

「温野菜のみそあえ」「みそ煮込みハンバーグ」「みそトースト」「おにぎり」「そうめんのみそだれ」

パス(まっどだいまるさん提供)
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パス(まっどだいまるさん提供)

 やりますか? そこまで。

 とりあえず「みそトースト」はパス。

 というような状況なので、次のメールのような状況になる。

スイーツも味噌
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スイーツも味噌

MNo.24

 愛知県在住です。もちろん、名古屋めしは大好きです。会社勤めのころ、他都道府県から出張の方があると、名古屋めしを紹介してました。
 最初に聞くのは「味噌関係のほうがいいですか?」「味噌は大丈夫ですか?」。それに合わせて、紹介する料理・店を変えてました。
 名古屋めしも有名になりましたが、ちょっと心配なのが「きしめん」。讃岐系に押され気味で、消費量が減っているそうです。確かに自分も最近は新幹線ホームでしか食べてない気がします(あるけむさん)

そういえば「八丁味噌ビール」も飲んだ(2006年6月)
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そういえば「八丁味噌ビール」も飲んだ(2006年6月)

 ここまで味噌味噌しいと、何も知らずによそから来た人にはカルチャーショックかもしれない。というかカルチャーショックでしょ。

 私も最初は驚いたものである。しかし何度か行くうちに「なるほど」と納得して美味しくいただくようになった。

 でも「みそトースト」はパス。

 次はお菓子を少し。

「生せんべい」(ぎずもさん提供)
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「生せんべい」(ぎずもさん提供)

MNo.25

 B−1グランプリin豊川を訪問した際、同人仲間のガンさんが「知多名物のこれは買って帰らなきゃ!」と教えてくれたのが、蜂蜜入りの「生せんべい」。
 食べてみて、餅なのか生八橋なのかういろうなのか、はっきりせい!という、おいしかったけど説明に悩む不思議スイーツでした。
 購入した田中屋のウエブサイトには「餅菓子の仲間には名古屋のういろう、京都の生八つ橋などがあります。これらのルーツはこの生せんべいらしいとのことです」という記述や、そのまた原型を徳川家康公が食べた伝説もあるとか、愛知県の食べ物は菓子も侮れません(ぎずもさん)

 先週の長さ3.6メートルのそうめんのことも知らなかったが、この生せんべいも初耳。甘いものに疎いのである。でも「せんべい」と言いながら実は餅菓子。古いものであろう。

名古屋の甘味処で食べた「赤味噌ところてん」
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名古屋の甘味処で食べた「赤味噌ところてん」

MNo.26

 赤坂の「虎屋ギャラリー」で開催中の「甘い対決〜和菓子の東西」展を見学してきました。
▽桜餅は、東京では小麦粉を水で溶いた生地、京阪では道明寺粉を蒸した生地で餡を包む。
▽くずもちは、東京では発酵した小麦粉でんぷんを蒸して三角形に切ったもの、京阪では葛粉と砂糖を練りカップに流したり、餡を包んだりしたもの。
▽かき氷、東京ではシロップは下、京阪では上からかける
など、東西の違いをコンパクトに展示、解説してあり、とても楽しい。
「ぜんざい、お汁粉」「ところてん」「せんべい」「粽(ちまき)と柏餅」など、お馴染みの違いネタも満載。

鬼まんじゅう(豊川もりあげ隊のなっちゃん提供)
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鬼まんじゅう(豊川もりあげ隊のなっちゃん提供)

 展示の一角に、出身地のこれぞ!というお菓子をポストイットで貼っていくコーナーがあり、皆さんのひとことが県別にノートに整理されていたので、思わず愛知県のページを繰ってしまいました。
・蒲郡の油菓子
「素揚げのかりんとう」のようなものらしく、ひな祭りのときに食べるそうです。複数投票されていました。
・大あんまき
「藤田屋」お菓子。知立の名物のようです。
・熱田神宮の藤団子
 調べてみました。五色の環を麻ひもで結わえて、藤の花房に見立てた干菓子のようですね。
 他にも「二人静」「千なり」「山海豆」「なごやん」など、思い思いのお菓子の名前がびっしりと書き込まれていました。すでに登場した「鬼まんじゅう」もありましたよ(ミルフォードさん)

新参者?
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新参者?

 甘いものに疎い私ではあるが、東海道を歩いた折、池鯉鮒(知立)の宿で大あんまきに遭遇して写真に収めた。

 ここに挙げられたお菓子はどれも新参者ではなく古参である。「二人静」には個人的な思い出があるが、書くわけにはいかない。にんげんだもの。

 渥美半島にある田原市では「どん丼おいでん委員会」というのが活動しているそうである。

みかわポークしょうが焼丼(丹羽さん提供)
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みかわポークしょうが焼丼(丹羽さん提供)

MNo.27

 田原市は農業生産額全国1位の農業地帯。また3方を海に囲まれた海の幸の宝庫です。平成18年度に特産品開発事業を行う中で、名物料理の開発・普及をしてはとの意見があり、渥美半島の「名物どんぶり」の開発について説明会を開催しました。
 当初は生しらすかき揚げ丼で統一を考えましたが、各店の個人差があり統一どんぶりは断念しました。
 渥美半島の材料を使用した「渥美半島どんぶり街道」として各店が自信をもって提供できる得意料理を開発してはどうかとの提案を受けて、平成21年1月に「渥美半島どんぶり街道」がスタート。

豚の角煮丼(丹羽さん提供)
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豚の角煮丼(丹羽さん提供)

 みかわポークや大アサリ、豊富にある海産物や農産物などに加え、それぞれのお店のアイディアと工夫が盛りだくさんの丼で、スタートから大盛況が続いています。
 さらに新規店舗を募集し、一般参加による投票を経て、11店舗追加(3店が抜け)。全30店舗で平成23年1月よりリニューアルスタートしました。
 いまは新規店舗4店舗が加入、メニュー変更が8店舗と43店舗中12店舗が新メニューとなる予定です。脱退が5店舗あり、42店舗で実施中です。
 平成21年1年で約10万食。平成22年は1年で約8万食。平成23年は1年で約12万食という実績があります。関東や関西などからも足を運ぶどんぶり街道ファンも多いです(渥美半島観光ビューローの丹羽さん)

雨ニモマケズ…岩手といえば宮沢賢治とキャベツマン?
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雨ニモマケズ…岩手といえば宮沢賢治とキャベツマン?

 ご当地グルメとしてではなく、渥美半島にどんな食材があるのかを見るにはいいのではないか。

 ということで愛知県編を無事終了する。思った通り愛知は深い。実食の旅はよほど事前に練らないといけないようである。

 次回は大分実食の旅リポート。その後から岩手県編がスタートする。ではご関係の方、準備をよろしく。

(特別編集委員 野瀬泰申)



愛知県編(その1) カレーうどんだぎゃー

愛知県編(その2) 味噌味噌ラシド♪

愛知県編(その3) このそうめん、長さ3.6メートル

愛知県編(その4) 「みそトースト」の誘惑

愛知県実食編 ごも飯食べて頑張ろう


 


●筆者(特別編集委員 野瀬泰申)へのお気軽メールはこちら(tabeb@nex.nikkei.co.jp

2014年11月28日

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