第190回 沖縄県ご当地グルメ(その4) できたて豆腐を湯切りして

特別編集委員 野瀬泰申


 多くの情報をいただいて予想以上の盛り上がりを見せた沖縄県編も、いよいよ最終回です。
「おかず」という名の定食があるなど、今回も県外の方には驚きの新発見がいっぱいです。最後には、沖縄音楽界のあの巨匠も登場します。お楽しみに。
 今週のおかわりは、2015年のB−1グランプリ開催決定に沸く、青森県十和田市の最新情報です
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かまぼこ定食
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かまぼこ定食

 紙の新聞の取材で先週の土日を使い、福井県敦賀市に行ってきた。平日は何かと予定が入っているので、出張は週末になる。

 夏の屋外取材は疲れる。食欲もなくなる。汗をかく。1日に3度も着替えた。

 今回の取材は食とは関係なかったのだが、歩いていて食品サンプルを見かけると、ついつい観察してしまう。

 福井県編はまだなので、あんまり書くとネタばれになるのだが、ちょっとだけ報告すると、こんなものに遭遇してしまったのである。

別の店でも
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別の店でも

「かまぼこ定食」

 1軒だけではなかったところからすると「地域のごちそう」なのかもしれない。

 よそで見かけたことはありますか?。

 ホテルに戻ってテレビをつけると広島の土砂災害のニュース。大変な惨事になってしまった。亡くなられた方々のご冥福を祈るばかりである。

 さて沖縄県編は今回で最終回。

 この方は毎月1回のペースで沖縄に行き、様々な食べ物を楽しんでおられるそうである。旅のご参考にどうぞ。

港町食堂のポークステーキ(Kengohさん提供)
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港町食堂のポークステーキ(Kengohさん提供)

MNo.27

 首里城の中に琉球菓子を食べさせてくれる喫茶店があります。さんぴん茶と琉球菓子琉球庭園で
 那覇の「港町食堂」の外観内装は沖縄の食堂。しかしメニューは洋食でワインなどもあるビストロです。味はミシュラン沖縄版ができれば必ず星とれます。
 電車がなかった沖縄は(今はモノレールありますが)車文化。あちこちにドライブインがあります。オススメは恩納村の「シーサイドドライブイン」です。和洋中の美味しいメニューが24時間食べられます。
 タコスなら、宜野湾市の「メキシコ」
 牧志公設市場の「スタンド小峰」のレモン水。実はシークワーサージュースなのです。これ絶品(Kengohさん)

がぶ飲み、する?(Kengohさん提供)
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がぶ飲み、する?(Kengohさん提供)

 どれも行ってみたい。車を運転しないのでドライブインは無理だが、牧志公設市場でレモン水のがぶ飲みくらいはできる。

 蛇口から泡盛が出る店もあるそうな。興味がある方は検索して。

 沖縄。チラガー。ミミガー。次に登場するのはその変化球。

ミミガージャーキー(いけずな京女さん提供)
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ミミガージャーキー(いけずな京女さん提供)

MNo.28

 沖縄の「ミミガー」というたら豚の耳の皮、これもすっかり有名ですね。
 毛を焼いて除き、千切りにしたミミガーをゆで、酢の物や和え物にします。軟骨のコリコリした食感が心地良くて、たまに食べたくなる珍味のひとつです。
 けど実は、生のミミガーより好きなのが「ミミガージャーキー」なんです。ミミガーを味付けして乾燥させたおつまみですね。各社からいろんな味付けのものが製品化されていますね。
 友人や知人がそれぞれ沖縄旅行に行き、くれた沖縄土産が全部「ミミガージャーキー」(しかも大袋)だったことがありました。好きやから困りませんでしたけど、食べきるのに半年くらいかかったかなあ。
 結構な量のコラーゲンを摂取したと思うんですけど…まだまだ美肌には足りなかったのかしら。沖縄美人には、なれなかったです。厚かましい(いけずな京女さん)

ミミガー(写真提供:沖縄観光コンベンションビューロー)
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ミミガー(写真提供:沖縄観光コンベンションビューロー)

 ミミガーは美味いらしい。ミミガージャーキーも美味いらしい。

 私には噛めないので、味は想像するばかり。

 東京のスーパーで「豆腐」はすべて冷たい状態で棚に並んでいる。しかし沖縄では温かいできたての豆腐が売られている。

ゆし豆腐(写真提供:沖縄観光コンベンションビューロー)
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ゆし豆腐(写真提供:沖縄観光コンベンションビューロー)

MNo.29

 沖縄のスーパーを回っていたとき、できたての「ゆし豆腐」をビニール袋入りで買い求め、アツアツのまま食べました。店内にでき上がりの時間が掲示されており、皆さん、それを目当てに集まってくる。
「食べ物 新日本奇行」のアンケート“おにぎり温めますか?”でも、沖縄は温めエリアに入っていたと思います。沖縄では個人営業の惣菜、弁当店が古くから発達していて、できたてがほとんどだったのに加えて、温かいご飯しか食べない中国(大陸)の影響を受けているのでは、といった意見が出ていましたね。
 街中にある「天ぷら屋」さんでも、できたての天ぷらをおやつ感覚で食べます。高温多湿の気候条件とも関係するのでしょうが、興味深いです(ミルフォードさん)

温めますか?(ミルフォードさん提供)
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温めますか?(ミルフォードさん提供)

 そうであった。沖縄はおにぎりを温める地域であった。

 中国には作り置きの弁当文化がない。冷めたご飯を嫌うからである。だから冷めたご飯を炒めてチャーハンにする。

 日本人は温かいご飯をわざわざチャーハンにする。

水を捨ててからレジへ(A-changさん提供)
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水を捨ててからレジへ(A-changさん提供)

MNo.30

 沖縄のスーパーに行くと、冷たい島豆腐とは別に温かい島豆腐が並ぶコーナーがあったりします。ビニール袋は閉じられていないので、まずは豆腐から流れ出た余分な水分をバケツに捨てます。そして自分で袋を閉じ、レジまで持っていくんです。
 面白いのはパン屋の焼き上がり時刻のような感じで、納品予定時刻が表示されていること。これでアチコーコー(熱々)の豆腐が買えるというわけです。
 沖縄の食堂には「みそ汁」をはじめ、本土と名前は同じでも見た目はかなり違うというものがいくつかありますよね。例えば(その2)でも紹介されていた「すき焼き」。

ケチャップ味の焼きそば
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ケチャップ味の焼きそば

 食堂の場合だと鍋ではなく皿にのってやってきます。生玉子は別の器に入っている店もありますが、基本的には真ん中にそのままポトンと落としてあります。店によっては、これが目玉焼きだったりするから驚きます。
 食堂の「焼きそば」は沖縄そば用の麺を使うというのも面白いですね。石垣島に行けば細くて丸い八重山そば用の麺だし、宮古島に行けば細くて平たい宮古そば用の麺なので、地域ごとに違った「焼きそば」が楽しめます。
 現在はソース味や塩味が主流で昔ながらのケチャップ味を扱う店は多くはないようですが、ケチャップを置いてある店(ポーク玉子にケチャップをかける店など)であれば、きっと頼めば作ってくれると思います。

おかず(A-changさん提供)
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おかず(A-changさん提供)

 本土では見掛けないメニューのひとつに、「おかず」という名の定食があります。昭和40年代は沖縄の食堂では定番だったそうです。しかし現在、メニューに載せる店はかなり少なくなってきています。店によって違いますが、野菜炒めに玉子焼き(または目玉焼き)という組み合わせが多いようです(A-changさん)

できたての豆腐(A-changさん提供)
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できたての豆腐(A-changさん提供)

 温かい豆腐をどのようにレジに持って行くかがよくわかる。本土では見ることができない風景である。写真が大変よい。

 食を通して生活文化の違いが浮き彫りになる。

 焼き肉を食べた後の「しめ」にも土地柄が出る。

レッツTKG!
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レッツTKG!

MNo.31

 夜の繁華街のガレージ奥にあった焼き肉店。初めてだけどガッツリ食べようと大盛を注文しました。
 やわらかいお肉にニンニクのきいた醤油ベースの付けだれ…。何より注目したいのは、シメの常連さんお勧めの食べ方。
 肉をつけたタレを使って作る卵かけご飯です。常連さんいわく、肉を食べた後じゃないとタレに肉の味がしみてないからダメさぁ〜。
 おっしゃるとおり、こくのある卵かけご飯でした(フレディーさん)

室蘭やきとり
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室蘭やきとり

 濃厚そう。そして美味そう。

 でもデスクに任せる。

 室蘭やきとりも、たれの付け方の作法があるらしいが、忘れてしまった。

 次の方は沖縄料理店で現地の味を体験された。

沖縄料理屋にて(ちりとてちんさん提供)
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沖縄料理屋にて(ちりとてちんさん提供)

MNo.32

 昨晩、沖縄料理屋さんに行って来ました。
 まず、さんぴん茶を注文したら、こんなジョッキに入ってきました
 写真は右から、ポーク玉子、ラフテー、海ぶどう。ラフテーには、昆布の煮たのが付いていました。大根の味付けが、甘かったのが印象的でした。
 読み方(発音?)が難しいナーベラ・ンブシー(へちまの味噌煮込み)。それからゆし豆腐。
 
写真だけ撮らせてもらった「ヤギ」
 それと、これは別のお店で買ったスパムおむすびとゴーヤチャンプルーのお弁当です。スパムの下には、薄焼き玉子が
 ダンナが同僚と沖縄へ行ったときのお土産がタコライス。ずっとタコ(蛸)が入っているもんだと思っていました。「タコスライス」が、縮まったもんなんですね。
 で、ダンナは現地でこんなステーキを食ってきました。Tボーンステーキ400グラム。注文した手前、責任を持って一人で完食したそうです(ちりとてちんさん)

400グラム!(ちりとてちんさん提供)
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400グラム!(ちりとてちんさん提供)

 関西人の中には、いまでもタコライスはタコが入ったご飯と思っている人がいるかもしれない。たこ飯からタコライスにイメージが横滑り。無理もない。

 それと400グラムのTボーンステーキを責任感で食べきったダンナは偉い。仕事でも責任感が強いに違いない。

 しかし私はマネをしない。

 最後はこの方のメール。名前に注目。

ターンムの唐揚げ(照屋林賢さん提供)
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ターンムの唐揚げ(照屋林賢さん提供)

MNo.33

 田芋(ターンム)は、沖縄では大変高価な食材として珍重されています。水田の中で子芋を次々と増やすことから、子孫繁栄をもたらす縁起物として、正月や盆などの行事に欠かせないものです。
 里芋ともサツマイモとも違う、独特のほっこり、もちもちとした食感と甘みは、本州ではめったにお目にかかれません。から揚げにすると、特に美味しさが際立ちます。
 から揚げといえば「てびちの唐揚げ」も。じっくり時間をかけて下処理をしてから揚げにすると、外はカリッと、中は味がしみ込んでジューシー。やみつきになる美味しさです(照屋林賢さん)

てびちの唐揚げ(照屋林賢さん提供)
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てびちの唐揚げ(照屋林賢さん提供)

 りんけんバンドの照屋さんである。

 本土のサトイモは畑で育てるが田芋は水田で栽培する。から揚げのほかにズイキと炒め煮した「ドゥルワカシー」、きんとんにした「ディンガク」として食べられる。

 てびち、つまり豚足のから揚げは珍しい。醤油煮とか蒸して焼いたものとかは知っているが。

 照屋さんは北谷(ちゃたん)町にある「RINKEN’S KITCHEN」の経営者でもある。上の2品はそのお店の看板料理らしい。遠慮がちなメールなので、私が代わって宣伝を。

次回は香川県実食編
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次回は香川県実食編

 というようなことで、沖縄県編を無事終了した。観光地なので「知られざる」食の文化は余り残っていないのではないかとも思っていたが、そんなことは全然なかった。

 特にスーパーでの温かい豆腐の買い方には、目を丸くした。

 沖縄旅行の予定がある方、思い立った方にとって貴重な情報の宝庫になったのではなかと思う。

 次回は前、後編に分けて香川県実食の旅。

 その後から長野県編に突入する。ご関係の皆さんは準備体操をよろしく。

 ではまた来週。

(特別編集委員 野瀬泰申)


★今週のおかわりは「B−1開催決定の十和田を千葉・柏で味わう」です。ぜひお読みください。

沖縄県編(その1) にんじんしりしり知りません?

沖縄県編(その2) コンビーフハッシュに拍手

沖縄県編(その3) 沖縄は琴姫さまのボンカレー

沖縄県実食編 やっと会えたよオジサンと


 


●筆者(特別編集委員 野瀬泰申)へのお気軽メールはこちら(tabeb@nex.nikkei.co.jp

2014年8月29日

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