第153回 茨城県ご当地グルメ(その3) 地上100メートルの納豆パフェ

特別編集委員 野瀬泰申


 朝食の友としてだけでなくカレーにも入れて食べるなど、納豆への強い愛情を感じさせる茨城県民。納豆料理のバリエーションはさらに広がるのか? そして納豆以外の茨城ならでは食も、さらに登場するのか? 茨城県編もいよいよ後半戦です。
 今週のおかわり、先週の本編にちらっと登場した、茨城・大洗が舞台のアニメ「ガールズ&パンツァー」を、アニメ好きの一芸クンが熱くご紹介します
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水俣チャンポン
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水俣チャンポン

 先週の土曜日はあるカップルの結婚披露パーティーに出た。出席者は顔見知りばかり。

 新郎新婦の新婚旅行先は九州で、久留米の沖食堂や屋台の「武ちゃん」、水俣のチャンポン屋さんなども訪問先に入っているそうである。

 ご当地グルメ食べ歩きみたいである。有名観光地をガイドブックを見ながら巡る旅もいいけれど、こういう目的がはっきりした旅もすばらしい。

 私は「久留米の焼きめしもぜひ」とお願いした。

久留米の焼きめし
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久留米の焼きめし

 久留米の焼きめしはチャーハンではない。カマボコやニンジンを米粒と同じくらいの大きさに刻んで、醤油味である。ラーメンの元だれで味つけする店もある。そしてとんこつラーメンと一緒に食べると実に美味い

 新郎は「大盛り部会」の有力メンバーであるので、しっかりと食べきってほしいものである。

 茨城県編も3回目。

 前回、「いばらき」「いばらぎ」問題を書いたら、このようなメールが届いた。大阪にも同じ問題があったのである。

「春日部」も元は「粕壁」だった
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「春日部」も元は「粕壁」だった

MNo.17

 「いばらき」か?「いばらぎ」か? 大阪には茨木市があり、同じような話題があります。
 昔は濁点や半濁点、促音(ちいさい「っ」)等の表記方法がなかったのですが、必要から生み出され、普及が始まったのは江戸時代。しかし国定教科書がある訳でもなく、教科書検定もありませんでした。
 従って、どのような表記を教えるかは寺子屋の先生、僧侶らの裁量次第でした。このため古くから濁点などの細かい表記分けを行う地域がある一方で、表記上の区別がない地域もあったそうです。
 茨木市もそんな地域の一つで、古文書では区別はされていないため文献調査では決着がつかず、最終的には地元の古老を集めて、多数決で「いばらき」と決まったとか。茨城県はどうだったんでしょうか?(大阪の原さん)

例のキャラ(ぎずもさん提供)
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例のキャラ(ぎずもさん提供)

 誰かが「茨城はいばらき、茨木はいばらぎ」と言っていたが、どちらも「いばらき」。もっとも茨城出身者によっては「えばらき」と聞こえたりもするが。

 前回、「たかはし」の店の前にあったキャラは何? と書いたらあっちこっちからメールが来た。

 おじさんはテレビをあまり見ないし、見てもアニメとは無縁なのである。自慢じゃないが、何のことかわからん。

校章の入った「あんこう焼き」(こばりんさん提供)
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校章の入った「あんこう焼き」(こばりんさん提供)

MNo.18

 あの看板は「ガールズ&パンツァー」というアニメのキャラクターです。ガールズ&パンツァー(通称:ガルパン)は大洗を舞台にしており、大洗町商工会などがコラボ企画を実施しています。キャラクターそれぞれにゆかりのある実在の店の店頭に看板が設置されています。
 また、大洗まいわい市場では作品中に登場する県立大洗女子学園の校章およびあんこうチームのマークが入ったあんこう焼きが売られています。あずき餡の他に芋餡もあり、おやつに好適です。
作品中に登場する水戸市のとんかつ店「Cook Fan」ではこれまた作品中で登場した「ガルパンかつ」がいただけます。
 「ガルパンかつ(リアルバージョン)」は2枚のロース肉を重ねて揚げたとんかつの上に砲塔にみたてたコロッケと大砲にみたてたアスパラがのった迫力満点のメニューです(こばりんさん)

ガルパンかつ(こばりんさん提供)
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ガルパンかつ(こばりんさん提供)

 ということである。

 ほかにもたくさんの方から、同様のメールをいただいた。

 ということで、今週の「おかわり」は一芸クンによる「ガルパン現地リポート」と、大洗市民の目からガルパン現象をつづった「月うさぎ」さんのメールを紹介する。

 もうひとつのキャラ。納豆カレーの箱に描いてあった、あれ。

某カレーチェーンの納豆カレー
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某カレーチェーンの納豆カレー

MNo.19

 あれは「コみケッとスペシャル5in水戸」に合わせて発売された「副産物」でした。
 毎年夏・冬にビッグサイトで行われる「コミケ」(正式名称:コミックマーケット)の地方振興バージョンとでもいうのでしょうか、その中で作られたものです。
 なお人気声優さんも某カレーチェーン店の納豆カレーが好きだと公言したりしておられます……ということで、何か相関性があるのやもしれません(くろかわさん)

 何か、皆さん詳しいなあ。

 納豆はここまで来ている。

納豆パフェ(ミス.ゴマ納豆さん提供)
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納豆パフェ(ミス.ゴマ納豆さん提供)

MNo.20

 水戸市内にそびえたつ、茨城県庁25階の展望台にある「Cafe de SORA」。茨城県庁は、県内で一番高い建物で展望ロビーの高さは100メートルあります。つまりこちらのお店は茨城県内で一番高い場所にあるカフェ。
 こちらで一押しのデザートが「納豆パフェ(350円)」です。白ゴマアイスに納豆、ホイップクリームがトッピングされ、ミントの葉が飾られています。
 一瞬、ビジュアルに圧倒されますが、ここは勇気を出して、よくかき混ぜて食べてましょう! 混ぜると納豆の粘りでアイスがトルコアイスのようにビヨーンと伸びて、新食感白ゴマアイスと納豆は、なかなかのマリアージュ振りで、楽しめますよ。
 茨城県庁に行く機会があれば、是非、召し上がってくださいね(ミス.ゴマ納豆さん)

納豆コーヒーゼリークリームサンド
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納豆コーヒーゼリークリームサンド

 「食べ物 新日本奇行」のころからご覧の皆さんは「あれだ!」と思われたのではなかろうか。

 そう「納豆コーヒーゼリークリームサンド」である。要するにあれとこれと、どっちがつおいのか、という問題である。そうでもないか。

 私はこのカフェに行っている。しかしながら県庁の方との打ち合わせだったので、ろくにメニューを見ずにコーヒーを注文した。

 もっともメニューで納豆パフェの存在を知っても注文しなかったと思う。ごめん。

 お酒。メロン。知られざる茨城。

メロンまるごとクリームソーダ(めろんさん提供)
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メロンまるごとクリームソーダ(めろんさん提供)

MNo.21

 水戸駅の南口、水戸市役所のすぐそばにある「酒趣」さん。茨城県産の良質な食材を活かし、よりおいしく食べられる様々なメニューが沢山あります。
 店内で味わえる日本酒は全て茨城県内の地酒。その数なんと100種類以上!
 茨城県を丸ごと食べられると言っても過言ではないほどの、茨城県料理を味わえるお店なんです。
 凍らせた丸ごとメロンに、ソーダを入れてバニラアイスを添えた「メロンまるごとクリームソーダ」、メロンを使ったスパイシーな「メロンカレー」が話題になり、行列ができる大ヒット商品に。
 ちなみに茨城県は「メロン生産量日本一」なんです。ぜひ覚えて下さいね(めろんさん)

メロンカレー(茨城県提供)
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メロンカレー(茨城県提供)

 茨城のメロンはぜひ、覚えよう。

 県内の地酒が100種類以上というのは凄い。そんなにあったの?

 ということで、次はお酒の話。

どぶ汁のあんこう(いけずな京女さん提供)
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どぶ汁のあんこう(いけずな京女さん提供)

MNo.22

 先日、浅草の花やしきで「茨城の地酒まつり」が開催されたので。
 ♪酒が飲める酒が飲める酒が飲めるぞ〜 と、仕事もそこそこに駆けつけました。
 皆様、意外とご存知ないかも知れません、茨城県は40以上の蔵がある、関東屈指の酒どころ。良き蔵元、佳きお酒がぎょうさんありますねん。ふっふっふふ。
 さてその会場には、笠間のいなり寿司の屋台と北茨城の郷土料理「あんこうどぶ汁」の屋台が出てはりました。
 茨城県北部の平潟では昔からあんこうがたくさんとれ、漁師たちが船上で鍋にしたのがはじまり。その後、家庭にも広まり、手軽につるし切りをして調理されてきたといいます。油っこい肝を使ったあんこう料理は,体の温まる冬の風物詩です。
 「どぶ汁」の作り方は、生のあん肝をつぶして味噌を加えてペースト状にします。そこにあんこうの残りの部分と野菜を入れて火にかけ、野菜の水分で煮るというもの。
 煮汁の色がどぶろくに似ているから「どぶ汁」と呼ぶと言われており、あるいは「どぶ」には全てという意味があり、あんこうの全てを入れるから「どぶ汁」との説もあります。
 名前の由来はどうあれ、「あんこうどぶ汁」は、旨い!今回初めて食べましたが、絶対ご当地に食べに行きたいと思いました(いけずな京女さん)

あんこう鍋
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あんこう鍋

 茨城県酒造組合のHPに茨城県蔵本一覧表というのがある。それによると県内には46の蔵本がある。たいしたもんだ。

 その中で飲んだことがあるのは「月の井」と「副将軍」だけである。実食編ではあと10銘柄くらいは飲んでみるかな。

「あんこうのどぶ汁」は食べたことがない。なぜなら「あん肝」が苦手だからである。ごめん。

 前回登場した「常陸秋そば」について「けんちんが多いのでは」と書いた。すると……。

つけけんちんそば(茨城県提供)
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つけけんちんそば(茨城県提供)

MNo.23

 生まれて高校生までは茨城県民、大学入学から7年間を大阪、就職後が転勤で神戸、東京、仙台、栃木。嫁は奈良県民。現在、茨城県民を再開しています。
 確かに茨城県での食はスタミナラーメン、ひたちなか市近辺の干し芋、笠間の栗、鉾田のメロンがよく知られるところかもしれません。大洗のアンコウも美味しいです。魚屋さんでもアンコウが丸ごと買えます。
 他には、けんちん汁もスタイルが多くて楽しめます。冷たいそばと熱いけんちん汁との「つけけんちんそば」はつけ麺の源流のような気がします。
 大子町にある、袋田の滝のお茶屋さんで出されるつけけんちんそばが美味しいと思います(くいだおれ和尚さん)

スタミナラーメンも具だくさん
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スタミナラーメンも具だくさん

 けんちん汁をつけ汁としてそばを食べる。武蔵野うどんの「肉汁」と似ている。野菜や肉が加わるので栄養豊富。立派な1食になる。スタミナラーメンも中華麺を具だくさんなスープで食べる。

 茨城の食の要素が浮かぶような……。

 1回目の見出しになった「煮いか」。茨城と栃木のものとあった。

ぶっつけ屋台祭り(太ったオオカミさん提供)
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ぶっつけ屋台祭り(太ったオオカミさん提供)

MNo.24

 栃木県鹿沼市のぶっつけ屋台祭りに10月12、13日と行ってきました。
 ほとんど町中がお祭りの舞台になり、あちこちの通りに屋台が立ち並ぶ中、複数の屋台が煮いかを販売しているのを現認しました。
 以前、栃木実食編で栃木市の商店街の長老にお聞きした折、モロ(サメの肉)はかつて大洗から持って来ていたという話を聞きしました。
 鹿沼市は栃木市から日光線で15分ほどです。想像ですが、煮いかもそのルートに乗ってやって来たのではないでしょうか?
 ひょっとすると、会津のスルメの天ぷらに使用するスルメも同じルートをたどったのかもしれません。
 現在、会津田島には日光線下今市から野岩鉄道が走っています(太ったオオカミさん)

鹿沼の煮いか(太ったオオカミさん提供)
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鹿沼の煮いか(太ったオオカミさん提供)

 モノは道によって運ばれる。塩の道のように煮いかの道、モロの道があってもおかしくない。するどい指摘である。

 これまた前回登場のレンコン。こんな食べ方もあった。

レンコン麺
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レンコン麺

MNo.25

 茨城はレンコンの特産地です。土浦市内でお土産品として購入できるレンコン麺について紹介いたします。
「そば」と「うどん」の両方で、いずれも乾麺です。すこし通常の乾麺より割高ですが、つるつるとしたのどごしが特徴です。
 保存もきくので私はお土産品として、よく購入して知人に配り喜ばれております。とにかく癖がなく、水戸の納豆よりは万人に愛用されるものと思われます(チーテンホー0さん)

レンコンサブレー
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レンコンサブレー

 レンコンを乾燥させ粉末にして小麦粉やそば粉に加えたものであろうと想像する。どんなのどごしなのであろうか。

 JA土浦はレンコンサブレーとかも開発している。れんこんカレーも開発商品のひとつ。

 次は開発型ではない地の食べ物。

世界一臭いといわれるシュールストレミング(本文とは関係ありません)
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世界一臭いといわれるシュールストレミング(本文とは関係ありません)

MNo.26

 冬場しかありません。お店でも食べられません。地元の漁師の家などに昔から伝わっている臭い臭い「しおからこうこう」と呼ばれている漬物(?)です。
 子どものころから地元に暮す私でも、最近作る人がいなくなりめったに食せなくなりました。大げさでもなんでもなく、地元以外の方がこの臭いに勝つのは難しいかなと。
 物は素朴で干し大根のぶつ切り、イワシの頭を取り丁寧に血抜きし、水洗い。塩をして重石を乗せ、1カ月ほど漬け込む。すると発酵し、大根と丸のままのイワシに酸っぱみが加わります。
 醤油と唐辛子をつけて食べ始めたら、丼いっぱい平気で食べてしまうという美味しさです。書いている間にもよだれが出てしまいます。
 利根川を隔てた千葉県銚子の漁師町でもさすがにこの味は伝わっていません。幻の味になってしまう前にぜひ一度ご賞味を。でも臭いに勝てますか?(MEGさん)

さぁ、ドッチ?
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さぁ、ドッチ?

 利根川を挟んで銚子の反対というと神栖市、潮来市、鹿島市辺りか。

 食べてみたいと思う半面、こうまで「くさい」と言われると…一芸クン、頼む。

一芸 自分も食べた記憶がありませんが、漬物を「こうこう」と呼んでいるあたり、親近感があります。

「たがね餅」に関する回答が来ていた。

MNo.27

 たがね餅はうるち米ともち米を半々で作るものだと思っていました(ヒロキチさん)

次は広島県
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次は広島県

 簡略ながらこれが正解ではないか。農家の食べ物で、家によってうるち米ともち米の分量は違うだろうが。

 郷土料理の位置付けなので、店で出合えるのは珍しいと聞いている。

デスク 茨城県編もいよいよ終盤。今後が気になるころですよね…。次は広島県です。今回は日程の都合で、北海道実食編を後回しにして、茨城終了直後から広島県編がスタートします。関係者の皆さんは、いそぎ準備をお願いいたします。

手袋を忘れずに
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手袋を忘れずに

 今回はこれまで。今週末には紙の新聞の取材で北海道に行く。先発した写真部員によると「コートや手袋を忘れずに」とのことである。

 秋も深まってきた。天候不順の折、風邪など引かないようお気を付けください。

(特別編集委員 野瀬泰申)

★今週のおかわりは「おもてなしは戦車より強し――「ガルパン」で覚醒、大洗の魅力」です。ぜひお読みください。

茨城県編(その1) 「いかの煮付け」ではなく「煮いか」

茨城県編(その2) 納豆カレーをどう思う?

茨城県編(その4) お餅のまん中で「鮭」と叫ぶ

茨城県実食編 納豆 vs 干しいも モニュメント対決!


 


●筆者(特別編集委員 野瀬泰申)へのお気軽メールはこちら(tabeb@nex.nikkei.co.jp

2013年10月25日

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