第145回 徳島県実食編 大歩危の暑さで大ボケ夏の旅

特別編集委員 野瀬泰申


 お盆ウイークも終わり、野瀬の夏休みモードも終了、食べBもいよいよ本格的に再始動します。今週は徳島県実食編です。
 真夏の、ただでさえ暑い四国・徳島を野瀬とデスクが手分けして回ってきました。渾身のリポートをお楽しみください。
 今週のおかわりは、デスク版徳島県実食編「弱腰うどん発、3色ラーメン経由、はんごろし行き」です
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大歩危(おおぼけ)駅のホームにも「かずら橋」
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大歩危(おおぼけ)駅のホームにも「かずら橋」

 2013年8月10、11の両日、徳島県実食の旅を敢行した。まさに敢行であった。炎熱地獄とも言うべき異常な熱さ。四国はうだり、高知の四万十市で最高気温40度超えを連日記録した。そんな最中に、私とデスクは手分けして徳島県内を走り回ったのである。

 私はまずJR土讃線の特急で大歩危(おおぼけ)駅に降り立った。ホームに「祖谷のかずら橋 ここで下車してください」という看板が掲げられている。そうである。私はいきなり「日本三大秘境」のひとつ祖谷(いや)に向かうのである。

大歩危駅長は「こなきじじい」
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大歩危駅長は「こなきじじい」

 白川郷(岐阜県)、椎葉村(宮崎県)と合わせて日本三大秘境というのだそうであるが、根拠は知らない。ともかく大量の着替えが詰まったバッグをコインロッカーに預け、秘境なので用心のためにトイレを済ませ、できれば周辺の写真でも撮って出発しよう駅構内をうろついていた私に駅員さんが駆け寄って来た。

「祖谷に行くんじゃないんですか?」

「はい、そのつもりですが」

「バス、バスが発車しますよ。急いでください」

使い損ねた「妖怪コインロッカー」
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使い損ねた「妖怪コインロッカー」

 駅員さんはそう言って、駅前のバス停からまさに発車しようとしていた運転手さんに手を挙げ「1人!」と叫んだ。

 私は何が何だかわからないまま、どでかいバッグを肩に担いでバスに乗り込んだのだった。

 そうか、祖谷行きのバスは特急の到着に合わせて運行しているので、このバスを逃すと1時間待ちか。

 ああ、助かった。でもこのバッグを抱えて歩くのはちと辛い。秋か春ならまだしも、この暑さである。命に関わる。それに背中のリュック。胸の前に抱えた小さなバッグ。まるで戦後の買い出しみたいな恰好である。しかもむちゃくちゃ重い。

険しくも美しい祖谷の渓谷
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険しくも美しい祖谷の渓谷

 トイレに行く時間もなかった。何しろ行く先は日本三大秘境である。トイレはあるのかなあ。

 てなことを考えつつ車窓の外を眺めると、確かに道路も整備されておらず車がなかった時代に「どうやってこんなところに人間が住むようになったのか」と思うような場所を通り過ぎて行く。道は曲がりくねり、坂は険しい。

 しかしながら案外開けている。途中に祖谷そばを食べさせる大きな店が何軒かあって、観光バスやマイカーが止まっている。温泉旅館もある。遠くにマンションらしい高い建物も見える。

かずら橋
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かずら橋

 30分ほどでバスは「かずら橋」の渡り口に着いた。ここが終点である。炎天下のバス停には、これから大歩危に戻る観光客が汗をふきふき、暑さに耐えて並んでいる。

「帰りは大変だな」

 ひとりごちて周辺を見渡すと「コインロッカー」の看板。行ってみたら無人の民家で、土間にロッカーがある。そのひとつに大荷物を押し込んで橋に向かう。

 かずら橋に近づくにつれて人が多くなった。橋のたもとに通行料というのかチケットを売る窓口があって、そこに行列ができているのであった。

渡り切った!
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渡り切った!

 並んで500円のチケットを買う。すると後ろから押される感じで、だまって橋を渡るしかない。橋は一方通行。ひたすら足元と前の人の背中を見て一歩一歩進んだ。

 壇ノ浦の戦に敗れた平家の落人が隠れ住んだという伝説がある祖谷。かずら橋は追っ手が迫ったときにすぐ橋を落とせるように、木ではなくかずらで編んで渡したと言われている。

 橋脚はない。吊り橋である。ワイヤで補強されてはいるものの、大勢の人が一遍に渡るから微妙に揺れる。落ちる心配はなくとも、足の下は深い渓谷である。カメラを取り出す余裕もなく、黙々と前進した。

 渡り切ってようやくカメラを取り出して撮った写真がこれ。

「でこまわし」
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「でこまわし」

 まあとにかく人が大勢である。夏休みの最中であるから、当然家族連れが目立つ。何だか秘境感が薄いなあ。

 近くに「夢舞台」という大きな建物がある。そこに向かう途中、何軒かの店があった。店先の炭で「でこまわし」を焼いている。この辺りの郷土料理である。

 ジャガイモ、そば団子、豆腐、コンニャクを串に刺し、ゆず味噌を塗っている。

「でこまわし」はおそらく「木偶(でく)回し」、つまり古い形の浄瑠璃人形に似ているところからきているのであろう。

鮎やあめごの串焼き
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鮎やあめごの串焼き

 鮎やあめご(あまご)の串も焼いていたが、暑いので手が出ない。

「夢舞台」ではお土産を盛大に並べていた。中央が食堂になっているが、祖谷そばの専門店に遠慮しているのか、置いてあるそばは普通のそばであった。

 何周か見て回ったものの、還暦過ぎのおじさんの興味をそそるものはない。外に出ると暑いから、冷房が効いたこの建物から離れられない。離れられないけど、ここにじっといても仕方がない。車があれば別であろうが、徒歩でうろつくには不向きな場所である。

集落と駅をつなぐ自治体バス
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集落と駅をつなぐ自治体バス

 建物の中にタクシー会社の電話番号が張ってあった。携帯でその番号を呼び出す。やがて女性が運転するタクシーが到着した。

「かずら橋渡るのに並びました?」

「いやそれほどでも」

「それはよかったですね。混むときは1時間待ちとかになるんですよ」

 1時間待ち? それだったら秘境じゃないじゃん。元秘境だな。

大歩危の駅
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大歩危の駅

 その女性はハンドルを握りながら様々なことを教えてくれた。

 祖谷の近辺では数こそ少ないが、そばを作っている農家があること。

 冬になるとこの辺りは雪に閉ざされること。

 観光シーズンを除くと人の出入りもまばらで、集落の人口も減っていること。

 昔は商店があったが、車で買い出しができるようになって商店がなくなってしまったこと。

阿波池田駅に到着
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阿波池田駅に到着

 そうこうするうちにタクシーは大歩危の駅に近づいてきた。女性は運転席備え付けの時刻表を取り出して聞く。

「大歩危から高知ですか? 阿波池田?」

「阿波池田です」

「それなら各駅停車がありますね。30分待ちですが、特急より早く着きますよ」

 ということでタクシーを降り、駅の周辺を見て時間を潰す。やがて阿波池田に向かう各駅停車に乗った。

祖谷そばのぶっかけ
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祖谷そばのぶっかけ

 祖谷でお昼時を迎えていたのだが、祖谷そばの専門店には車でないと行けない。実は東京で調べて祖谷でなくとも祖谷そばを食べさせる店がいくつもあることがわかっていた。

 そのうちの1軒が阿波池田駅構内の「ちゃみせ」である。駅から徒歩0分。

 祖谷そばはほとんどつなぎを加えないから、太くて平らな麺は短く切れやすい。かつてゴリの仲間の川魚で出しを取ったが、いまはその川魚がほとんど手に入らないため、カツオや昆布出しになっている。

真ん中のワサビはどかして
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真ん中のワサビはどかして

「ちゃみせ」は食堂兼うどん・そば屋兼喫茶店という趣。私は祖谷そばのぶっかけを注文した。店内に「当店の祖谷そばはそば9つなぎ1の割合です」と書いてある。

 ほどなく祖谷そばが運ばれてきた。真ん中のワサビはどかして食べる。機械打ちのようであるが、そばの香りはちゃんとする。なるほどね。

 駅前の商店街を歩いてみた。駅から延びるアーケードの下に人影はなく、実際に歩かなくとも状況を察することができたのだが、見るだけ見てみよう。

徳島は「すだち県」
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徳島は「すだち県」

 するとアーケードが尽きかけたところにレストランを兼ねたような喫茶店がある。別にコーヒーを飲みたかったわけではないけれど、この暑熱はいかんともし難い。冷気を求めて入った。

 汗を拭き、扇子を使い、アイスコーヒーの氷を含んでクールダウンする。通りに人影はなかったのに店内には何人も客がいて、昔話に花を咲かせている。地方都市でよく見かける光景である。

 汗が引いたところで外にでたら、あっという間に再び汗が流れ落ちてきた。たまらん。現在時刻2時半。ひょっとして予約しているホテルにチェックインできるのではなかろうか。と思って電話をすると、フロントの男性が出た。

阿波池田は2歩以上歩けない路地ばかり?
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阿波池田は2歩以上歩けない路地ばかり?

「チェックインは3時からですか?」

「4時です」

 その余りに断固たる口調を耳にして、次の言葉が出なくなった。

「掃除が終わっていれば、4時にならなくともチェックインできないのでしょうか」

 と聞きたかったのである。しかしながら受話器の向こうの声音は、そんな質問を許しそうもないように思われたのだった。

右のホットコーヒーを左のアイスにかけるのだ
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右のホットコーヒーを左のアイスにかけるのだ

 当ホテルに関しては、ぐるなびでやっていた連載が続いていればいくらでも書けるエピソードがあるのだが、ホテルの特定が容易なので書かない。

 ということであと1時間半、何とかしのぐ必要がある。駅前の公園の木の下に座ってみた。わずかに風はあるが、熱風である。観光案内所は冷房が効いているけれど、用もないのに居座ることはできない。

 再びアーケードの下を歩く。するともう1軒、レストラン兼喫茶店が営業中であった。入るしかない。

熱いコーヒーをかけたのだ
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熱いコーヒーをかけたのだ

 ここも家族連れとか友人同士とかの客が一杯で、カウンターしか空いていない。外に人はいないのに、店の中は賑わっている。不思議だなあ。

 カウンターでメニューを開くと見たこともないものがあった。フランス語らしい言葉をカタカナで表記してあって、要するに「何とかを崩す」という意味らしい。

「どんなものですか?」

 水を持ってきた女性に聞く。

「アイスクリームに熱いコーヒーをかけます」

実に美味いのだ
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実に美味いのだ

「コーヒーにアイスクリームが入っているのではなくて?」

「そうです。アイスクリームに熱いコーヒーをかけます」

「それをください」

 でもって出てきたのがこれ。言われた通り、左のアイスに右の熱いコーヒーをぶっかけて食べた。これが実に美味いのであった。一度、ご家庭でお試しを。

 手に取った週刊誌にずっと昔知っていた人のことが載っていたので熟読した。持ち歩いている文庫本も読んだ。やがて午後4時になろうとしている。駅前からタクシーに乗ってホテルにチェックインした。

うだつ
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うだつ

 カウンターの前にいる男性が、さっき断固たる声で「4時です」と言った人物であろう。ニコリともしないでキーを渡す。私はコインランドリーの場所を訪ねて部屋に入った。まずシャワーを浴びて汗を流す。それから汗みどろのシャツや下着を持ってコインランドリーへ。洗濯機が動き始めたのを確認して部屋に戻った。

 もう動くのやだ。外出るのやだ。夕方になるまでテレビのローカル番組を見て過ごす。

 午後5時半をもって行動再開である。タクシーで街中に向かった。

 池田という町は明治31年と同37年に政府が日清・日露の戦費調達のために専売法を施行するまで刻みタバコの一大産地であった。当時、隆盛を極めたタバコ業者は競って大きな家を建て、隣家との間に「うだつ」を築いた。「うだつが上がる」の「うだつ」である。

「郷土料理 うだつ」
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「郷土料理 うだつ」

 いまも当時のうだつをそのまま残す家が立ち並んでいる。その一角の写真を撮りながら歩いていると「郷土料理 うだつ」の看板が見えた。

 古い造りの家で、ふらっと入るには敷居が高い。玄関から中の様子をうかがっていると、女性が出てきた。

「何か?」

「いえ、一人で入っていいものかと思って」

「いいですよ。どうぞどうぞ」

そば米雑炊とあめごの塩焼のセットで
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そば米雑炊とあめごの塩焼のセットで

 招じられたテーブルでメニューを開く。この家の由来が書いてある。

 明治31年の専売法施行まで、ここは刻みタバコのタバコ蔵であった。専売制になってから清酒「阿波踊」の造り酒屋に転じ、店は酒蔵の一角を改装したものという。

 さて何をいただこうか。見れば「そば米雑炊」がある。あめごの塩焼きもある。セットで注文する。酒はもちろん「阿波踊」の冷やである。

 本編に登場したそば米雑炊は祖谷を含む三好地方の郷土料理で、そばの実を米に見立てたもの。米は入っていない。かつて具に鶏肉が混じることはほとんどなかったらしいが、いまは鶏肉が標準装備である。

やさしい醤油味のそば米雑炊
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やさしい醤油味のそば米雑炊

 やさしい醤油味で、量の割にお腹にたまらない。とはいえ一緒に出てきた2個のおにぎりまでは無理で、これはホテルに持って帰ることにした。

 あめごの塩焼きは身が盛り上がっていて、食べごたえがある。すだちを絞ると皮が美味い。

 しかるべき時間になった。外に出ると真っ暗である。商店街も暗い。街灯の薄明かりを頼りに駅に向かい、タクシーでホテルに戻った。

 本日はこれにて終了。汗で塗れたTシャツをさっき洗濯したものと取り換えてベッドに倒れ込んだ。

阿波踊り前夜、あちこちの演舞場ですでに観覧スタンドができあがっていた
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阿波踊り前夜、あちこちの演舞場ですでに観覧スタンドができあがっていた

 翌朝、ホテルで朝食をとらずに駅に行った。「ちゃみせ」が朝早くから営業している。モーニングセットのパンとサラダ、アイスコーヒーで朝ご飯である。

 特急が着いたのであろうか。店が急に混みだした。周辺で開いている飲食店はここだけ。どんどん客が入ってくる。厨房は女性一人でてんてこ舞いである。

 私は急いで朝食を済ませ、徳島線で徳島市に向かった。徳島市は何年振りであろう。徳島駅前の「そごう」は覚えている。開店を待ってそごうに入り、帽子を買う。それまでかぶっていたのはキャップ(野球帽)であるが、汗の塩が吹いてまだらな白い線が何本も浮き上がってしまった。新たに求めたのはアイボリーのハット。バーゲン品ながらウン千円であった。

商店街は厳しい状況
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商店街は厳しい状況

 そのハットをかぶり、首に濡れた手ぬぐいを巻いて町に出る。徳島は明日から阿波踊りの本番を迎える。あちこちの演舞場で観覧スタンドの安全点検中である。

 アーケード商店街を歩く。県庁所在地ながら厳しい状況である。ただ中華そばの店は繁盛しているらしく、人の出入りが絶えない。

 などと書いているが、実のところは歩くのやだ。暑いのやだ。なのであった。口で息をしながら駅ビルに入った。地下に地元の物産を売る店が並んでいて、取材はここで十分なのである。ということにしたのであった。

ぼうぜ寿司
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ぼうぜ寿司

 ここでの発見は「ぼうぜ」。駅ビルでは「ぼうぜ寿司」という押し寿司を売っていたが、街中のスーパーの鮮魚売り場でも「ぼうぜ」の切り身や、押し寿司用に切って塩をしたものが並んでいた。

 姿形に見覚えはありませんか?

 そう関東でいう「えぼだい」なのである。えぼだいは大体干物でしか見かけないが、ここ徳島では生で、あるいは押し寿司として食べる。

 残念ながら「ぼうぜ寿司」は早々と売り切れであった。

「肉入り小」と半チャーハン
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「肉入り小」と半チャーハン

 そこで「すだち」を買った。プラスチックのかごに30個ばかり入って600円ほどだったと記憶する。ところが東京に戻って近所のスーパーで見たら2個で198円であった。徳島の人が見たら目を回すに違いない。

 さてお昼である。正午には少し早い時間、駅前の「三八(さんぱ)」に入る。鳴門市発祥の人気店で、続々と客が吸い込まれて行く。

 注文したのは「肉入り小」と半チャーハンである。

 徳島ラーメン(中華そば)には「いのたに」に代表される「茶(黒)系」があって、黒っぽいスープに柔らかい麺、チャーシューではなくて甘辛く煮た豚肉が入る。生卵も常備である。

徳島「黄系」ラーメン
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徳島「黄系」ラーメン

 対して小松島のラーメンはスープの色から「白系」と呼ばれる。

 さらに「三八」のような「黄系」もある。当店のスープは、トンコツを主体に丸鶏、昆布なども加わり、まろやかにして主張がある。私のトンコツDNAは、深いトンコツの味が注入されて近畿雀躍二府四県であった。

 熱いラーメンを食べたらますます暑くなった。もうたまらん。

 駅前のホテルの最上階に日帰り温泉がある。後先考えずに600円だか700円だか払って突入した。

あまりの暑さにソフトクリームも食べてしまった
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あまりの暑さにソフトクリームも食べてしまった

 ああ、さっぱりした。さっぱりしたけど、このまま外にいてはまた汗地獄は必定。そこで、どこかを単独取材中のデスクに電話した。

「今夜のホテルはどこ?」

「最初は鳴門のホテルを予約していたんですが、徳島市内で1部屋取れましたので変更しました。言ってませんでした?」

「聞いてませんでしたよ。それで徳島の何ホテル?」

暑い四国をさらに暑苦しくしたイラスト
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暑い四国をさらに暑苦しくしたイラスト

 デスクが告げたホテルは、いましがた入った風呂があるホテルであった。

 急いで戻りチェックインする。少し早い時間だったが「どうぞ」である。ホテルはこうでなくちゃ。

 フロントでもらった館内案内にこう書いてあった。

「最上階の大浴場は何度入っても無料です」

 さっき払った入浴料返して。

 夕方、駅前でデスクと合流した。予想通り、真っ赤なTシャツ姿である。背中にキャベツマンのイラスト。似合って……ない。

「海女料理 ししくい」
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「海女料理 ししくい」

 夕食は「海女料理 ししくい」である。徳島支局長経験者に勧められた店で、コースが基本。私は生ものがまだだめだし、しかもコース料理など多すぎて食べきれない。

 デスクはコースを頼み、私は単品で1品か2品で済ませるつもりで、席だけ予約していた。ところが行ってみたら単品はない。いやでもコース料理を注文しなければならない。

 そこで私は最も量が少ない「梅」(5500円)デスクが「竹」(8400円)を頼んだ。食べB史上最高額の晩飯である。自腹が痛む。

活イセエビと活アワビをそのまま網焼きに
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活イセエビと活アワビをそのまま網焼きに

 量が少ないと言ってもアワビの刺身ウチワエビとかアワビとかイセエビの焼き物が付く。カキヒオオギガイもある。それにご飯とイセエビの鬼がらが入った味噌汁も登場する。

 私は割り勘負けを承知で、アワビの刺身をデスクの方に押しやり、担当の女性が焼いてくれるものだけを口に運んだ。

 徳島は県の東から南にかけて海岸線を持っているのに、本編では海の幸に関するメールが少なかった。そこでこの店を選んだのだが、ウチワエビは地物としても徳島でカキは取れるんでしょうか? ヒオオギガイは取れるんでしょうか?

鳴門の渦潮
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鳴門の渦潮

 という多少の疑問符を残して豪華な晩飯を終了したのであった。

 最終日は鳴門市に向かった。「鳴ちゅるうどん」を食べるのが目的ながら、朝の早い時間に着いたので、渦潮を見ることにした。

 大鳴門橋の車道の下に、橋の真ん中まで進む道がある。チケットを買って歩いていくと、海を渡る風が実に気持ちいい。満潮の時間ではなかったため、渦潮はさほど盛んではなかったけれど、見下ろす海峡はあちこち波立って壮観である。

阿波踊り初日、空港にも踊り手が登場
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阿波踊り初日、空港にも踊り手が登場

 それから街中に戻り、うどんを食べさせてくれる店を探す。探すがデスクがネットで調べた住所に行ってもそれらしい店の姿は見えない。そんなことを繰り返しているうちに私が東京に戻る時間になった。

 空港まで車で向かう道すがら、うどんの店を探すも発見に至らず。結局、空港で徳島ラーメン(茶系)を食べることになってしまった

 デスクはそのまま夏休みに突入し、四国を回るという。足りなかった取材はよろしく頼む

 次回から、いよいよ奈良県編スタートです。

(特別編集委員 野瀬泰申)

*映像はflashビデオです。一部機種では再生できないことがあります。ご容赦ください。


★今週のおかわりは「弱腰うどん発、3色ラーメン経由、はんごろし行き」〜デスク版徳島県実食編です。ぜひお読みください。

徳島県編(その1) 再びの「メンデーレアマボヤーン」

徳島県編(その2) 鳴門のうどんは「鳴ちゅるうどん」

徳島県編(その3) 花嫁は 来ても行っても 菓子配る

徳島県編(その4) 絞れ! 柑橘王国!!


 


●筆者(特別編集委員 野瀬泰申)へのお気軽メールはこちら(tabeb@nex.nikkei.co.jp

2013年8月23日

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