番外編 もし水戸出身の男性ヒラ社員が静岡県の『ご当地グルメ』を食べたら(もしヒラ)

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浜松で購入した「浜納豆」。パッケージには三つ葉葵が印刷され「食べればあなたも天下人」のコピー
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浜松で購入した「浜納豆」。パッケージには三つ葉葵が印刷され「食べればあなたも天下人」のコピー

 一芸であります。今回の実食編取材で、自分は単独行動になることがしばしばありました。「水戸黄門」で例えるなら、黄門さまご一行とは離れて歩き、ここぞというときに現れる“風車の弥七”のような役回り。そう考えて悦に入っておりましたものの、していることはどちらかというと“うっかり八兵衛”改め“ちゃっかり八兵衛”です。

 浜松駅で野瀬特編の一行と別れ、売店をのぞいてみると「浜納豆」があります。“いけずな京女さん”“横浜の宮本さん”“静岡市在住の栗田さん”から投稿のあった一品です。水戸黄門つながり、というわけではありませんが、水戸出身の自分としては納豆と名のつく食べ物を見過ごすことができません。ただちに買い求め、電車の中でもそもそと食べてみると、なるほど塩辛く、お酒に合いそうです。下戸ですけど。

 浜納豆のパッケージには、徳川家の家紋である三つ葉葵が印刷されていました。なんでも徳川家康が好んで食べたと言われているとか。この家紋は御三家のひとつである水戸でもおなじみです。水戸黄門すなわち徳川光圀も、納豆を食べたという記録や、備蓄用食料として納豆を作らせたという逸話があります。それが現在一般的な糸引き納豆であるのか、この浜納豆のようなものであったのかは定かではありませんが、自分の故郷と遠州(静岡県西部)とのつながりを勝手に想像し、なつかしく感じた次第です。

水戸市内で購入したしんこ餅。棒状で売っていた
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水戸市内で購入したしんこ餅。棒状で売っていた

 別行動を取った大きな理由は、もち米ではなくうるち米を使ったお餅である「おはたき」を入手することです。本編第2回で“千葉県在住遠州育ちの越谷さん”が紹介し、第3回で“水戸の生まれで千葉在住ののべさん”が「同じものが水戸にもある」と反応、さらに最終回で“水戸のおけいちゃんさん”が「砂糖しょう油で食べていた」と続報を寄せてくれました。これを読んだ水戸育ちの自分は「しんこ餅だ!」とひとりで大いに盛り上がり、急きょ里帰りしてしんこ餅を実食したのでした。

 「おはたき」は遠州(静岡県西部)特有の呼び名。その名前の商品を扱っている店は事前に2軒ほど見つけてありました。しかし1軒目に電話してみると「冬場しか出していない」とのこと。季節商品という性質もあるようです。そこで2軒目に連絡。するとここでは入荷する曜日が限られていて、この日は店頭にないことが分かりました。

水戸のしんこ餅。焼いて、砂糖しょう油で食べる
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水戸のしんこ餅。焼いて、砂糖しょう油で食べる

 誠に残念ではありますが「おはたき」の入手はあきらめます。ところで、遠州のおはたきと、水戸のしんこ餅との間にも、何か共通点はあるのでしょうか? 遠州(遠江国)といえば、家康が浜松城を築き着々と天下統一への布石を打っていた地。生まれ故郷である三河国と、大御所政治を展開した駿河国との間に位置しており、やはりここにも徳川家つながりが……? いや、しんこ餅は水戸だけでなく多くの地域にあるものですし、さすがにそれは無理があるか。

 しんこ餅が空振りに終わってしまったので、何か取材する(≒食べる)ものはないか探してみると、やはり遠州の磐田に「おもろカレー」というおもしろそうなカレーがありました。前日「もつカレー」と「もつカレーライス」を食べていますが、カレーの吸引力には抗えません。

 「おもろ」とは豚足のこと。この地域ではいつの頃からかその呼称が定着したそうです。2008年、これをカレーの具にした「おもろカレー」が考案され、まちおこしとしての取り組みが進んでいます。

豚足を使った「おもろカレー」
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豚足を使った「おもろカレー」

 おもろカレーを扱っている店を探し、足を運びます。食べてみると、これがなかなかの美味。くにゅくにゅとした豚足の食感と、カレーとの取り合わせが絶妙です。B級ご当地グルメがひしめく静岡県で、新たな磐田名物として存在感を発揮できるか、注目です。

 ついでですからここでも考えてみましょう。おもろカレーと水戸との歴史的なつながりは?

 そういえば、水戸で育った最後の将軍・徳川慶喜は、当時としては珍しく豚肉が好きでよく食べていたと言われています。その慶喜は明治に入って駿府改め静岡に居住しており……ま、関係ないですな。

 史実を検証することはもちろん重要です。でも、あくまでフィクションとして「歴史的なつながり」を空想してみるのも楽しいもの。そこから意外なまちおこしのヒントを発見できるかもしれません。

クラシックなデザインの磐田駅と、Jリーグ・ジュビロ磐田のマスコット「ジュビロくん」
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クラシックなデザインの磐田駅と、Jリーグ・ジュビロ磐田のマスコット「ジュビロくん」


(2011年5月20日) このエントリーをはてなブックマークに追加


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