第8回 鳥取県(その2) 「牛骨ラーメン」参上!

青森県VOTE1位は下北の「イカのすし」
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青森県VOTE1位は下北の「イカのすし」

 最初に、皆さんへお願いしていた青森県編における「野瀬に食べさせたいもの」VOTE(投票)結果を発表する。


1位 下北の「イカのすし」
2位 味噌カレー牛乳ラーメン
3位 八戸の朝市の朝食(と朝風呂)
4位 あずきばっと
5位 いがめんち(イカメンチ)


であった。

 そこで来週末の5月28日に青森に行って実食する手はずとなった。この模様はしかるべき時期に写真を添えてリポートするつもりである。

左上から時計回りで、いがめんち、味噌カレー牛乳ラーメン、あずきばっと、八戸の朝市、「イカのすし」
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左上から時計回りで、いがめんち、味噌カレー牛乳ラーメン、あずきばっと、八戸の朝市、「イカのすし」

 本連載では初めての実食リポートとなるため、いくつかの実験をする。そこで今回は一芸クンという新たなメンバーが遠征に参加する。

 ただ問題は1位になったイカのすしがシーズンではないこと。まあ何とか入手し食べたいものである。

 2位の味噌カレー牛乳ラーメンも、実は楽しみなのである。すでに書いたように私が食べたのは函館の味噌カレー牛乳納豆ラーメンであり、納豆が加わっていた。納豆抜きのヤツを経験してみたい。

 ついでに書くと、青森の納豆は「ひき割り」が主流であることが知られているけれど、最近の私はひき割りを好んで買い求める。これにビン入りの納豆専用ふりかけをドバっとかけてかき混ぜ、熱いご飯にのせて食べるのである。


NIKKEI NET時代の人気コラム「京の噺家 桂米二でございます」が「上方落語十八番でございます」として出版されました。詳細は日本経済新聞出版社サイトで
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NIKKEI NET時代の人気コラム「京の噺家 桂米二でございます」が「上方落語十八番でございます」として出版されました。詳細は日本経済新聞出版社サイトで

 ところでNIKKEI NET時代に「食べ物 新日本奇行」の隣にあって、同じくらいしつこく連載されていた人気コラム「京の噺家 桂米二でございます」が、オソロシイことに「日経プレミアシリーズ」から「上方落語十八番でございます」となって出版された。

 このシリーズがスタートしたときの著者は小泉純一郎、石田依良という顔ぶれ。その83冊目の作品である。

 上方落語の大ネタから軽いものまで18席を米二流の軽快な文章で紹介している。面白さは読めばわかる。870円。

 書店へ急げ。


 では鳥取に戻ろう。

 小社は大手町地区の再開発に伴って昨年のいまごろ、現在地に移転した。経団連、JAというかつての隣組も一緒の移転で、新しいビルの地下には旧ビル時代からおなじみの飲食店が並んでいる。

 中に、新顔が出店した。米子市の老舗酒蔵「稲田本店」が展開している「稲田屋」というそば店である。本日、改めてメニューを見ていたところ「板わかめご飯」があったのである。


板わかめご飯
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板わかめご飯

MNo.(メールナンバー)12

 鳥取県東部には4、5月の今が旬の食物「板ワカメ」を自然のままに生産している所があります。岩美町大羽尾地区です。
 山陰の海ではこの時期きわめて珍しい波のまったくない、よく晴れた日の早朝小舟を出し、岩場についた(養殖ではない)ワカメを2〜3メートルの竹竿の先につけた小さい鎌で、水鏡で水中を見ながら切り取ります。
 それを朝8時ごろには持ち帰り、40〜60センチの簾(すだれ)に広げます。海岸の砂浜に設けた台の上にのせて自然乾燥させると、午後には収納できます。今時めずらしい自然そのものの製法です。ご多聞にもれず高齢化、過疎化で今では生産者が少なくなりましたが。
 知らない人はそんなに手のかかった食品を湯や水でもどして食してしまいますが、ちょっと火であぶり、細かく砕いて粉状にして振りかけにして食べるのが最高です。ご飯、何杯でもたべられますよ。
 世界遺産に登録されるかも知れない岩場で採れるのだから最高ですよ(はまがき のりおさん)


わかめのしゃぶしゃぶ
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わかめのしゃぶしゃぶ

 このようなメールを読んでいたので「板わかめ」の文字を見ただけで、一瞬の迷いもなく食べることにしたのである。ところが何の気なしに会社を出ていたのでカメラがない。慌てて会社に戻ってカメラを持ち、店内に入ったのだった。

 そばのサイドメニューとして注文した「板わかめご飯」がこれ。醤油を少し垂らしていただいた。板わかめを食べ進むと、メールにあるような粉末のふりかけ状のものが出現し、ご飯がすすむ君であった。


米子空港のお弁当コーナーで売っていました。その場で温めてくれたので、ホカホカが食べられました(アミー隊員)
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米子空港のお弁当コーナーで売っていました。その場で温めてくれたので、ホカホカが食べられました(アミー隊員)

MNo.13

 「いただき」って鳥取の郷土料理ですね。見た目はいなり寿司、味は甘めのかやくご飯。「いただき」ってネーミング面白いですね。久し振りにまた作ってみよう!(泉州住まい30ねんさん)


「いただき」またの名を「ののこめし」(左)、ばばちゃんの唐揚げ(ミルフォードさん提供)
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「いただき」またの名を「ののこめし」(左)、ばばちゃんの唐揚げ(ミルフォードさん提供)

MNo.14

 取引先の担当者が人事異動になったので、送別の席に駆けつけたら、待ってました〜とばかりに、鳥取の蔵元が経営する居酒屋でした。
 何かネタはないかと探していたところ「いただき」という見慣れないメニューを発見。弓ヶ浜半島で昔から食べられていたという魚の出しで炊き上げたいなり寿司です。
 いなりが防寒用の綿入れ=ぬのこ、に似ているところから「ののこめし」とも呼ばれているとか。何はともあれ、三角形ですね。同僚と一緒に、バクバクいただきました。
 「あご野焼き、とうふちくわ、長芋かまぼこ」の3種盛り+トビウオ。「ばばちゃんの唐揚げ」の写真と一緒に送ります(ミルフォードさん)


 ひょっとして、私が板わかめご飯を食べたのと同じ系列の店?


吾左衛門鮓(ずし)
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吾左衛門鮓(ずし)

 「何はともあれ、三角形ですね」というのは「東の俵型、西の三角形」といういなり寿司の定型を踏まえた文章。

 弓ケ浜半島は中海と日本海を隔てており、南の端に米子市、北の端に境港市がある。西側は島根県松江市。地図で見ると、この半島で中海に蓋をしたみたいである。

 いなり好きの私としては、1度は食べてみたい郷土料理。

 米子には吾左衛門鮓(ずし)という鯖と昆布の押しずしもある。これもよだれもの。


 境港のスーパーの写真を見て驚いた。


いなり寿司が充実(nozakiさん提供)
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いなり寿司が充実(nozakiさん提供)

MNo.15

 先日、野暮用がありまして境港のスーパーに立ち寄る機会があったのですが、法事パンについて写真のように重要な手がかりを発見しましたのでご報告します。
 また、同スーパーのお惣菜コーナーにて、いなり寿司の充実ぶりに圧倒されてしまったのですが、もしかして境港の方って、ものすごくいなり寿司が好きなんでしょうか? とても気になります。ぜひ調べていただけませんでしょうか?(nozakiさん)


法事パンの重要な手がかり(nozakiさん提供)
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法事パンの重要な手がかり(nozakiさん提供)

 法事パンについては、あんパンとクリームパンが主流という認識だが、左の写真を見ると「法事用食パン」というカテゴリーもあるらしい。続報を待ちたい。

 それからいなり寿司。写真を見る限りnozakiさんではなくとも立ち止まるであろう。九州のスーパーも東京辺りに比べると、はるかに太巻き、いなり寿司コーナーは充実しているが、これほどのいなり軍団を目にするのは初めてである。

 「いただき」を含め、この辺りはいなり寿司系の食べ物が占拠しているのであろうか。


 関西人の驚き。


真っ黒なのはココアパウダーです。喫茶ベニ屋のインド氷。
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真っ黒なのはココアパウダーです。喫茶ベニ屋のインド氷。

MNo.16

 鳥取県出身の同僚と「ところてん」について話をしていたとき、同僚は「ところてんは、酢の物」と言い切りました。「黒蜜かけへんの?」と聞くと「そんなの、気持ち悪いわぁ」との返事。
 同僚の家庭では、ところてんとキュウリの細切りで酢の物をこしらえ、ご飯のおかずとして食べているそうです。
 鳥取では、ところてんを「ご飯のおかず」にしているのか。それとも同僚の家庭だけなのか。黒蜜で食べている私には、想像できませんなぁ(ちりとてちんさん)


 ところてんをどうやって食べるのかについては食べ物新日本奇行「ところてん・他海草系」を参照されたい。メールにあるように関西ではところてんに黒蜜が当たり前。

 鳥取では酢の物ですか?


 前回、「あごちくわ」と「あご野焼き」の違いを教えてほしいと書いたところ……。


あご野焼き、とうふちくわ、長芋かまぼこ(ミルフォードさん提供)
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あご野焼き、とうふちくわ、長芋かまぼこ(ミルフォードさん提供)

MNo.17

 他の方の投稿を読んで故郷のことが懐かしくなってしまいました。
 カレーについても思わず唸ってしまいました。家で作る味は甘口、外で注文する味は辛口・スパイシー。実家がまさにこれでした。
 長らく元日の夕飯はカレーと決まっていました。それも大鍋で作って余れば冷凍保存しておいて後日食べます。
 米子のおすすめカレー屋といえば「みその」と「とんきん」です。あのスパイシーなカレーは絶品です!
 さて「あごちくわ」と「あご野焼き」の違いについてですが、鳥取県広報課「鳥取豆知識」によりますと、
 ■サイズ
 ちくわ<野焼き。野焼きは太さが5〜8センチ、長さが40〜50センチぐらい。長いものでは70センチにもなる。
 ■中身
 ちくわ:アゴのすり身を100%使用し、それに塩や若干の調味料を加えて味を調えるのが基本。
 野焼き:アゴのすり身に酒やみりん、砂糖、塩、調味料などを加えながら練っていく。「ちくわ」に比べ、積極的に味をつくり込んでいくのが特徴、とのことです。
 決して見た目の違いだけではないのです。
 言われてみれば出来立ての野焼きは少し酒の香りがします。なので酒の肴にうってつけで、昔の米子の晩酌というと1升瓶に野焼きといイメージがあります(Hikkiさん)


 野焼きはでかい。野球もできそう。


あごちくわ、とうふちくわ、とうふのやき
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あごちくわ、とうふちくわ、とうふのやき

MNo.18

 米子に住んで13年になりますが、元は関西出身です。こちらに赴任したときから、家族で来たものですから外食の機会もなく、B級グルメといっても思いつくものがありません。
 ただ関西の発想からしてスーパーなどの店頭に「あってしかるべきものがない」というものがあり、こちらの人はどうやって食べているのか不思議に思うこともあります。
 まず、すき焼きです。関西では「焼き豆腐」を入れるのですが、こちらでは「絹」と「木綿」しか売っていないのです。鳥取県民のすき焼きには何が入っているのか不思議に感じています。
 そして中華そばです。関西では鍋料理の〆にはうどんまたは中華そばを入れることが多いですが、ゆでの中華そば(黄色の麺)を売っていないのです。
 逆にこちらに来て「美味い」と思ったのが牛骨ラーメン。いまは鳥取県中部の由良が牛骨ラーメンの中心地として取り上げられていますが、米子市内でも「むさし」などが昔から定評があるようです(一読者さん)


牛骨ラーメン(鳥取情報文化研究所提供)
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牛骨ラーメン(鳥取情報文化研究所提供)

 焼き豆腐を売っていない? 中華麺を売っていない? そりゃどうした訳じゃろか。


 牛骨ラーメンである。

 手元にある鳥取県・食のみやこ推進課発行の「鳥取食力」によると、牛の骨でスープを取る牛骨ラーメンは県の中部から西部にかけて終戦後すぐに生まれた。旧満州(中国東北部)からの引き揚げ者が現地の味を再現したものという。

麺類にはすべてあごちくわがのっている
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麺類にはすべてあごちくわがのっている

 紹介されている店の所在地を見ると境港、米子、琴浦、北栄、倉吉、湯梨浜、三朝と中西部限定で、みごとに鳥取市を中心とする東部が脱落している。境界線は三朝温泉辺りか。

 地元では「鳥取牛骨ラーメン応麺団」も結成され、新たなご当地ラーメンとして全国に売り出していくという。

 とんこつラーメン発祥の地久留米で生まれ育った身としては、豚と牛の違いこそあれ、どこかに親近感を覚えるラーメンである。

とうふちくわ製造中
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とうふちくわ製造中

 ところが森枝卓士著「森枝卓士の『ラーメン三昧』」を見ると「鶏ガラ、豚骨とあってなぜ、牛骨スープはないのだろうと思っていたら、どうやら癖が強すぎて、スープとして御することが難しいからであるらしい」と書いてあった。

 つまり鳥取牛骨ラーメンは、それ自体が珍しい上に「御することが難しい」牛骨スープを「飲み干せる」レベルまで高めたものということになる。これは見事ではないか。

 いずれ我が胃袋に収まることであろう。

 東部の「ホルそば」と中西部の牛骨ラーメン。覚えておこう。


 明渡@奈良県さん、鳥取のは「うどん」ではなく「そば」ですよ。


鳥取の友人の山で掘ったタケノコ。友人宅ではこれを「大山おこわ」に入れました(いけずな京女さん提供)
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鳥取の友人の山で掘ったタケノコ。友人宅ではこれを「大山おこわ」に入れました(いけずな京女さん提供)

MNo.19

 鳥取の思い出の味と言えば、友人を訪ねたときに作ってくれた「大山(だいせん)おこわ」です。
 「大山おこわ」は霊峰・大山の季節の山菜や野菜など、自然の恵みがたっぷり詰まった郷土料理。古くから、毎年行われていた氏神さまの例祭や祭事に各家庭で作られ、来客へのお土産としても振る舞われていました。
 明治時代には、大山寺の博労座で開かれていた牛馬市の際に、仲買たちの食事として供され、それが評判を呼んで、現在も大山寺周辺の宿泊施設や食堂などでの名物となっています。
 鶏肉、シイタケ、タケノコ、ゴボウ、ワラビその他家庭によりさまざまな具材を炒め煮にしたものをもち米に混ぜて蒸し上げた「大山おこわ」は彩りも風味も豊かで、しみじみと美味しいですよ(いけずな京女さん)


京女さんから送っていただいた大山おこわ
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京女さんから送っていただいた大山おこわ

 はい、京女さんから現物を送っていただいた。このような形になっており、チンすればいつでも炊きたてが食べられる。物件そのものの説明は不要であろう。

 後は満を持して食べるだけである。


 大山は別名「伯耆(ほうき)富士」。標高1729メートル。修験道の道場、大山寺はその山頂近くにある。


 牛骨ラーメン、ホルそばについてはさらなる情報を待ちたい。

 これから旬を迎えるイカや貝類についてはいかが。

 まだまだ鳥取には美味いものが潜んでいるはずである。


お申込みの受付は終了いたしました。たくさんのご応募ありがとうございました。6月2日、愛Bリーグ主催でフォーラムを開催。場所は東京・大手町の日経ホール。詳細は(http://www.nikkeipr.co.jp/nikkeiB-1/)
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お申込みの受付は終了いたしました。たくさんのご応募ありがとうございました。6月2日、愛Bリーグ主催でフォーラムを開催。場所は東京・大手町の日経ホール。詳細は(http://www.nikkeipr.co.jp/nikkeiB-1/)

 としつこく書いているのには理由がある。先週「『人口60万人を切った鳥取からのメール1通は他県の100通に相当します』というメールをいただいているが、私の手元には珠玉とも言うべきメールの数々が届いている」と喜んでいた。しかしながら人口60万人の壁はやはり厚いのか、鳥取に関する投稿がピタリと止まった。


アミー隊員 投稿で成り立つ「食べB」最大のピンチです。地元の人から「鳥取県の人は控えめだから投稿する人は少ないのでは」という話もありました。人口の壁に県民性のダブルでしょうか。


3月収録時の出演者控室のプレート
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3月収録時の出演者控室のプレート

 鳥取県に関する情報をお待ちしている!


アミー隊員 よろしくお願いします!

 少し気が早いが鳥取の次にテーマとする県は千葉県である。ご関係のムキはご準備を。

 ではまた来週。


 おおそうじゃった。3月に収録していたTBS系「となりのマエストロ」が5月23日午後10時からやっとオン・エア。私は観ないが、観たいと言うなら止めやせん。


(特別編集委員 野瀬泰申)



 


●筆者(特別編集委員 野瀬泰申)へのお気軽メールはこちら(tabeb@nex.nikkei.co.jp

2010年5月21日


■鳥取県編
準備体操編 まずは、あのパンについて語ろう
その1 白バラ牛乳とサンライズ
その2 「牛骨ラーメン」参上!
その3 祝発足! ホルソバCC
最終回 中部の「コロッケ」の正体は?
実食編 スタートは山陰チャンポン一芸クンの食べB修行記動画で見る実食

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