番外編 富士つけナポリタン食べ歩き(デスク)


富士つけナポリタン
<写真を拡大>

富士つけナポリタン

 静岡県富士市のまちおこしご当地グルメ「つけナポリタン」を食べ歩いてきました。

 現在の富士市は、昭和41年に旧富士市・吉原市・鷹岡町が合併して誕生しました。つけナポリタンは、東海道の宿場町である旧吉原市の中心市街地を活性化するために生まれたご当地グルメです。

 地方都市に多いのですが、吉原もJRの駅が中心市街地から離れたところにあり、そのために市街地の分散化が起こっています。

喫茶アドニス
<写真を拡大>

喫茶アドニス

 もともとの中心街は岳南鉄道の吉原本町駅と富士急静岡バスのターミナル・吉原中央駅の間にある大きなアーケード街です。その規模にかつてのにぎわいをうかがい知ることができます。しかし、現実にはシャッターを閉めた店舗が多く、B級ご当地グルメによるまちおこしに取り組んだというわけです。

 昨年の姫路大会から富士つけナポリタン大志館がB−1グランプリにも出展、全国的な注目度もアップしてきています。商店街にはつけナポリタンのアンテナショップもでき、つけナポリタンの魅力を展示するとともに、グッズなども買うことができます。

アドニスのつけナポリタン
<写真を拡大>

アドニスのつけナポリタン

 つけナポリタンは、トマトをベースに、鶏ガラやコンソメ、ブイヨンなどお店独自のスープを活用したダブルスープが基本です。これにつけ麺風にパスタをつけて食べます。具などはお店によって違いがあり、提供店それぞれで個性のあるつけナポリタンを食べることができます。

 お店が個性を競っていますので、食べ歩き向きのメニューというわけです。

 まずはつけナポリタンの元祖という「喫茶アドニス」におじゃましました。

もちもちした太麺
<写真を拡大>

もちもちした太麺

 つけナポリタンは、テレビ番組から生まれたご当地グルメです。吉原商店街を活性化するために地元の喫茶店であるアドニスと人気ラーメン店「めん徳二代目つじ田」がタッグを組んで開発したのが、つけナポリタンの始まりです。喫茶店の定番メニューであるスパゲティナポリタンをラーメン、つけ麺の視点で作り変えたのが、つけナポリタンなのです。

 元祖店のメニュー名はナポリのナポリタンよろしく「つけ富士リタン」です。ちなみに、ナポリには「ナポリタン」というパスタ料理はありません。台湾ラーメンも名古屋のご当地ラーメンです。

つけナポの流儀
<写真を拡大>

つけナポの流儀

「つけ富士リタン」はつけナポリタンの食べ方を指南する紙片とともに提供されます。ここに書かれた文言につけナポリタンの魅力が凝縮されています。

その一、よくつけて食すべし

その二、チーズを絡めて食すべし

その三、レモンは半分食べたら麺にかけるべし

 ソースは決してソースではなく「つけ汁」なのです。麺をたっぷりと浸して食べるところに魅力があります。もちもちとした麺はまさしくつけ麺。麺自体に味が付いていて、付け汁なしでも美味しく食べられました。

粉ではなくとろけるチーズ
<写真を拡大>

粉ではなくとろけるチーズ

 そしてスープにはとろとろに溶けたチーズ。粉チーズではなく、熱いスープでチーズがとろっとなったところを麺に絡めて食べるのです。この食感、たまらない。

 そして、味に変化をつけながら麺を食べきる。たっぷりとゴーカイに食べるのです。油で炒めた麺とチーズたっぷりのトマトソースですので、そのまま食べ切るのはちょっとヘビーなのでしょう。途中で麺にレモンを掛けることによってさっぱりと食べきろうという戦略です。

「替え玉」があるのもラーメン的です。たっぷりのスープなので、どうしても最後にスープが残ってしまいます。

ご飯を入れて雑炊風に
<写真を拡大>

ご飯を入れて雑炊風に

 そこでエキストラの麺を注文してスープも残さず食べきるのです。ご飯を注文して残った汁に投入して雑炊風にスープを味わうこともできますし、パンを頼んでスープに浸して食べることもできます。

 せっかくのスープを残さず食べてもらおうという意図が感じられます。それだけスープに自信があるということなんですね。

 元祖店だけにつけナポリタンを食べるお客さんが多く、僕が食べ終える前に売り切れ、ぎりぎりセーフでした。肉は鶏肉がつけナポのデフォルトだそうです。また麺には地元特産の桜エビが入っています。

とろっとした黄身を麺に絡めて
<写真を拡大>

とろっとした黄身を麺に絡めて

 卵は半熟のゆで卵でした。スープの中で割って、とろっとした黄身を麺に絡めて食べます。卵好きには魅力的な食べ方です。

 2店目は「cofee食堂 月のあかり」です。

 こちらはつけ汁が特に美味しかった。トマトをたっぷりと使っているようです。

 肉は鶏をほぐしたものでした。細かく裂いてあったのが食べやすかったです。スープにも絡みやすい。なかなか考えましたね。

cofee食堂月のあかりは目玉焼き
<写真を拡大>

cofee食堂月のあかりは目玉焼き

 つけナポリタンの卵は、アドニスと同じゆで卵が多いのですが、月のあかりは目玉焼きでした。やはり半熟で黄身を絡めて食べます。ちょっと横手やきそば風かな。

 野菜の小松菜もしゃきしゃきしておいしかったですね。

 続いては「カフェ・プレアーテ」。

 食器も内装もとてもおしゃれなお店です。特徴的だったのは「おこげ」です。

 イタリア料理店では、パスタにガーリックトーストがつき物ですよね。残ったソースをトーストできれいにしながら食べるのですが、その感覚を取り入れたようです。

カフェ・プレアーテはおこげ入り
<写真を拡大>

カフェ・プレアーテはおこげ入り

 かりっとしたおこげをトマトソースにじっくり浸して食べます。

 卵は半分に切ったゆで卵でした。前出の2店とは違い「ウエルダン」でした。

 ソースの底に沈んだチーズもおいしかった。ねっとり甘さを感じるチーズでした。

 そして、静岡県実食編の際にもお世話になった「カフェ・ソファリ」。ソファーとサファリをコンセプトにしたくつろぎのお店です。

カフェ・ソファリにはおにぎりも
<写真を拡大>

カフェ・ソファリにはおにぎりも

 肉は、鶏ではなく牛のすじ肉でした。よく煮込んでほろほろになったすじ肉が個性的です。

 カフェ・ソファリの最大の特徴はおにぎりです。ゆずこしょうが乗ったおにぎりを残ったスープに投入してよーくかき混ぜます。そして最後に海苔をぱらり。気分はリゾットです。

 ここですじ肉が本領を発揮します。スープの底の脂が抜けてとろっとしたすじ肉がご飯に絶妙に合うのです。名古屋のどて煮や神戸のぼっかけ飯の感覚ですね。ゼラチン質のとろとろがご飯に合うのです。

ゆずこしょう付き
<写真を拡大>

ゆずこしょう付き

 カフェ・プレアーテのおこげもそうですが、お米、イタリアンではなくなんとなく和風なのがつけナポリタンの魅力なのです。だからタバスコではなく、ゆずこしょう。

 タバスコ偏愛主義者の僕ですが、このシメのおむすびだけはタバスコを拒絶します。まっかなトマトソースには、手首が腱鞘炎になるくらいタバスコをかけるのが王道と信じて疑わないのですが、つけナポリタンには「緑の愛」です。ゼッタイ。

 実はカフェ・ソファリ、東京・恵比寿に姉妹店があります。最後に東京で食べられるつけナポリタンをご紹介しましょう。

東京のつけナポリタン
<写真を拡大>

東京のつけナポリタン

「ライオンのいるサーカス」というお店です。具のすじ肉やグリーンアスパラなどスープはカフェ・ソファリを踏襲しています。

 残念だったのが、富士市内各店で共通していたもちもちの太麺ではなかったことです。ゆずこしょうを使ったご飯もカフェ・ソファリと同じアレンジだったのですが、あのもちもちの麺も富士つけナポリタンの魅力だと思うので、できれば富士と同じ麺にしてほしかったなぁ。

 とはいえ、都内で富士の味を確かめられる貴重なお店です。

イベントでは様々な趣向も
<写真を拡大>

イベントでは様々な趣向も

メール

 つけナポリタンがテレビの企画から始まったのはご存知とは思いますが、やはり最初はごくごく一部の盛り上がりでした。富士市は旧富士市・旧吉原市・旧鷹岡町と三つに大きく分かれており(商工会も)、それに平成の大合併で富士川町も加わり、富士市民自身が知らない行事やイベントが結構あるのです。
 つけナポリタンは、現在約50店舗ほどが提供できる富士市の看板メニューとなり、吉原地区だけでなく富士地区にも取り扱いのお店がありますし、道の駅である富士川楽座でも提供しています。いろんなお店がオリジナルの味付けをしていますので、お店の食べ歩きが可能になり、それが集客効果を生んでいるのだと思います。
 先日発表されましたが、つけナポオリジナルメニューコンテストも開催するようですので、この結果もまた楽しみになってきました。
 つけナポリタンで、吉原シャッター商店街が活気ある商店街になり、工場の街としては下降気味の富士市に人の流れが生まれるようになってほしいと思います(そら♪さん)

 つけナポリタンは、吉原地区の活性化だけでなく、富士市全体を一体的に活性化する役割も担っているんですね。

吉原小宿でトマトのかぶりものに夢中の観光客(宮サン提供)
<写真を拡大>

吉原小宿でトマトのかぶりものに夢中の観光客(宮サン提供)

メール

 富士市で売り出し中の「つけナポリタン」をみなさんと食べに行きました。富士市には商店街が2つあり、そのうちのひとつ、吉原商店街でご当地グルメとして始めたのが「つけナポリタン」です。
 つけナポリタンの定義は(1)トマトベースのダブルスープ(2)麺とスープは別々に出す、の2つの条件だけなんです。富士つけナポリタン大志館のボンジョルノ小川さんによると「お店でメニューとして提供するためのハードルを下げて店舗を増やす」目的だそうです。
 富士宮やきそばと同じように、吉原商店街にある吉原小宿に行けば食べ歩きマップ、さらにはグッズも販売しています。TMO(タウンマネージメント機関)のメンバーが頑張っていますので、食べに来たときは寄ってみてください。
 富士市吉原商店街と富士宮市とはバスのアクセスも良いので、1日で富士宮やきそばと両方制覇も可能です(富士宮やきそば学会IT推進担当宮サン)

 店ごとに個性があってそれぞれに違った魅力を持つ富士のつけナポリタン。富士山を眺めながら食べ歩くって言うのもなかなかいいですよ。

【PR】

【PR】

【PR】

大人のレストランガイド

大人のレストランガイド

NIKKEI×ぐるなびが提供する、大人のためのグルメガイド。接待や会食、ビジネスシーンなどにおすすめのお店情報をご紹介。

ぐるなびWoman

ぐるなびWOMAN

女性のための女子会・デートのグルメ情報サイト。おすすめのレストランや居酒屋をこだわりやシーンに合わせて検索できます。

ぐるなびWedding

貸切パーティコレクション

企業向け貸切、OB会etc… 少人数〜大人数でも貸切OKのレストラン

結納・顔合わせ

特別な日を過ごすための完全個室のお店情報や、マナー・段取りまで

このサイトについて

日本経済新聞社について