第35回 長崎ご当地グルメ(その3) 竜眼はアルマジロの親戚である

富山で「B級ご当地グルメでまちおこしセミナー」開催(一芸)


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 12月4日土曜日、富山国際会議場で「まちおこしセミナー B級ご当地グルメでもっとおいしく、元気な富山に!」を開催しました。雨模様でしたが100名近くの方にご参加いただき、新しいまちおこしの形について楽しく話し合うことができましたこと、関係者一同、心より感謝しております。


 その模様を簡単にご報告いたしましょう。


野瀬「ポイントは“B級”より“ご当地”」


 最初に野瀬特編のショートスピーチ。愛用のデジカメで撮影したB-1グランプリの舞台裏を紹介しながら、その盛況ぶりに垣間見えるまちおこしへの可能性を読み解きます。


途中で上着を脱いで腕まくりし、気合いを見せる?野瀬
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途中で上着を脱いで腕まくりし、気合いを見せる?野瀬

 「今起きているのは『B級グルメブーム』ではなく『B級ご当地グルメブーム』。ポイントは『ご当地』にあり、『B級』というのは身近なものだという記号に過ぎない」と野瀬。「B-1グランプリも、お店が料理を出すのではなく、まちおこし団体が地域をPRする場。そうした性格のイベントがこれほどの集客力を発揮できるという現象こそ、B級ご当地グルメが地域活性化につながる可能性を示しているのではないか」と分析しました。

 「ラーメンのイベントだと、参加者のほとんどは男性、それも30代〜40代に集中する。だがB級ご当地グルメなら老若男女を幅広く集めることができる」とも。多くの地域が、活性化の「入り口」という役割をB級ご当地グルメに期待するのは、このあたりに理由があるのでしょう。


渡辺氏「うまいものありきではなく、うまい話ありき」


富士宮やきそば学会の渡辺英彦会長
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富士宮やきそば学会の渡辺英彦会長

 続いて、富士宮やきそば学会の渡辺英彦会長が、成功事例として全国に知られる静岡県富士宮市のまちおこし、地域ブランドづくりについて講演しました。

 やきそば学会は2000年に結成。今や毎年60万人もの人がやきそばを目的に富士宮を訪れており、その経済効果は2009年までの累計で439億円という試算もあります。

 やきそば学会は2000年にやきそばを作り始めたのではありません。もともと市内の駄菓子屋などで売られ、市民に親しまれてきた富士宮のやきそばを、市外の人に知ってもらう活動を始めたのです。「知られていないのは存在しないのと同じ。知ってもらうために重要なのは言葉だ」と渡辺会長は力説します。

 「よく『来てみて食べてもらえれば分かる』という人がいる。それは裏返せば『行ってみて食べなくては分からない』ということ。味は伝わらない。伝わるのは言葉。その言葉が記憶として残り、そこに行ってみようという気になり、実際に食べてみて『なかなかいけるじゃないか』と感じればリピーターになり、口コミも生まれる」。言葉の中でも特に効果的なのは、いわゆるオヤジギャグだというのが渡辺会長の持論です。

 市内でやきそばのデータを集める調査員を「やきそばG麺」と呼び、富士宮市、横手市(秋田県)、太田市(群馬県)のやきそばを食べ比べるイベントは「三者麺談」、それがきっかけで三市が結んだ協定は「三国同麺」。オヤジギャグのオンパレードに会場の雰囲気もなごみます。しかし「ここで『何をくだらないことを』と思うようでは、まちおこしはできない」とぴしゃり。ダジャレを用いることで「面白そう」「楽しそう」と感じさせるだけでなく、マスメディアにも取り上げられやすくなるという戦略がそこにあるのです。「うまいものありきではなく、うまい話ありき。そう言うと『うまいものがあるのが第一ではないのか』と反論されるかもしれないが、それは大前提で、当たり前のこと。そこにどういう言葉を与えるかによって価値が生まれる」。

 地域のブランド力が高まれば、観光誘致だけでなく、商標などによる知財ビジネスも可能になります。ボランティアで始めた取り組みでも、事業化が進めば地域に雇用を生み出せるわけです。さらにやきそば学会では「ふるさと納税宣言!」と書かれたカップやきそばも開発。1個売れるたび10円が富士宮市に寄付される、という商品です。これによって、民間の取り組みに行政が協力する構図も出来上がります。

 現在、その波及効果はやきそば以外の食材にも広がっています。やきそば人気に便乗し、これに合う飲み物を作ろう、と考えたのが日本酒の「大びんじょう」。自ら「二番煎じ」と言ってはばからない「富士宮にじます学会」も立ち上がりました。ここでも「ますコットガール」「鱒の缶詰 鱒財缶(そんざいかん)」と切れのいいオヤジギャグが炸裂です。朝霧高原では乳製品を売り出すための「乳ディール政策」を、牛の背中に腰掛けた「みるく菩薩」様が見守っています。富士宮のまちおこしは、成功事例であるだけでなく、まさに現在進行形の事例なのです。


古川氏「地サイダーは高齢者にも人気」 


古川和幸さん
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古川和幸さん

 休憩をはさんで鼎談へ。地元代表ということで黒部市宇奈月町でまちおこしを進めている古川和幸氏が参加し、渡辺会長、野瀬と富山におけるまちおこしを語り合います。

 古川氏は合同会社うなづき商店の業務執行役員。この会社は宇奈月町商工会青年部の有志が立ち上げ、地元の活性化につながる商品開発に取り組んでいます。

 その第一弾が黒部川の名水を使った地サイダー「黒部の泡水」。今年3月の発売以来、3万本を売り上げたヒット商品です。刺激の強すぎない微炭酸で、高齢者にも人気を呼んでいるのだとか。

 B級グルメにも取り組んでおり、美肌の湯として知られる宇奈月温泉の源泉水と、海洋深層水の塩を使って作る塩焼きそば「つべつべ焼きそば」をイベントなどで提供しているそうです。

 「つべつべ」が「つるつる、すべすべ」を現す方言と聞いて、野瀬が「方言の響きは美しいが、土地の人以外にも分かりやすいネーミングのほうが受け入れられるのでは?」と問題提起すると、渡辺会長も「『黒部の泡水』は、全国的に有名な映画を想起させる『黒部の』というキーワードをうまく使い、伝わりやすくした印象がある。サイダーだけに、外の人をアウトサイダーにしない姿勢が良かった」と指摘。野瀬は「新しいメニューは、ご当地グルメとして定着するまでにかなりの時間がかかる。それまでの間に、何かすでにある素材で、まちおこしにつながるものを発見しては」と提案しました。

名水サイダー「黒部の泡水」
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名水サイダー「黒部の泡水」

 これに古川氏が「宇奈月の風景がモーツァルト生誕の地であるザルツブルグ(オーストリア)に似ていることから、モーツァルトをテーマにした音楽祭が行われている。モーツァルトを聞かせて作ったビールもある」と応じると、渡辺会長の目がキラリと光ります。「それは展開できるのではないか。銘菓『甘デウス』とか。おもちゃの『ウォルフ玩具』…こりゃダメか(笑)。Salzburgだから『ザルツバーガー』はありだろう」と具体的なアイデアを次々と披露。「モノにこだわると広がらないが、キーワードに注目すれば広がりが出てくる」。野瀬も「モノにこだわらず、モノにこめた地域の思いを売っていってほしい」とエールを送りました。

 古川氏は、このセミナーの翌日に行われたまちおこしイベント「SPAマラソン in うなづき」の実行委員長でもあります。これは、浴衣を着て温泉街を走るというユニークなマラソン大会。時間を競うのではなく、かぶりものなどでパフォーマンスを競います。途中足湯につかったりして、参加者が宇奈月の魅力を味わえるよう企画されているそうです。2人も「これは面白い」と盛り上がり、渡辺会長はさっそく「AKB48のようにたくさんの若い女性が浴衣姿で走っていたら絵になるし、それが温泉街に定着して『湯ギャル』なんて文化が生まれたらまちおこしになるのでは」と提案していました。


終盤は3人だけでなく、会場の参加者全員でディスカッション

終盤は3人だけでなく、会場の参加者全員でディスカッション

 終盤は3人だけでなく、会場の参加者全員でディスカッション。入善町商工会有志が進めている「入善ブラウンラーメン」の取り組みや、とろろ昆布をのせた富山おでんを全国に発信する取り組みなどが、実際に活動している人たちから紹介され、熱のこもったやりとりが続きました。


やきそばドロップのお味は?


プレゼント
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プレゼント

 セミナーの最後に、来場した皆さんに抽選でB級ご当地グルメ関連グッズをプレゼント。八戸せんべい汁セットや小倉焼きうどんセット、出雲ぜんざいや姫路おでんなど、講演の中にも登場した品々をお渡ししました。渡辺会長からいただいた「やきそばドロップ」は、当たった方にその場で実食を依頼。感想は「ソースの味がする…」。おめでとうございます、とは言いにくいシチュエーションでした。

◇     ◇


 これからも、各地のみなさんとお会いする機会を設けていく予定です。次はあなたのまちに「食べB」がお邪魔します!


食べB修行記、今週のリポート一覧


■長崎県編
・その1 長崎はマヨが甘かった翔べ!天正遣欧少年の夢
・その2 カルコークは「砂糖屋の近か」ご当地“美”級グルメ「とやまスイーツ」実食 in Tokyo美級グルメ
・その3 竜眼はアルマジロの親戚である富山で「B級ご当地グルメでまちおこしセミナー」開催(一芸)
・最終回 蛍光食品の傾向と対策カルコーク選手権(一芸)
・実食編(前編) 五島で食べる五島地グルメ一芸クンの食べB修行記〜ちゃんぽん番町の野望〜
・実食編(後編) 三度の飯より佐世保のサンド一芸クンの食べB修行記〜ひとりデザートバイキング編〜

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